- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309268514
感想・レビュー・書評
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2011/01/26
●江国滋
志ん生さんというと、一口に「ぞろっぺえ」「草書の芸」とか「八方やぶれ」とかいう
形容詞でくくられちゃうけど、そんなことないんだよね。
有る意味では神経質でしたね。
○志ん朝
それとね、非常に言葉を大事にして汚いことを言っちゃいけないと。
うちの親父は、「女郎屋」ってのはあんまり言ったことが無いんです。
『品川心中』なんかでも、「品川の新宿に白木屋という貸し座敷がございまして」
というんです。
それからね、暑いときでも自分の高座の扇子を広げてあおいでいるのを見たこと
がないんです。
楽屋でですよ。
高座では仕草としてやりますけど。
●江国滋
ああ、楽屋でね。
○志ん朝
何気なしにあおぐということをしません。
それから白足袋をはいちゃったら、絶対にはばかりにいかなかかったです。
これは、高座にあがるもんなんだからというのでね。
今は、他の人を見てると、かなり偉い人でもみんなやってんです。
私もだんだんそういうのが気になりだしてんですけどね。
たまにズボラしちゃうこともありますけどね。
もう一回全部脱いだりとかいうのは大変なんで。
そういうのは結構神経質だったですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『落語を好きでよかった』
刮目せよ!
いきなり偉そうな出だしですが、それくらい面白かった古今亭志ん朝の対談集。
なにせ対談の相手が金原亭馬生、池波正太郎、結城昌治、
山藤章二、江國滋など錚々たるメンバーで落語ファンなら涎がとまりません。
中でも兄・馬生との対談では
噺家兄弟それぞれが持つ志ん生への愛憎が読み取れて実に面白い。
父・志ん生からの脱却を生涯のテーマとした馬生の落語をもっと聴いてみたいと思う。
また、結城昌治に志ん朝が語る志ん生と文楽の比較論も秀逸。
二大名人の比較論がそのまま志ん朝自身の自己分析へ繋がっていて、
志ん朝とは正に江戸から続く近代落語史の集大成的な存在だったのだなとしみじみ納得。
ああ、今夜は志ん朝を聴いて寝よう。 -
09/11/8 ★★★
対談集。
芸に対する考えというものが伺える一冊。
ただ自分が知っている「芸は消えていくから良い」
という思想は見えなかった。 -
20/9/1 70
想像ということにコンプレックスを持っちゃいけないよ・・・池波正太郎
ついでに生きてる・・志ん生
終ったら終ったで、もう少し体に気を残してね、有難うという気持ちが残ってれば、形として絶対に表れるものですからね。 -
志ん朝が各分野で活躍する人達との対談集。「ついでに生きていたい」というわりには、まじめな人柄が、あちこちに垣間見えます。