まさ夢いちじく (The Best 村上春樹の翻訳絵本集)

  • 河出書房新社
3.83
  • (22)
  • (37)
  • (35)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 293
感想 : 50
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309262314

作品紹介・あらすじ

どんな夢でもかなえてくれるいちじくだって。ビボット氏が手に入れたいちじくには、奇想天外な力があった。そこで彼は世界一の金持ちになっている自分を夢に見るぞ、と決心する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • オールズバーグの絵の美しさにつられて読むと、幻想的でくらっとしてくる。
    対象を大きく描いて、時に上から、時に下からとアングルも自在で、精密で丹念なパステル画に見入っているうちに、一気にその世界に入り込んでしまう。

    キャラクターの描き分けも素晴らしく、主役のアクの強さと愛犬(?)の哀れさが際立っている。
    でもストーリーは子供には怖い。痛快と思うのは私が大人だからか。
    読み手の期待どおりのラストに持って行ってくれるが、小さな読み手には結末の「もやっと感」が後味が悪いかもしれない。これを「してやったり!」と思えるにはある程度の年齢でないと。
    約9分。高学年以上に。

    主人公の潔癖な歯医者さんは、最初は憎たらしかったが読み返すと案外味がある。
    その主人公にちっとも愛情をかけられない飼い犬は、何やら可哀想に描かれているが、これはちょっとしたフェイント。
    下手に同情などせず、安心してお読みあれ。
    ラストで、ふぅん・・・ふっふっふと、思わず微苦笑する。
    ブラックな味わいがちょっと癖になりそう。

    夢をまさ夢にするといういちじく。
    あなただったら食べますか?

    • mkt99さん
      nejidonさん、こんにちわ!(^o^)/

      私は悪夢を見る比率が高いような気がしますので、普通のいちじくでいいです。(笑)
      nejidonさん、こんにちわ!(^o^)/

      私は悪夢を見る比率が高いような気がしますので、普通のいちじくでいいです。(笑)
      2017/04/17
    • nejidonさん
      mkt99さん、こんばんは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      あらま、悪夢を見る確率が高いのですか?
      私は、起きたとたんに何の夢...
      mkt99さん、こんばんは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      あらま、悪夢を見る確率が高いのですか?
      私は、起きたとたんに何の夢を見ていたか全部忘れてしまうのです。
      「ああ、悔しい、すごく楽しかったはずなのに」と、毎朝反省してます(笑)。
      まさ夢になると知ったら、意地でも良い夢を見てやろうと頑張った結果、
      やはり悪夢になってしまうような、そんな気もしますね。
      ぜひ極上のワインを堪能している夢を見てくださいませ。
      2017/04/18
  • ある朝、お婆さんが虫歯の痛みに耐えきれず、ムッシュウ・ビボットの歯科診療所を訪れてきた。 「治療には予約が必要なんです」とビボット。お婆さんは泣きださんばかりに... 治療してもらえたお婆さん 「私はお金を払えませんが、もっといいものをお礼に差し上げましょう」...ビボット氏が治療代の代わりに手に入れた〝イチジク〟には、どんな夢でもかなえてくれる奇想天外な力があった・・・。セピア色の絵が神秘さを奏でるC.V.オールズバ-グ作、村上春樹サンの翻訳絵本(The Sweetest Fig)。

  • 絵が良いですね。話も面白い。これって子ども向け?

  • 村上春樹さん翻訳の絵本。オールズバーグ自身も不可思議な味わいで定評があるようだけど、存在自体がおしゃれ。
    犬のマルセルがかわいそうで、何で飼ってるんだろ?と思ったけどそれが伏線になってた。

  • 全体が、セピア色の色調でまとめられ、柔らかな光を放つような繊細なパステル画が落ち着いた雰囲気の絵本です。そんな細やかなタッチの絵の中で、欲をかく人間の愚かさが滑稽にもシニカルに描き出されています。

  • ポール・フェイグ監督、C・V・オールズバーグ著の絵本「まさ夢いちじく」を映画化 : 映画ニュース - 映画.com
    https://eiga.com/news/20180816/17/

    河出書房新社のPR
    どんな夢でもかなえてくれるいちじくだって!? ピボット氏が手に入れたいちじくには、奇想天外な力があった――。繊細で柔らかな色調の絵が、はかりしれない奥行を感じさせる最高傑作。
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309262314/

  • 絵も人間を表してるしストーリーもいい。

  • ちょっと小言の多いムッシュウ・ビボットは歯医者さんを営んでいた。ある朝患者さんがくれたものは、なんと、まさ夢いちじく。このいちじくは、夢をなんでも叶えてくれるというではありませんか。これを手にしたビボット氏の結末とは...?
    表紙だけ見るとちょっと怖い印象がありますが、個人的にはオールズバーグ作品の中で、特に絵が気に入っている作品です。ぜひお手にとって見てくださいませ。

    From Publishers Weekly
    Van Allsburg swings back into his most mystifying mode with this enigmatic, visually sophisticated tale of Monsieur Bibot, a "very fussy" French dentist who is given a pair of magic figs as a form of payment by an impoverished patient. The fruit, he's told, has the power to make dreams come true. The pragmatic Bibot scoffs at this, of course, but learns otherwise after eating one. Accordingly, he makes plans to use the second fig to become the richest man on earth (and to ditch Marcel, his oppressed terrier, for a string of Great Danes). The images in the book are unsettling, even ominous: Bibot lurking in a doorway with a rolled-up newspaper, ready to punish Marcel; Bibot gleefully clutching a pair of pliers as he prepares to extract an old woman's tooth; a frowning Bibot standing, fists clenched in anger, as his patient offers him the figs instead of cash. The dentist is a thoroughly unsympathetic character; readers will rejoice when the long-suffering Marcel gobbles the second magic fig and, in a poetically just ending, reverses the master-slave relationship. The sepia-toned illustrations are classic Van Allsburg, offering a visual study that is downright psychological; the artwork's spare lines and clean surfaces reflect the obsessively orderly Bibot's nature. Adults will appreciate Van Allsburg's acuity, while many children will relish the darker aspects of his story. A significant achievement. All ages.
    Copyright 1993 Reed Business Information, Inc.

    Book Description
    "These figs are very special," the woman whispered. "They can make your dreams come true." -- Thus Monsieur Bibot, the cold-hearted dentist, was given two ordinary-looking figs as payment for extracting a tooth from an old woman's mouth. Monsieur Bibot refused to believe such nonsense and proceeded to eat one of the figs for a bedtime snack. Although it was possibly the finest, sweetest fig he had ever tasted, it wasn't until the next morning that Monsieur Bibot realized it indeed had the power to make his dreams come true. While dragging his poor dog, Marcel, out for his walk, he discovered that his strange dream from the night before was becoming all too real. Determined to make good use of the second fig, Monsieur Bibot learns to control is dreams. But can he control Marcel? Once again Chris Van Allsburg explores the mysterious territory between fantasy and reality in an uncanny tale that will intrigue readers of all ages.

  • 面白い!読み聞かせるなら高学年からかな。

  • 北極号から知ったハルキ氏の大人向けの絵本。
    数冊読んできた。
    ある箇所に「内容を読めるなら子供にでも・・」とあったが、うがちすぎだろう。高校生の孫ならいざ知らず、小6の孫には内容以前に溶け込めないと思う。逆に、大人の性根で引きずり込むのはいやらしい・・かも。

    私みたいな、人生の酸いも甘いも??は知り尽くせていないけれど、一味違うモノの見方感じ方を手に取って新練りと眺める向きにはいいお味。
    帯に書いているようにオールズバーグの色彩も筆タッチも味があり、細部まで神経が行き届いている陰影のタッチに舌を巻く。

    出てくる人物、動物が投げかける視線の流れまで・・
    日本の古典と違い、この作品でターニングポイントになっている『貧しい老婦人』には毒気がない。しかし、どうやって入手したのか、無花果!!!
    まさかの軌跡のモノ。

    後悔先に立たず・・畜生と思って相手を苔にした罰が?或いは来し方の所業の結果が災いしたのか・・
    まぁ、施療中の視界としての視線がいかにも小意地が悪い感じ・・天網恢恢・・でしょうね。

全50件中 1 - 10件を表示

クリス・ヴァン・オールズバーグの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
クレール・H・ビ...
クリス・ヴァン・...
ユージーン トリ...
シェル・シルヴァ...
クリス・ヴァン・...
酒井駒子
なかがわ りえこ
クリス・ヴァン・...
A.トルストイ
シェル・シルヴァ...
村上 春樹
中村 牧江
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×