この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 923
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309253251

感想・レビュー・書評

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  • 人類が滅亡した後に、再び文明を起こすためにはどうしたらいいのかが書かれた本。
    まず人類が滅亡したら、建物の並ぶ都市はどうなるのかという話から始まり、残された建物や食料で食いつなぎ生き延びる方法が書かれている。
    例えばスーパーマーケットの棚に商品が丸々残っていたら、一人当たり何年生き延びられるのかなど興味深い計算もある。

    生き延びるために農業で食料を作り、衣服を作り、その他の物質を作るためには材料集めから作り方からどうしたらいいのか、医薬品はどうしたらいいのか、など章に分けられながら書かれている。

  • 0から科学文明を再建するために必要な知識とは。教科書で習った知識が人類史のピースとしてはめ込まれていく。たとえば炭酸カルシウムは、石灰石として山からとれるので原料としては入手しやすいこともしらずに化学反応式を覚えていた。何を得たかったのか、何が難しかったのか。人類がそれで何が出来るようになったのか、ほとんど意識することなく化学を学んでいた。原料は試薬ビンのなかにあるイメージしかなく。
    こんな気づきがいろんな分野である本。そしてマニュアル本のような形式をとりながら、歴史の本であるというユニークさ。科学史全体(!)のエッセンスが1冊読むことで概観できてしまう。
    各分野が総花的に書いてあるのでわかりにくかったり簡単すぎたりするのはしょうがない。問題は何より図が少ないこと。どうしても項目ごとに別に調べに行くため読書が中断される。

  • 世界が何らかの原因で滅んでしまったのち。ただし
    若干の人類が生き残るという仮定のもと。
    そうなった場合にどのように文明を取り戻していく
    ことが可能なのかを考察している内容。
    視点はとても面白く、科学的な成果物のうち人類に
    とって重要なものは何なのか?または、何を優先的に
    回復すべきなのか?いいかえると、今の文明の基礎は
    何なのかがよくわかる面白い内容だと思います。
    ただ、細かな内容は難解で、特に分かり易くかいて
    あるのだとは思いますが。科学的な説明の部分は
    どうしても頭に入ってこない部分が多く苦労しました。

    第1章 僕らの知る世界の終焉
    第2章 猶予期間
    第3章 農業
    第4章 食糧と衣服
    第5章 物質
    第6章 材料
    第7章 医薬品
    第8章 人々に動力を
    第9章 輸送機関
    第10章 コミュニケーション
    第11章 応用科学
    第12章 時間と場所
    第13章 最大の発明

    もう少し科学的素養が見に付いていたらもっと有意義な
    本だったのではないかと思います。

  • ポスト・マッドマックス
    崩壊した文明をいかに復興するか、壮大な思考実験である。

    重要なのはやはり食。
    安定した農業体制を構築し、生産性を向上させ、いかにほかの分野にリソースを割り当てられるかが重要だと思う。

  • タイトル通りの一種の思考実験。想像以上にしっかりと思考実験。農業、機器の作り方からコミュニケーション、時間と場所まで。
    これらを考えることは、すでにあるものが、どういうプロセス…科学的思考で産み出されたのかを考えることにもつながる。ゆえに、この世界をもう一度作るための最大の発明は科学的思考、という結論に至るのかもしれない。

  • マッドマックスや北斗の拳以降の世界を、サバイバルではなく、復興の観点で考える意欲作。農業・衣服・材料・医薬・動力・輸送・コミュニケーションと続く流れはあまりにも膨大で網羅的なテーマであるため、各論はどうしても早足でつかみきれない。しかし、これこそが現生人類がやるべき最後の仕事なのではないかとも思わせる。

  • 文明の再興の道筋について概観を示す。
    現代物理学、半導体、遺伝子生物学などには踏み込まない。時計止まり。

    期待した程には面白くなかった。

    著者の博識には恐れ入るが、この本だけ読んで実行できるわけで無し、それを目指して書かれた本でも無い。であればもっと読んで楽しい内容にできたのではないか。

  • 現代知識チートマニュアルと似ている。
    なんかあんまり頭に入ってこなかった。読みたい本が多すぎるのと、本以外にやりたいことが多すぎるのかもしれない。

  • 文明再起動マニュアルという発想は非常におもしろい。現代文明を支える技術の包括的なレビューとも言える。分かりやすいし良くまとまっているとも思うのだが、やっぱり1回読んだくらいでは消化不良気味かも。

  • 面白いけど、かなり難しい

著者プロフィール

イギリス・レスター大学にあるイギリス宇宙局の研究者で、宇宙生物学が専門。サイエンスの著作で数々の賞を受賞、「ガーディアン」紙や「ザ・タイムズ」紙などに寄稿し、BBCなどテレビ番組にも複数出演している。

「2019年 『世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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