モウリーニョの流儀

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309271323

作品紹介・あらすじ

バルセロナ、ポルト、チェルシー、そしてインテル。欧州強豪クラブで結果を残し続ける名監督は、いかにしてイタリアを征服したのか。1年間の軌跡を追う。

感想・レビュー・書評

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  • モウリーニョのインテル監督就任一年目の一年間に限定したルポ。

    したがってこの時点ではまだインテルでチャンピオンズリーグは制覇していない。

    期間が短い分、シーズンをとおしたモウリーニョのチームマネジメントやマスコミへの対応などが詳細にわかり、読み物としてもおもしろいので、読む価値は充分ある。

    モウリーニョとイタリアメディアやライバル監督とのやり合いでの無敵っぷりが最大の見所。こうしてみると、彼はごく常識的な正論を堂々と主張しているだけにすぎないことがよくわかった。

  • サッカーファンでなくとも大満足間違いなしの一冊。

    自分の考えを貫くということは確かに「エゴ」かもしれない…だけどそれが人の上に立つ者ならどうだろう??それが確かな成功をおさめてきた者ならどうだろう??…戦術とプレー原則、チームに尽力する態度を理論的に説明し、徹底させる人間力こそ彼が世界一たる要因だ。「信頼」の勝ち取り方というものをここから学べるような気がする。
    そしてノムさんは「チームは監督の器以上に大きくならない」と言う。インテルは黄金時代に入ったのかな、と思った。

    「私はイタリアサッカーを変えるだろう。だが、イタリアサッカーが私を変えることはない。」
    という一言が彼の哲学を象徴していると思う。

  • 正に自分の思考とか、価値観とかを180度強制転換させられた、人生の中で絶対的な位置づけとなっている一冊。

    こんな考え方があるのか、自分の(というか大多数の日本人の)常識と全然違うじゃん。って思わされたし、
    これを読んでもっと思考を欧州化しなければいけない。と思ったし。実際そうしてきた。
    この本があったから今の自分がある。
    そんな一冊。大切な一冊。

  • チームマネジメント手法の参考になるかと思い読む。
    内容はセリエA挑戦1年目の1年間の取材ドキュメンタリー。直接の取材ではなく、プレスインタビューなどの公に発せられた言葉を中心に構成されているため、比較的表面的な分析にとどまっているのは残念。マネジメント手法分析は、今後ほかの本も探してみることにする。

    下記、本文中気になった言葉をそのまま抜粋

    「私は、大きな危険を伴う高い目標を常に設定する攻撃的な人間だ。チームもまたそれを共有してくれることを望む。それができれば、全員が一体となって大きな結果を手にすることができる」

    モウリーニョの尊大さや傲慢さは、見せかけだけのこけおどしではない。自らの能力とメソッドに対する絶対的な自信という裏付けがあるからこそ、不安も恐れも見せず、揺らぐこともなく強い態度をとり続けることができるのだ。

    自分よりも優秀な監督はいない、という深い確信を持ち続けるためには、その確信を裏付ける仕事のプロセス、そして結果の積み重ねが不可欠であることは言うまでもない。次図からに対して嘘をつくことなくその確信が揺らがないだけの仕事を日々積み重ねて行くには、どれだけの才能と努力と情熱が必要だろうか。体系的に気づきあげてきたトレーニングメソッドも、卓越したチームマネジメント手法も、マスコミの前での尊大で不遜な態度も、すべてはその確信を支えるという目的に収斂していくように見える。

    「私が決してやらないのは試合が終わったあとマスコミの前で選手を批判することだ。敗戦や引き分けの後に逃げ隠れすることはしない。私は、選手たちが守られ、落ち着いた気持ちを保てることは、マスコミを喜ばせることよりも100倍重要なことだと思っている。倒すべき相手は私であり、感じの悪い野郎は私であり、傲慢なのは私であり、無能な監督は私だ。私がそういう対象になることは、チームにとってはポジティブなことだ」

    現実を冷静に直視し、引っ張れるところまでは引っ張った後、ここというところで一気に舵を切る。その"見切り"のタイミングは全く絶妙と言うしかない。
    (こだわった4−3−3から、セリエAに適応させた4−3−1−2にシステムを切り替えた)

    クラブという共同体の一員である以上、そのクラブのために100%検診することがプロフェッショナルとして当然の義務であり、また監督やチームメイトに対するリスペクトでもある。

    「私にとって偉大な選手というのは、インテリジェントな選手のことだ。私と同じボキャブラリーでサッカーを語り、監督の要求を一瞬にして理解し、何かを強制する必要の一切無い選手。そして、強い自尊心を持ち、消して満足せず、失敗や敗北を受け入れようとしない選手。私はそういう選手たちと何人も出会い、助けられてきた。チームの中にそういう選手を擁することは、監督が強いリーダーであるためにきわめて重要だ。」

  • この男、だから強い。世界トップレベルのサッカー監督。

  • 組織マネジメントに役立つ考え方
    リーダーシップ論

  • 優秀な監督であるという世間の評価だが、この本では1年間のみが書かれているだけで、比較もないのでわからない。が、人間性の特徴は理解できる。選手としての経験がない中で、監督業で一定の評価を得ているわけでマネジメント力は長けているものと思う。

  • 海外サッカーが好きで、その中でも世界一の監督と言われるモウリーニョについて書かれているということで読んでみました。
    サッカーはほとんどやったことがないので、戦術的なことはよく分からなかったけど、この人はどこか日本人的なところがあると思いました。
    規律をかなり重んじる、チームのためにプレーできない選手は誰であろうと外す、チームが負けたときは何があろうと監督の責任と言って選手を守る…
    海外では珍しいタイプの人間じゃないかなと思いました。

  • チームがよくなることを1番に考えすごい選手だろうと規律は守らせる。
    それでいて選手から信頼されるのはモウリーニョ自身が何より妥協してないから。そして結果を出すから。
    これからも期待!

  • アドリアーノの真相がようやく分かった。満足度6

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著者プロフィール

1962年生まれ、宮城県仙台市出身。95年からイタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。主な著書に『チャンピオンズリーグ・クロニクル』、『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』、共著に『モダンサッカーの教科書』シリーズ、『サッカー“ココロとカラダ”研究所』など。

「2021年 『カルチョメルカート劇場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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