ブラックマシンミュージック ディスコ、ハウス、デトロイトテクノ
- 河出書房新社 (2014年10月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309264943
感想・レビュー・書評
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音楽について語るのは簡単なようでいて、じつに難しい。
その感動が大きければ大きいほど音楽を言葉で表現し評論することの困難さにぶち当たる。
そもそも音楽を言語で表現しようとすること自体が不可能ではないかとさえ思うのだ。
それでも過去に、たとえばJAZZに関する評論でいうなら中上健二、筒井康隆、河野典生、渡辺直巳、平岡正明など卓越した才能のある書き手がいた。
彼らは魅力ある文章を数多く生産し、文壇からの評価も概ね好意的で、JAZZの醍醐味を活字でも味わうことができた。
だが現在、ハウスミュージックに関していうなら、その人材は圧倒的に不足しているといわざるをえない。
評論とまではいかなくとも、とにかくマトモに書けるライターがいないのだ。
屁理屈を並べた訳のわかわん自己満足だけのテキストほどみっともないものはない。
自分でもお粗末なレヴューを書いたりするけど、読み返してみてその語彙の無さ、表現力の幼稚さに恥ずかしくなるときがある。
ま、文才の無さは今さらどーにもならんとひらきなおっているが。
音楽だけではなくなんでもそうなのだが、文章にしたとたん自分の伝えたいと思うその感動自体が霧散し、消失していくのを痛いほど感じる。
優れた作品を前にして何かを書こうとすれば、自分は常に敗北者であり続けるしかない。
そもそも日本ではハウスはまだまだマイナーな音楽であり、ロックと違ってメッセージ性が希薄なので、なおさら言葉で語ることの無力さがつきまとう。
(ま、メッセージ性がないっつーのがハウスの魅力なんですがね)
2001年6月に上梓された野田勉のブラック・マシン・ミュ-ジック。
もしかしたら、これは日本で唯一ハウス語で書かれた書物ではあるまいか。
なによりも氏のデトロイトテクノに対する情熱がイヤというほど伝わってくるのがイイ。
まさしく快挙といっていいのではないかと思う。
パチパチパチパチ!
後半のマッド・マイクのエピソードが泣かせる。
8年前のURの日本公演を思い出す。
そのとき彼にデモテープを渡し2ヵ月後、信じられないことにデトロイトから返事がきたのだ。
勿論、いまでもそれは宝物として大切にテーブルの奥の引き出しにしまってある。
その手紙に書かれたメッセージは、重くへヴィなものだった。
この本を読んで、そんな昔のことを思い出した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デトロイトテクノクラシック本
読了後、クラブに持ちこみ無くしました
ちゃんと読み継がれていればよし -
4回は読んでいる。勉強になるし面白い。
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テクノ教則本
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常に新しい方が正しい。
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テクノ本やけど、黒人についても読める。
にしても、野田努のデトロイト愛がすごいな。
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クラブミュージックのルーツが理解できる。
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2-2 音楽論
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音楽好きなら楽しめる一冊だと思う。ジャンル関係なく。それくらい充実した内容の一冊。
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ダンスミュージックが好きなら絶対読むべき!!
もはやバイブルでしょう。
デトロイト・テクノを中心にダンスミュージックの歴史を紐解く内容は決して堅苦しくなく、小難しくもない。
現実とは常に小説よりも奇妙で面白いもんです。