弦のないハープ またはイアプラス氏小説を書く。

  • 河出書房新社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309266992

感想・レビュー・書評

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  • 奇想と憂鬱とユーモアが混在する、モノクロ-ム線画のカルト絵本作家エドワ-ド・ゴーリ-の第1作。 小説家C.F.イアブラス氏が、新作『弦のないハープ』の執筆に苦悶する姿をとおして、作品を生み出すまでの作家の悪しき宿命を、憂鬱な文学者の思考過程として綴られていく。 この孤高の作家イアブラス氏こそが著者のゴーリ-氏に他ならないと感じさせるデビュ-作。

  • タイトルは決めたものの、遅々として書き進められない『弦なハ』…作家さんは大変。
    エドワード・ゴーリーの第一作みたいだけれど、初回は自伝的作品だったんだなぁ。他作品ほどの奇妙さはないけれど、作家の苦悩と憂鬱で溢れ返っていました。文章も長いです。
    ナンカヒデーナの町、行ってみたい。
    裏表紙にはエドワード・ゴーリーもいます。

  • イアブラス氏が「弦のないハープ」というタイトルの小説を生み出すまでの苦悩の日々が綴られております。産みの苦しみと申しましょうか。辛く長い創作の日々ですが妙にユーモラスで笑ってしまいます。自分の書いた作品を最初に戻って読んでみて「イアブラス氏は『弦なハ』の、出来栄えを思い知る。ひどい、ひどい、ひどい。」ひどいのフォントが三種類書き分けられていて笑いました。でも、わかる。自分の書いた文章を読み直すと絶望する。と、不遜ながら共感するのは学生時代に創作の授業とってたからなのです。

  • ゴーリーの記念すべきデビュー作。文字の量が圧倒的に多い。著者の自伝的作品。

  • 読了

  • これがデビュー作になる訳やね。そのせいか、多作よりも圧倒的に言葉が多い。物語の意味はいまひとつ分からんけど、何とも言えない不気味さはすでに孤高の域。

  • ゴーリー第一作。ファントッド、小さな白い紙片、ゴーリー本人など、この後の作品でもおなじみの絵が描かれているのに、びっくり!

  • 産みの苦しみを味わったことのある人は、確実に共感するはず。

    細部まで丁寧に描き込まれた絵、ユーモアのある言葉選び、どこか憂鬱な雰囲気…エドワード・ゴーリーならではの独特な魅力を放ちつつ、読みやすい一冊です。

  • ゴーリーの処女作だそうです。後の韻を踏んだリズム感のあるセンテンスに慣れてしまっていたのでしっかりとした文章(といってもいろいろな名前などウイットに富んでいますが)が隙間なく続くのにちょっと驚きました。でも作家が話を作り出す苦悩の時間がじわじわと伝わってきて読み応えのあるものでした。壁紙まで細かい線でじっくりと書きこむイラストは処女作から健在です。読後イラストを何度も見返し新しい発見も楽しみました。得体のしれない生き物「ファントッド」も!イアブラス氏、あれ、苛立たしく思っただけじゃなくて買ったのね。

  • 絵本とは言えども幼い子向けではない。

    小説家が一つの作品を生み出すまでの長い長い葛藤を描く。

    イラストは細部まで読み込むと自虐的ユーモアが仕込んであることも、、、、。
    作者がイラストも手掛けているならではの面白さ。

    もちろん、イラストを眺めるだけでもゴーリーの世界観を堪能できる。
    何度も見返したくなる、まさに大人の絵本。

  • 著者の作品を図書館で借りられる範囲で最初から読んでいるのだが、本作は多作に比べて読み応えのある作品となっている。イアブラス氏の苦悩は著者の投影か、あくまでも客観的立場にいて、読者を混乱させるものなのか。うーん、まだまだ読んでゆこう。

  • 初ゴーリー、面白かったです。

    作家イアプラス氏の小説を書き上げる苦悩が語られていて
    自分の昔の本(しかも贈呈本)を本屋で見つけてしまったり
    書いた作品を読み直した感想が「ひどい」とか「クズ」だったり
    ファンからへんてこりんなプレゼントが届いたり、というのが
    なかなかリアルです、現代の作家さんもこんな苦労をしているのかも…

  • 2015 7/4

  • エドワード・ゴーリーの第一作、全体的に憂うつなトーンと奇妙な絵は変わらない。

    文章が比較的長いので、物語としてしっかり読める。

    予言の自己成就とでも言うべきか、結果的に自伝に近いような作品を一作目にして書いているのがおもしろい。

    きっと、このように憂うつな執筆活動をしていたのではないだろうか。

  • C・F・イアブラス氏は『論理のゴミ箱』など世評の高い作品を執筆した、高名な小説家である。彼は一年おきの十一月十八日に、次の小説を書きはじめる。この物語は彼が『弦のないハープ』を書き上げ、その後を描いたものである──。
    エドワード・ゴーリーが1953年11月に発表した、記念すべき第1作。柴田元幸のあとがきにある通り、その後の作品に比べ圧倒的に文章が長いです。わたしの理解が及ばず、イアブラス氏の心情にあまり共感できなかった。

  • イアプラス氏が適当に「弦のないハープ 」と名付けた小説を書くがなかなか思うように進まない。
    「弦ハ」が完成するまで、そして完成したあとのイアプラス氏の苦悩を延々と描き続けている。

    何がいいのか分らなかったというのが正直な感想。
    ページ内に改行はなく、まさに延々と。
    ずっと読んでいてうんざりしてきた。
    小説家の苦悩というのは面白かったが。
    ゴーリーの奇天烈さに心酔している人向け。

  • 比較的理解はできる…かな?
    作家ってやつは、いかれてるぜ!

  • 著者本人を思わせる作家イアブラス氏が作品を書くあいだの話。ブラックユーモアを交えた名前がたくさん登場するものの、話自体は著者の他の本のような「奇妙」さがない。

  • 難しかったゴーリーを彷彿させる主人公 解説含め著者を知るには良い絵本ともいえる

  • 本は読むものだな....作家さん達ありがとうm(__)m

  • エドワード・ゴーリーのデビュー作。
    1953年に出版されたものですが、古臭くない、まったく。
    ゴーリー作品の中で、これはめずらしく怖くないお話。

    そして細部(棚の上や本棚の本、置物の柄等)までじっくり見る楽しみがある、大人向けの絵本です。

    ラストがすき。

  • 文章多め。難しかった。眺めてるだけで、何かが満足する本。

  • シュール…!柴田元幸の訳が絵の感じにとても合ってる。

  • ゴーリーの断片。アメリカのゆがんだ精神面。

    12/1/19

  • 苦悩し続ける作家のお話。
    苦悩している作家の姿、行動がなんとも滑稽。

    ファントッドを結局購入しているイアブラス氏が良い!

    ゴーリーの絵本によく見る謎の白い紙切れの絵が
    この第一作目の絵本の中にも。
    あれはいったいなんなんだろう。

  • ゴーリーの第一作目。
    ゴーリー本人の憂鬱さがよく分かる。

  • 物語性のない絵本。
    言葉もよく分からないくらいの子供にはいいかもしれないけど、読み書きできるくらいの子には訳が分からないかも。

    副題の「イアプラス氏」が「弦のないハープ」という本を書く話。
    あと3回くらい読んだら内容が分かるのかなぁ・・
    なんとも形容し難い話でした。素直に読めば、分かりそうなんだが。如何せん、どうにかして中身を取り出そうとするから理解できない、と思っちゃうんだろうな。そのまま受け取ればいい。


  • ゴーリーの第一作
    圧倒的に文字が多いのが特徴

    高名な作家であるイアブラス氏が『弦のないハープ』という小説を書く話
    外から見れば奇妙にさえ映る、創作の過程の苦しみを描いています
    裏表紙にはゴーリー自身が登場しています

  • 小説を書くのは大変ですよね。
    しみじみと実感しました。

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著者プロフィール

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。おもな邦訳に『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち』など。2000年没。

「2023年 『どんどん変に…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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