師匠噺

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309269450

感想・レビュー・書評

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  • どれもこれも興味深く読んだ。
    六代目松鶴と鶴瓶、柳家小さんと柳亭市馬…なるほどね、なるほどね、って感じ。
    どの語りにもその熱い思いと深いつながりを感じた。
    あまりにひとつひとつの話が重すぎて、一回にひとつかふたつの話を読んだらおなかいっぱいになって、次の日、また、続きを読むって感じだった。
    事実は圧倒的な力を持つね。

  • 落語の本はたいてい面白いなぁ。この本は今をときめく人たちとその師匠と両方のことがわかってお得。がぜん落語にいきたくなるし、CDなど聞きたくなります。文体もなんだかだんだん落語調になっていくのがご愛嬌ですね。

  • 志の輔、鶴瓶、市馬、喬太郎、鯉昇といった落語家たちが、「師匠」と「弟子」という摩訶不思議な関係について語った本。

    不条理で抱腹絶倒、そしてときにほろっとさせる師弟愛の世界は、まさにそのまま「落語」の世界でもある。

  • 腰帯の惹句「赤の他人同士なのに、たいして稽古もしてもらってないのに、なぜか似ている、どんどん似てくる——落語の師弟は不思議だ。」

    実の親子と違うのは、弟子は師匠を選べるところ。師匠は、弟子を取ることで人をどう育てたらいいのかという課題に直面し、試行錯誤するようだ。弟子は、一人前になってから、あるいは師匠と呼ばれて弟子を取るようになってから、自分を試行錯誤で育ててくれた師匠のありがたみを知る。

    企業で人材育成を仕事にしてる自分には、一対一の濃密な関係の中で、師匠が弟子それぞれの個性をどう引き出しつつ芸を継承させるかというプロセスがとても面白い。

  • 親子ともちがう、兄弟ともちがう。なんとも不思議な上下関係。それが落語家の“師弟”――笑福亭松鶴と笑福亭鶴瓶、立川談志と立川志の輔、春風亭柳昇と春風亭昇太、柳家小さんと柳亭市馬、柳家さん喬と柳家喬太郎、などなど、東西の落語家師弟にスポットを当てた本書。げに十人(十組)集まれば気は十色。一人として同じ「師匠」なんていないのだ!
    基本、師匠にインタビューはとらず、「師匠噺」なので弟子がインタビューを受ける形。まあ、師匠はもう故人の方も多いので。私の持ってた師匠像というのがいかに偏っていたか。本当にいろんな師匠、いろんな弟子、いろんなエピソードがあるんですね。勉強になります。

    個人的に残念だったのは米朝一門がなかったことかな…枝雀と南光とかエピソード多いのに。あとやたら「うつくしい日本」「古き良き日本の家族像」を強調しているのがイヤーになった。そんなんいらんやん。

  • 師匠と弟子の関係を密に取材した内容。
    桂あやめ師匠を生で拝見したくなりました。

著者プロフィール

浜 美雪/はま みゆき
1955年、横浜生まれ。国際基督教大学卒業後、日本興業銀行(現・みずほ銀行)に勤務したのち、『SWITCH』誌の編集者に。その後、筑摩書房の雑誌『頓智』の編集を経てフリーとなり、現在は『落語ファン倶楽部』(白夜書房)の編集などを手がけている。歌舞伎や映画関係のインタビュー、書評など、雑誌や新聞等でも活躍中。著書には『落語家の了見』(徳間書店)、『落語を聴くなら 古今亭志ん朝を聴こう』(白夜書房)などがある。

「2015年 『落語 師匠噺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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