- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309272207
感想・レビュー・書評
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萩尾望都さんが描く美しいイラストの中でも
女性、男性、と、くっきり区別がつかない頃の
少年少女を描いた作品が、とりわけ好きです♪
特に70年代のものは、ドガを思わせるような
ふっくらとした輪郭やポーズが、ため息が出るくらい可愛らしくて。
この『銀の船と青い海』は、前半にイラストと詩、後半に童話と
萩尾望都さんの多才さを思う存分味わえる、贅沢な1冊。
この本に掲載された詩ではないけれど
昔、とても気難しい先生が担当する音楽の授業で、
好きな詩人の詩に曲をつける宿題があって
どうしても萩尾さんの詩で作曲したくて、内心ドキドキしながら
五線譜に「詩・萩尾望都」と書いて提出したのを思い出しました。
採点後、返却されるとき、先生の
「うん、この、はぎおぼうと?とかいう詩人、聞いたことはないがなかなかよろしい」
との言葉に、心の中で盛大なガッツポーズをしたのは言うまでもありません♪
(それにしても、ぼうと、って!「もと」って読むのよ、先生♪)
『小三教育技術』という、普通なら読む機会のないような媒体に連載された
数少ない童話に触れられる、貴重な本です。
『オルゴール』・『賞子の作文』・『アフリカの草原』など
萩尾さんらしい世界観に彩られた珠玉の掌編に巡り会えるので、ぜひ♪ -
児童文学集というか。萩尾望都の美しいイラストとポエムと、かわいいお話だったり、ちょっと怖いお話だったり。
印象に残った話は
「花々に住む子供」男女の双子を引き取ることとなったおっさんの話、
「食肉花」食肉花がもっと美しくなるようにと王に赤子を与えられたが、育てるようになり、王は怒って見捨てるが、その子が成長し美しくなったら王が返せと言いその子も王に恋をしたから食べて王の望みどおり美しい深紅の花を咲かせた話、
「賞子の作文」先生の言われるとおりに作文を書き直して佳作をもらっても何も嬉しくないと気付く話
かな。でもそれぞれきちんと味がある。短い中に萩尾望都独特の物語がちゃんとある。すごいなあと思います。 -
『山へ行く』を読んで、こんな絵だったろうかと訝しんだが、この本の絵が半世紀近く前、印象のい焼き付いた絵だった
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イラストと短編集
短いながらお手紙風の物、SF物、ファンタジーなどどれも心に残る。特に「花のお茶会」と「花々に住む子供」が良かった。「人形の館」は怖い。 -
カラーイラスト付きの詩のような童話と『小三教育技術』と言う本に掲載された童話が載った童話集。
文章から優しさが伝わります。
ブラックだけれど美しい『食肉花』と抒情的な『月夜のバイオリン』と『アフリカの草原』の寂しさが特に好きです。
自分の世界を文章と絵と両方で表現ができるのは最強だと思いました。すごいなぁ。 -
萩尾望都先生って文章も書いてたんだな・・・
絵と同じで詩的でモダンで雰囲気ありまくりな文章だ・・・
「食肉花」が好きだな~~~~ -
食肉花の話が心に残った。
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絵本のような小作品とこども向けの学習雑誌に連載された短い小説を集めた1冊。
きらきら物語よりも、最後がちょっとブラックな『食肉花』とか『人形の館』などが良かったな…。
全体的に頭のなかの空想の世界を広げるには良い本だな…と思いました。
確かに小説系は特に小学校3年生くらいの情操教育に良さそうな感じだったよ。 -
銀と青。どちらもきれいな色。
組み合わせてもいい。
ほんともとちゃんの世界すき!
地上に住めなくなった人類は、今度は地底に
住処を造った。
人口の太陽も、星も、季節さえ。
あー、ビジュアルで見たい。 -
(2013.05.18読了)(2013.05.18購入)
出版された時、渋谷の本屋で探したけど見つからなかったので、購入を諦めたのですが、やはりいつまでも気になるので、ネットで購入し、届いたので、すぐ読んでみました。
「オルゴール」から後の12篇の童話は、「月夜のバイオリン」新書館、1981年、に収録されているものと多分同じです。
「びいどろの恋」から「食肉花」までは、カラーイラストに詩や童話が添えられています。「サングリアタイム」から「ストロベリーフィールズ」までは、カラーイラストです。
ほとんど1970年代の作品ですが、1980年代が一点、1990年代が三点あります。
【目次】
●びいどろの恋
●幻想
●チョウチョ
●3月3日
●金のピアノ
●花々に住む子供
●みどりの風
●中学生
●紅茶の話
●水色のエプロンの女の子
●食肉花
●サングリアタイム
●カーテンコールのレッスン
●歌を忘れたカナリヤ
●眠りの精
●ストロベリーフィールズ
●オルゴール
●ハピーオニオンスープ
●月夜のバイオリン
●賞子の作文
●銀の船と青い海
●花のお茶会
●北の庭
●人形の館
●地球よいとこ一度はおいで
●アフリカの草原
●イギリスからの手紙
●銀河
初出一覧
●水色のエプロンの女の子
男の子は、宇宙船の船長になって、宇宙へ行って発見や冒険をして戻ってくるので君は地球で待っていてくれと、女の子に言うのですが。
女の子は、毎晩帰ってくる人の奥さんになる、といって、男の子の申し出を断ります。
そこで、男の子は、一緒に宇宙に行こう、と方針転換して、結婚の約束を取り付けます。
●食肉花
王様が食肉花を育てています。小鳥や小動物を与えると花は美しく咲きます。
王さまが隣国を攻めて、滅ぼし、生まれたばかりの赤ん坊を連れ帰り、食肉花に与えました。食肉花は、赤ん坊を貪り食って、もっときれいな花を咲かせるだろうと期待したのですが。
食肉花は、花の蜜を吸わせ、鼻の果肉を与えて育て始めました。
期待外れの王様は、しばらく花を見に行きませんでした。
一年たって、たまたま、食肉花を見に行った王様は、花の中の子供に一目ぼれしてしまいます。
●ハピーオニオンスープ
ハピーは森の奥に住んでいます。クリスマスの朝に、森の入口に住むラックにオニオンスープを作って持っていくことにしました。
途中、オニオンスープを欲しいという人に分けてあげたり、代わりに、チーズやパセリをもらったりするのですが、チーズやパセリも上げてしまうので、ラックの家についたときは、残ったオニオンスープも凍り付いていました。
●賞子の作文
賞子の書いた作文が、教育的配慮で先生に添削されて、作文コンクールに出された。
佳作に入選して、文集に掲載されたけど、自分の書きたかったものではなかった。
●花のお茶会
電車に乗った万里が、花たちのお茶会にまぎれ込んでしまった話。
●地球よいとこ一度はおいで
地球にやってきた宇宙人の話。
☆萩尾望都の本(既読)
「月夜のバイオリン」萩尾望都著、新書館、1981.12.25
「斎王夢語」萩尾望都著、新潮社、1994.09.20
「左手のパズル」萩尾望都著・東逸子絵、新書館、1995.08.05
「思い出を切りぬくとき」萩尾望都著、あんず堂、1998.04.23
「一瞬と永遠と」萩尾望都著、幻戯書房、2011.06.14
「マンガのあなた SFのわたし」萩尾望都著、河出書房新社、2012.02.28
「コトバのあなた マンガのわたし」萩尾望都著、河出書房新社、2012.05.30
「物語るあなた 絵描くわたし」萩尾望都著、河出書房新社、2012.11.30
(2013年5月25日・記)
内容(「BOOK」データベースより)amazon
貴重なカラーイラスト50ページ掲載。少女期の多感な感性から紡ぎだされた幻の作品群が今ここに甦る。全28作品、珠玉の童話集。
おお!「訪問者」ですか!名作ですね♪
まっき~♪さんも今また萩尾さん作品を読んでるだなんて
うれしい偶然に、うきうきして...
おお!「訪問者」ですか!名作ですね♪
まっき~♪さんも今また萩尾さん作品を読んでるだなんて
うれしい偶然に、うきうきしてしまいます(*'-')フフ♪
そうそう、手描きであの細かいニュアンスを出してしまうのって、感動的ですよね?!
あのふっくらと美しい描線と、大人になる一歩手前の少年少女の輝きが大好きで
「11人いる!」に出てくる、両性具有のフロルなんかは
ああ、大人にならないで!男性になるか女性になるか、お願いだからまだ選ばないでー!
と、ハラハラしながら見つめていました(笑)
それにしても、まさか『小三教育技術』なんてお堅い媒体に
萩尾さんが童話を連載していたなんて、びっくりでした!
いったいどんな経緯でオファーされたんでしょうね?!
私もまっき~♪さんを見習って、温故知新で
萩尾さんの過去の作品、もっと遡って読んでみようかな(*'-')フフ♪