志ん生讃江

制作 : 矢野 誠一 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 11
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309269177

感想・レビュー・書評

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  • 昭和48年。
    高度経済成長の真っ只中。オイルショックの年。
    天衣無縫、不世出の天才落語家 古今亭志ん生が83歳の生涯を閉じた。
    この年に生まれた我々にとって古今亭志ん生は伝説の人物です。
    この伝説の人物と共に生きた著名人、近親者らによる個々人の”古今亭志ん生論”が収録されており、伝説の志ん生の活き活きとした人となりを伺い知ることができる一冊です。

    豪華な語り部陣を一部ご紹介します。
    徳川夢声、安藤鶴夫、金原亭馬生、大西信行、山田洋次、興津要、桂米朝、色川武大、山藤章二、柳家小さん、高田文夫。

    志ん生語録も収録です。
    "芸と商売たぁ別ですからね。芸なんてもなぁ年に二度か三度ぐらいなもんで、毎晩やった日にゃぁ、こっちの体がまいっちまいやすからなぁ。"
    朝飯前で出来るくらいに稽古を積むのが商売。
    それでもここ一番気を張るときが年に二、三度はあらぁな。

    "寝てたら、死んだ夢みました。わかったんだ。あっ、こりゃ冥土だな。悲しくも口惜しくもなんともない。なんにも欲しいものがないから……"
    その逆が生きてるってぇことです。

    ぞろっぺぇで乱暴で、稽古熱心で勉強家だった古今亭志ん生。
    清濁飲み込んだ人柄のようです。

  • 『これは愛だ』


    とても、良い。

    1953年の徳川夢声に始まり、2005年の平岡正明に至る
    志ん生への評、対談、小文を矢野誠一が編んだ1冊。

    安藤鶴夫、江國滋、山口瞳、山田洋次、大西信行、色川武大、
    興津要、山本夏彦ほか総勢27名による志ん生への思い。

    彼らは皆、一様に志ん生を愛している。

    僕は波のように押し寄せる彼らのラブレターを読みながら、
    編者である矢野誠一の視線をじわじわと実感する。

    「こんなにんげんはもう出ない」と思いつつ、
    それでも志ん生という存在があったことを
    何とかして形に残したいという編者の思い。

    それは愛だ。
    まぎれもなく。
    編書という形式をとった矢野誠一の愛の形なのだ。

    年に1度、このような尊敬の念を抱ける本と出会う。

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