魔法のホウキ

  • 河出書房新社 (1993年1月1日発売)
3.67
  • (16)
  • (21)
  • (27)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 201
感想 : 30
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784309261874

みんなの感想まとめ

物語は、魔力を失ったホウキとその周りの人々の関係を描き、深い奥行きとユーモアを持つ作品です。著者は色彩の魔術師と称されるが、本作ではセピアカラーのイラストが特徴的で、独特の雰囲気を醸し出しています。縦...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ここ最近、沖縄戦を中心とした先の大戦に関する書籍ばかり読んでいました。

    辛く、苦しい。
    そんな読書が続いていたので、少し気分転換に返却本を持っていった図書館にて。

    ※心を取り戻すまで、もうちょいかなぁ^^;

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容を含めた感想を。

    物語の静かな余韻と、セピア色のイラストが織りなす世界に、深く心を揺さぶられた。

    物語は、空を飛ぶ力を失った魔女のホウキが、未亡人ミンナ・ショウのもとで第二の人生を歩むという、幻想的でありながらどこか現実味のある展開で進む。
    ホウキはただの道具ではなく、意志を持ち、音楽を奏で、家事をこなし、ミンナと静かな共生を始める。
    その姿は、孤独な人間と孤独な道具が互いに寄り添うようで、読む者の胸に優しい灯をともす。

    しかし、村人たちはその「異質さ」に怯え、排除しようとする。
    理解できないものへの恐れと偏見。それは現代にも通じる普遍的なテーマであり、ミンナがそれに抗う姿には、静かな強さと知恵が宿っている。
    彼女は声高に抗議することなく、策略を用いてホウキを守る。その選択に、私は深い共感と敬意を覚えた。

    セピア色のイラストは、物語の空気を見事に捉えている。
    光と影のコントラストが、ホウキの孤独やミンナの静かな暮らしを際立たせ、ページをめくるたびに、まるで秋の夕暮れに包まれているような感覚に陥る。
    絵本でありながら、絵と文が互いに補完し合い、ひとつの詩のような作品になっている。

    村上春樹氏の訳文は、意外にも(と言っては失礼かもしれないが)絵本の語り口に馴染んでいた。
    余計な装飾を排し、淡々と語ることで、物語の静けさを損なうことなく、読者の想像力に委ねる余白を残している。

    『魔法のホウキ』は、子ども向けの絵本でありながら、大人の心に深く届く作品だった。
    孤独、偏見、共生、そして別れ。
    そのすべてが、静かに、しかし確かに描かれている。
    読むたびに、ホウキの健気な姿が胸に浮かび、ミンナの優しさが心を温める。
    この絵本を手に取ったことは、私にとって小さな魔法だった。

    よきよき(*´꒳`*)

    よし、今まで避けてきたけど、絶賛長期積読中の村上春樹作品を手にしてみるか♪


    <あらすじ>
    絵本『魔法のホウキ』(原題:The Widow’s Broom)は、クリス・ヴァン・オールズバーグによる幻想的な物語で、村上春樹が翻訳を手がけています。セピア色の繊細なイラストと静かな語り口が、物語の余韻を深く残します。
    ある秋の夜、月明かりの下に空から舞い降りたのは、マントをまとった魔女とそのホウキ。しかし、ホウキは空を飛ぶ力を失ってしまい、魔女はそれを捨てて去っていきます。残されたホウキは、農場に住む未亡人ミンナ・ショウのもとに拾われ、彼女の家で新たな役割を担うことになります。

    ホウキはただの道具ではなく、自ら動いて暖炉に薪をくべたり、掃除をしたり、ピアノを弾いたりと、まるで生きているかのように働きます。ミンナはその様子に驚きながらも、ホウキとの穏やかな生活を楽しむようになります。

    しかし、村人たちはこの「魔法のホウキ」に不安を覚え、理解できないものを排除しようとします。特に隣人の男はホウキを危険視し、村の人々を扇動して追い出そうとします。ミンナは機転を利かせ、ホウキを守るためにある策略を仕掛けます。

    物語の終盤、ホウキは再び静かに姿を消しますが、その行動にはミンナの優しさと知恵が込められており、読者に深い余韻を残します。ホウキの健気さと、理解されない存在への偏見、そしてそれに抗う知恵と優しさが、静かに語られる寓話のような一冊です。

    余韻とテーマ
    この絵本は、物言わぬ道具に宿る魂のようなものを描きながら、「理解できないものを恐れる人間の弱さ」と「それを乗り越える知恵と共感」を静かに問いかけます。セピア色の絵が物語の雰囲気にぴったりで、読後には温かさと切なさが残ります。


    本の概要
    はるか昔の秋の夜、月の光に明るく照らされた空から、マントをまとった人影がひとつ舞うように落ちてきました----。セピアの色調が微妙な陰影を紡ぎ出す、オールズバーグの至上の作品。

    • 翠さん
      せっかく引っ張り出したんですもんね⭐︎
      首を長ーくして待ってます(ΦωΦ)フフフ…
      せっかく引っ張り出したんですもんね⭐︎
      首を長ーくして待ってます(ΦωΦ)フフフ…
      2025/08/17
    • ヒボさん
      きっと翠さんの方が早い気がします^^;
      きっと翠さんの方が早い気がします^^;
      2025/08/17
    • 翠さん
      えっ…と
      きっと、いつか、そのうちに…
      えっ…と
      きっと、いつか、そのうちに…
      2025/08/17
  • なんか色味が暗いし、文章も多いし、一人で読んじゃおーなんて軽い気持ちで読み始めたらとんでもない!めちゃくちゃ面白かった!!
    魔法使いの弟子みたいな話かと思ったらそんなこと全然ないし、魔法のホウキの余生って感じかしらね?
    娘たちにも読んであげよ♪

  • 86冊目『魔法のホウキ』(クリス・ヴァン・オールズバーグ 著、村上春樹 訳、1993年6月、河出書房新社)
    ”色彩の魔術師”と呼ばれる絵本作家オールズバーグだが、本作ではパステルカラーを封印し、全編セピアカラーによるイラストで物語を紡いでいる。ホウキの形を模したかのような縦長の大型版で、そのサイズ感を巧みに利用した立体感のあるイラストの数々は額に入れて飾りたい程に魅力的。ストーリーも茶目気があり、とても可愛らしい作品である。

    〈ホウキは深々とお辞儀をし、暖炉に薪をくべ、それからまた違う曲を弾きました〉

  • オールズバーグの本は読破したと思っていたら、こんな傑作があったなんて。
    色彩の魔術師と言われる人が、この作品ではオールモノクロ。
    縦長の大型絵本で、子どもに読むにはもったいない面白さ(笑)。と言うより大人向け。
    早口で読むなんて決してやりたくないが、それでも約20分かかる。
    肘を伸ばして持っている右手が、あかんことになりそう。
    でも読みたい。
    この神秘的な世界観。斬新なアングルの美しい絵。穏やかに終わる最後。なんとも粋なオチ。
    これは悩ましい。ああ、超合金の右腕が欲しい。

    魔力のなくなったホウキから落ちてしまった魔女。
    ミンナ・ショウという後家さん(そう書いてあります)が魔女の世話をし、翌日魔女はホウキを
    置いて立ち去る。
    ところがこのホウキ、とんでもない魔力を秘めていた・・
    昔話らしく、善人と悪人が登場する。
    その悪人たちに、ちょっぴり辛口のオールズバーグはちゃんと仕返しをする。
    そこがなんともまぁ、粋な計らいなのだ。
    ラストの一ページでは、ふふっと笑いがこぼれてしまう。

    片側が絵で片側がテキストというスタイルなのだが、そのテキストの周りをずらりとかぼちゃが
    描かれている。でもモノクロなので全然邪魔ではない。
    冬木立の下に立つ魔女の、なんて美しいこと。
    ひどいかぎ鼻のおばあさんじゃないの!うんうん、やっぱりこちらの美人の方が断然いいわ。
    ところどころ見開きの挿絵ページもあるから、そこはゆっくりと。
    お話に深い奥行きを感じるオールズバーグの絵をじっくりとご堪能あれ。

    これまで読んだどの本にも似ていない、見事な一冊。
    全ルビ付きでないところや、やや難易度の高い表現がいくつも登場するところに、
    いまどき珍しいほど子どもに媚びない潔さを感じる。
    家庭ではお母さんの手助けがほしいところかな。読み聞かせにはせめて高学年以上に。

    • ねこ和毛さん
      何年か前、小学生だった子供たちと読んで大笑いをした記憶があります。
      他に同じ作者の「二匹のいけないアリ」も大好きです。
      何年か前、小学生だった子供たちと読んで大笑いをした記憶があります。
      他に同じ作者の「二匹のいけないアリ」も大好きです。
      2017/08/10
    • nejidonさん
      村のすずめさん、こんにちは♪
      お気に入りとコメント、ありがとうございます!
      小学生だったお子さんたちと読まれたのですか。
      いいなぁ、と...
      村のすずめさん、こんにちは♪
      お気に入りとコメント、ありがとうございます!
      小学生だったお子さんたちと読まれたのですか。
      いいなぁ、とっても楽しそうです(^^♪
      同じ本の同じ箇所で笑える家族っていいですよね。
      なかなか無いタイプの本ですし。
      「二匹のいけないアリ」も面白いですよね。
      アリから見た人間の世界というものが、ちょっぴりグロで怖くて可笑しかったです。
      あの本を読んでから、家の中に入ってくるアリに少し優しくなりました(笑)
      2017/08/13
  • C・V・オールズバーグの素敵な絵本。
    最近、「急行北極号」を読んだことをきっかけに、子どもたちが気に入ってくれたので、毎晩1冊読み聞かせています。

    魔法のホウキも、子どもたち気に入りました!表紙の絵からして、なんだかワクワクする。魔女のホウキが古くなって、魔女と一緒に落ちてきて、魔女を助けた奥さん。魔女はぐーすか寝たら治って去っていく。残されたホウキは奥さんのために働く。最初、魔法のホウキは床をひたすら掃き続けるのだけど、もういい加減にやめて!と思って他の家事も教える。それでなんでもできるようになっちゃう。とっても楽しい。でも近所の人が、そんな恐ろしいモノは燃やしてしまえ~!ってなる。
    オールズバーグの本を何冊か読んできたうちの子は、だいたいそのあとどうなるか先が読めちゃうんだけど、それがまた、いい。奥さんは近所の人をだまして逆に彼らを追い出し、あとはゆっくりホウキとの静かな生活を楽しむ。ハッピーエンドだけど不思議な読後感で素敵です。

  • 〝魔女の乗るホウキは、いつまでも永久に使えるというものではありません。たとえどんなに立派な最高級ホウキといえども、いつかは空を飛ぶ力を失ってしまうのです... これは、ホウキが何の前触れもなしに突然空飛ぶ力を失って、その乗客とともにあえなく地上に墜落したという、遥か昔のお話しです〟・・・野菜畑に墜落してきた<魔女>を介抱したのは、小さな農家で暮らす<ミンナ・ショウ>という名の心優しい後家さんでした・・・。 オールズバーグ作品を、村上春樹サンの名訳で堪能できる至福の名作絵本。

  • なんとも味のあるお話
    セピア色のイラストが魅力的
    吸い込まれそうではありませんか
    ラストがふんわり
    静かな余韻です
    村上春樹さんの訳で紹介されて30年近くになるんですね

    ≪ このホウキ 白い幽霊? 伴侶です ≫

  • 『絵本の力』で紹介されていたので気になって借りてみました。
    セピア一色という絵は美しく、魔女や魔法のホウキのミステリアスな雰囲気が絵本全体にあります。
    読み仮名がなく、文字も多いですが、内容は子どもにも理解しやすく、物語に入って聞き入ってくれていました。ただ、後家さんや四字熟語などところどころに低学年には難しい表現が出てきます。
    魔力を失ったホウキが心ゆくまで掃除を楽しむところがおもしろい。

  • 本当にそこにあるよう。

  • 本が縦に長い。本棚知らず。
    何と言ってもホウキの設定が良い。
    オチも良い。あとやっぱりホウキの性格が良い。

  • 村上春樹訳なので、手にとった絵本。

    ユーモラスな、働きもののホウキのお話。
    うちにもほしいです、このホウキ。笑

  • 4-309-26187-6 29p 1993・6・25 初版

  • 絵がけっこういい感じなんやけど、その絵の雰囲気よりもだいぶ簡単なお話で拍子抜けしたわ。

  • モノクロなのに、光が満ち溢れている作品。まだまだ読んでみよう。

  • 請求記号:L/726.5/V26
    選書コメント:
    ~村上春樹が合わない方へ~
    彼が何を考え、どんな仕事をしているのか?翻訳+絵本、二つのジャンプ台からダイブ!!ひととおり読んだら、顔が左から右へと動いたら、それだけでもう、ひとつの勝利です!おめでとう。
    (図書館学生スタッフ)

  • すーと読み終える

  • ホウキ、やるなぁ。

  • 絵がいい! 立ち上がった魔女が素敵すぎ。

  • 魔女が空から落ちてきて
    後家さんが家のベッドで寝かせてあげたら
    置いてったホウキが働くようになったよ
    便利便利
    って話

  • 2010年12月30日

    <THE WIDOW'S BROOM>
      
    日本語版装丁/吉池遊

全24件中 1 - 20件を表示

クリス・ヴァン・オールズバーグの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×