LA・ジャズ・ノワール---失われたジャズ史の真実

著者 :
  • 河出書房新社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309273037

作品紹介・あらすじ

ジャズ正史からは消された街、ロサンゼルスこそ、もうひとつの「ジャズ誕生の地」ではないだろうか。「明るくさわやか」なウエスト・コースト・ジャズの血塗られた姿に、「異形の才能を生み出した原点」を見出す圧倒の新史。

感想・レビュー・書評

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  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784309273037

  • アメリカ西海岸のジャズ、つまりウェストコースト・ジャズは、なぜかジャズの歴史のなかでは軽視される傾向にある。それは西海岸のミュージシャンを好んで聴いてきた私としては大きな疑問であったが、軽視されているだけに情報も少なく、そこに不満や物足りなさもあったのだ。本書は、そんな「日陰者」の扱いを受けている西海岸ジャズについて真正面から取り組んでおり、書店で見つけたときは思わず興奮してしまった。

    西海岸ではジャズの歴史でも重要な出来事が起きている。チャーリー・パーカーの重要なセッションのいくつかはロサンゼルスで、地元のミュージシャンを交えて行われているし、若き日のオーネット・コールマンやエリック・ドルフィーが拠点としていたのも西海岸だった。それは東海岸のジャズをとってつけたようなかたちではありえないほどの豊かな音楽的な土壌を感じさせる。そして、ときに独特な歪みと異形の音楽をも生み出し、それが後の時代、西海岸のヒップホッパーにとって格好のサンプリング素材となるという流れも面白い。

    観光地として西海岸の「明るく健康的な」イメージは過剰にデッチあげられたが、そのイメージは音楽に対しても同じだった。しかし、その虚像にメスを入れるとドロドロした危険な音楽の原液があふれ出す。本書はそんなワクワクするような雑多で豊穣な音楽の風景が描かれているのだ。

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著者プロフィール

1952年大阪府生まれ。音楽評論家。主な著書に『ロックの歴史』(講談社現代新書)、『マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー』(イースト・プレス)、『現代ジャズ解体新書 村上春樹とウィントン・マルサリス』(廣済堂新書)、『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』(NTT 出版)、『超ブルーノート入門』(集英社新書)、『50枚で完全入門マイルス・デイヴィス』(講談社+α新書)、訳書に『マイルス・デイビス自叙伝』(宝島社文庫)等がある。

「2014年 『ジャズの歴史 100年を100枚で辿る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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