瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか

著者 :
  • 河出書房新社
3.86
  • (1)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309268897

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「泣き虫しょったんの奇跡」は、「プロ編入試験」を「瀬川晶司側」からみたみたものであるが、本書はこれを「将棋界側」からみたものである。純粋に瀬川を応援する棋士、棋界での政治力アップのために試験を利用する棋士、既得権を守るため頑なにアマチュア参加を拒もうとする棋士。プロ編入試験は棋士の様々な思惑の産物であり、これを巡って棋界で一種の戦争が起きたことがよくわかる。ただ、本書からは、一服の清涼剤のように、瀬川が、皆が応援したくなるような、まっすぐないい人であるらしいこと、そして、将棋連盟の現会長である米長邦雄が実行力・影響力はあるが我が儘な変わりものであるらしいことが感じられる。その他、色々な棋士が実名で登場するので、この手のものが好きな人にはとても興味深い。

  • 衰退する組織の活性化しようという活動に取り組みにも、三段リーグの矛盾にも取り組む改革本。行方さんは出てくるといつでも酔っ払っている。野月さんや高野さんなど、普及に熱心な息子の大好きな棋士の方はやはりこの一件に大きく関わっているようで、まるでコンサルタントのよう。

  • プロ編入という当時では考えられなかったことが実現できた瀬川さんの本です。
    当時に比べると将棋界も発展してきているのでしょうか。

  • なんでこうまでまっすぐで一途なんだろうって思う。
    ご本人はもちろん、応援されたご友人の尽力は、
    計り知れないものだろう。
    当時のみなさんと同じ年代なので、
    もし自分だったら、こんなに友人に手を貸したり、
    或は、助けてもらえるだろうか。
    誠実な人柄の求心力の強さを想う。

  • 書きました

  • 高校野球好きな人は野球が好きなんじゃなくて、残酷物語的なところが好きなんだよ。というのをどっかで聞いたことがあるが、現代将棋界の歪なシステムは残酷物語生成工場で、そんな物語が好きな俺としては物足りないエンディングではある。

  • 一度は挫折した「プロ棋士になる」という夢を35歳で叶えた瀬川晶司さんのお話。

    関係者の動き・心情、当時の将棋会の状況などを、時系列に沿って丁寧に描いており、全体を通じて描写に厚みがあります。また、「瀬川晶司プロ入り問題」を覆う緊張感が、最後まで緩むことなく著されており、ページをめくる手が止まりませんでした。
    いずれも、綿密な取材の賜物だと思います。

    将棋に関わる人々を描いたものには名著が多いですが、本書もそれら名著の中に加えられるべき作品だと思います。

  • かなり緻密。リサーチand/orインタビューの賜物。プロジェクトS内での対立やプロ棋士間での温度差、将棋連盟が抱える問題などは初めて知った。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1969年愛知県生まれ。書籍、雑誌、ウェブなどに幅広いジャンルの記事を取材、執筆する。著書に『アホウドリの糞でできた国』『新企画は宇宙旅行!』など。後藤元気編「将棋エッセイコレクション」(ちくま文庫)にコラムを執筆。

「2018年 『奇跡の六番勝負』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古田靖の作品

ツイートする