華々しき鼻血

  • 河出書房新社
3.71
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309265032

作品紹介・あらすじ

とめどなく編まれたマフラーや、ぞんざいに供されたプディングを絶妙の副詞で捉えたアルファベット・ブック。かつてない最大級の栄光を副詞に与えた、ゴーリーらしい言語感覚が光る屈指の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • エドワード・ゴーリーのアルファベット・ブック。
    ただし、副詞(名詞以外を修飾するやつ)で。今までに読んだゴーリー本でいちばん好きかも。いや、安心して読める、というべきか。

    以下、登場する副詞(アルファベット順)
    Aimlessly(あてどなく)
    Balefully(まがまがしく)
    Clumsily(ぞんざいに)
    Distractedly(気もそぞろに)
    Endlessly(とめどなく)
    Fruitlessly(いたずらに)
    Giddily(くらくらと)
    Hopelessly(やるせなく)
    Inadvertently(うかつにも)
    Jadely(ものうげに)
    Killingly(ばっちりと)
    Lewdly(わいせつに)
    Maniacally(狂ったように)
    Numbly(呆然と)
    Ominously(ふきつに)
    Presumably(さっするに)
    Quickly(てばやく)
    Repressively(ねちねちと)
    Slyly(秘密裡に)
    Tearfully(泣きぬれて)
    Unconvincingly(しらじらしく)
    Vapourously(おぼろげに)
    Wilfully(故意に)
    eXcruciatingly(たえがたく)
    Yearningly(せつなげに)
    Zealously(無我夢中に)

    もちろん、ポシティヴな副詞はほとんどありません。
    お気に入りは、

    The pudding was served Clumsily.(ぞんさいに 供された プディング)

    He ran through the hall Maniacally.(らんしん ひろまを かけぬける)

    It was in the trunk Presumably.(さっするに トランクの なか)

    He disposed of the fragments Slyly.(秘密裡に かけら ほうむる)

    ”かるた”にしたらどうだろう。遊んでるうちに場の雰囲気がどんよりしてきそうだけど。見つけても嬉々として取りたくない札ばかり(笑)

  • S図書館
    5作目のアルファベットブック

    副詞がアルファベット順に
    副詞は主に「~ly」という形
    マイナスの意味を多用している
    音声で聞くと楽しそう

  • 副詞のアルファベットブックというユニーク。
    しかしそこはゴーリー。一瞬で奈落に落とす。

    ”The doorbell rang Ominously”
    ”It was in the trunk Presumably”

    ”確固たる目的を持たぬ人間が、悪意に満ちた世界のなかで、切ない想いをしばしば抱えて、不確定な生を生きている(訳者)”たいあ世界観。
    いつもの柴田元幸さんの名訳。

  • 最後まで華々しい鼻血はなかった。

  • 副詞をアルファベット順に紹介した本、原書は1975年刊行。解説にある通り、副詞をメインに扱う作品って珍しいですよね。そんな本にも関わらず、「Unconvincingly(しらじらしく)」「Hopelessly(やるせなく)」など選ぶ言葉に偏りがあること、ゴーリーらしさが滲み出てる。先に『雑多なアルファベット』を読みましたが、個人的にこっちの方が好きだなあ。ゴーリーはアルファベットの本好きと思っていたら、まさか楽だったからとは(笑)ちなみに、本作でアルファベットの本は5作目だそうです。

  • 図書館にて発見。エドワード・ゴーリーが好きな為、気になり読了。ブラックユーモアというか鬱々とした何かを彷彿させる作品。副詞に焦点を当てているが選ばれている言葉はどれも独特なものばかり。タイトルと内容もこれといった接点も無さそうなので読了後頭に?が浮かんだ。ふきつによびりんなりひびく。の場面での猫が妙に頭に残る。

  • <The Glorious Nosebleed>
      
    裝幀/渡辺和雄

  • 読了

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/769715

    大変興味を惹かれるタイトル。
    モノクロで繊細な絵と意味が分かるようで分からない言葉の組み合わせは、
    大人向けのカルタのよう。

  • 副詞に焦点を当てたアルファベットブック。訳は語感よく統一されているので読んでいて楽しいけど、登場する副詞は「あてどなく」「まがまがしく」など不穏。でも、ゴーリーの絵に表されたシュールな状況にクスクス笑える。裏表紙の犬は、表紙の鼻血の臭いをクンクンしているのかな?

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著者プロフィール

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。おもな邦訳に『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち』など。2000年没。

「2023年 『どんどん変に…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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