触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか

制作 : David J. Linden  岩坂 彰 
  • 河出書房新社
3.42
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本棚登録 : 298
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309253534

感想・レビュー・書評

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  •  著者は神経科学者(米ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授)だが、本書のような一般向け科学書もものしている。前著『快感回路――なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか』は、当ブログでも取り上げた。

     本書も『快感回路』同様、品のよいユーモアをちりばめた良質な科学ノンフィクションだ。
     テーマである触覚(皮膚感覚)は性的快感と深く結びついているし、本書にもセックスに関する話題がわりと多いから、『快感回路』の続編というか、スピンオフ本的な内容と言える。

     触覚の作用機序についての説明部分は専門的すぎてやや退屈だが、面白いエピソード、トピックが満載だ。
     たとえば――。

     私たちの皮膚には「C触覚線維」という、なでられて心地よい感覚のための神経――すなわち「愛撫専用の触覚系」がある。
     この触覚系に対して優しくなでる刺激がもたらされることは、「新生児の情緒の適切な発達のために欠かせないものであり、このシステムが形成する社会的接触は、成長後に信頼関係や協調関係を築くために重要な役割を果たす」という。
     赤ちゃんに対するスキンシップがいかに重要であるかを、この「C触覚線維」が証し立てているわけだ。

     広義の触覚――熱さや冷たさの知覚、痛覚、かゆみの感覚、くすぐったさなど――についても詳述されており、それぞれじつに興味深い内容になっている。例を挙げよう。

     鳥は平気でトウガラシを食べる。トウガラシの刺激成分カプサイシンに反応するセンサーを、持っていないからだ。
     ゆえに、バードウォッチャーは鳥の餌をリスなどの哺乳類に盗み食いされないよう、餌にする種にトウガラシをふりかけておく。
     ではなぜ、鳥だけがトウガラシの辛さに反応しない動物になったのか? その謎解きは次のようなものだ。

    〝哺乳類は種を食べると臼歯ですりつぶしてしまいがちだが、鳥には臼歯がなく、種子の大半はそのまま消化器官を通り抜ける。鳥が糞をすると、これまでとは違う場所に発芽可能な種子を蒔いていくことになる。鳥にとってもトウガラシにとっても都合のよい状況である。〟

     思わず人に語りたくなるような話ではないか。 

     また、生まれつき痛みを感じない「無痛症」についての、次のような記述にはぞっとさせられた。

    〝痛みを感じなければ、さぞのんびり暮らせるだろうと思われるかもしれないが、現実はそういうものではない。痛みというのは、組織にダメージを与えるような刺激への反応として生じる。痛みがなければ、刃物や熱湯や有害な化学物質を避けることも学べない。先天性の無痛症の人は常時けがをしている。知らないうちに自分で舌を噛み、骨を折り、関節をすり減らし、ゴミの入った目をこすって角膜を傷つける。成人になるまで生きている者は少ない。〟

  • たまたま移動販売型の本屋さんで衝動買い。
    触覚はとても不思議な五感だ。身体中にセンサーがあり、そのセンサーにも様々な知覚を感じるように分類されている。第1章で皮膚は社会的機関と言っているように、経験に基づいて「良悪」を判断している。
    血吸いコウモリからオーガズムの原理まで、わかりやすく触覚を論じている書籍!

  • 「触れることの科学」http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309253534/ … 読んだ、おもしろかったー!内容は、実際の外的タッチに留まらず、食物と味覚との関連や、性快感、内臓触覚、錯覚、痛み痒み、感情の変化が及ぼす触覚への影響、と多岐にわたる。つくづく、人体の不思議、脳の驚異だ(つづく

    ホットチリ、クールミントは口腔以外の他の皮膚でも同様に感じるか?とか、脳が痛みの強弱をコントロールできる、とか、無痛症とか。なぜ掻くと痒みが一時的におさまるのか、とか。痒みの感覚は伝染する、とか。掻きすぎて頭蓋骨に穴を開け、脳が外へ出てしまったとか。信じ難いがこれは実話(おわり

  • 話が専門的過ぎて、ややついていけなかった。

  • 2017.02.20 朝活読書サロン(未参加)

  • 触れることの科学: なぜ感じるのか どう感じるのか

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22138760

  • 2017.6/12 カンガルーケアの記述や「赤ん坊から大人まで、同僚から恋人まで、さまざまな関係において社会的接触が信頼と協調の発達と強化に重要な役割を果たしている〜優しく撫でる触れ合いは、安全を伝える〜脅威ではない〜この種のコミュニケーションではC触覚系が中心的な役割を果たしている」あたりは納得。あとはひたすら専門用語の論文系か、丸逆の性的な話。振れ幅大きいです。

  • レビュー省略

  • 五感の中でも触感は独特。感触があるからこそ、人は生きていけるといっても過言ではない。

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