中継ぎ投手 ---荒れたマウンドのエースたち

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 48
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309273495

作品紹介・あらすじ

一試合で最も球数を投げ込むのは彼ら、「繋ぎの野球」のエースたちだ。ロングリリーフ、ワンポイント、敗戦処理。そして、勝利の方程式。故障と背中合わせに、今日もマウンドに上がる。いかなる時もプロの矜持をつらぬいて投げぬく、9人のセットアッパーの野球人生。

感想・レビュー・書評

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  • 河原純一、福間納、佐野慈喜、吉田豊彦ら、中継ぎ投手で一世を風靡した人物評伝。数々の怪我を乗り越え、黙々と与えられた役割をこなす。これぞチーム競技のプロスポーツ選手の感。

  •  先発や抑えと違い目立たない、しかしながら、チームのために連日ブルペンに入り、いつ来るか分からない出番のために準備しないといけない、しかも抑えて当たり前で打たれたら戦犯扱いされるという、肉体的にも精神的にも大変な立場である「中継ぎ投手」にスポットを当てた一冊。
     9人の投手が紹介されているが、1人1人にドラマがあり、苦悩や葛藤がある。また、連投があるのでアイシングができないなどの中継ぎ投手の過酷な環境も窺い知ることができる。
     中継ぎ投手は先発投手陣に比べ、監督・コーチ陣も使い捨ての便利屋のように都合よく起用する傾向があり、また、怪我のしやすさの割りに金銭面の評価が高くないことが多い。(この本の木田選手のエピソードを読むと、相当無茶苦茶な起用法をされていたことがわかる。)それでもなお、チームのために身を削らなくてはいけないのが、中継ぎ投手の宿命であり、それは我々サラリーマンにも共通する部分があるのかなと思う。
     

  • 「中継ぎ」にスポットをあてたルポタージュ。往年の名選手から、まだまだ現役を続けようとしている選手まで、9者9様の人生模様。
    現役バリバリの人が1人いるとまた雰囲気もだいぶ違ったんちゃうかな。各回、映像つないで5分番組とかにしても面白そう。

  • ピッチャーが球を投げないと始まらないと言う意味で野球というスポーツはピッチャーが主導権を握っている、と考えることもできる。始めるという意味では先発投手なんだけど、ピッチャー1人で1試合投げ切るというのはめったにない。

    試合を締める抑え投手がいて、先発と抑えの間には中継ぎと呼ばれる投手たちがいる。この本はその中継ぎ投手9人にスポットをあてて書かれたノンフィクション。

    先発や抑えのような脚光を浴びることの少ない彼らのプロ意識、野球愛、投手としてのこだわりがとても心地よい。スターというより試合を作り上げていく職人。

    勝っている試合でも負けている試合でもピンチを切り抜けできれば0点、少なくとも試合を壊さない形でマウンドを守り譲っていくための職人。

    どの投手も現役の頃を知っているけど、投げている当時にこういう目線で見ていなかったのが自分自身残念である。マー君もダルビッシュも野茂はすごいが、彼ら9人もまた、凄い投手だったんだなと。

    今シーズンは野球の見方がちょっと変わるかも知れない。中継が煩い民放を避けてNHKやCSやケーブルで中継ぎ投手や職人と言われる選手のプロならではのプレイをじっくり味わってみるのも良いなぁと思った次第

  • [影のエースは、遅れてやってくる]同じ投手でも、先発やリリーフに比べなかなか陽の当たらない役割である中継ぎ。他方で、今やチームの勝利や投手陣の一年間を支える上で欠かすことのできない彼らの存在に焦点を当てた1冊です。日本人最速左腕であったヤクルトの石井弘寿、「大明神」と呼ばれた中日の鹿島忠など、9名の活躍を記録しています。著者は、本作に限らず、陰で懸命に生きる人々への取材を続ける澤宮優。


    「中継ぎ投手の名前なんて誰も出てこない...」なんて人にこそぜひ読んでいただきたい。現代のプロ野球における中継ぎ投手の重要性を再確認させてくれると同時に、その存在の魅力までをもバッチリ理解させてくれる作品です。よく考えてみれば打たれりゃ文句を言われる一方、抑えてトントンというポジションと思われているふしがあるので、体力的にも精神的にも大変なことは想像してましたが、まさかここまでタフな役回りだったとは......。

    もっと実務的な目線から本作を読んでみると、なかなか注目を集めない、世間的評価の伴わない重要な仕事に対する意欲をどう高めるかということについても得るものがありました。良い意味での自尊心やプライド、そしてかけがえのない人/ものに対する感謝の念など、精神的な強さを兼ね備えなければ立っていられないものなんだなと実感。野球を観る眼をまた新鮮にしてくれる良書でした。

    〜中継ぎの究極は人助けである。〜

    それにしても今年のマー君はすごかったですね(先発ですが)☆5つ

  • 先発が調子悪かったら、中継ぎで、抑えも調子が悪かったら中継ぎで、という時代でした。じゃあ僕らが悪かったら、となるとどこへも行くところがない。二軍しかない。しかも抑えて当然、打たれて負ければ僕らのせいにされました。(吉田修司 史上初の100Hが支えたダイエー黄金期より)
    今では先発完投というスタイルが少なくなり、中継ぎ投手の重要性がより増し評価されるようになった。
    その確立するまでの道のりを経験した男達の豪快でもあり、笑い、苦悩し涙する姿が浮かび上がる良著。

  • この類の本によくあるもう少し一人一人にボリュームがあっても良いと思う。視点は良かった。

  • 大好きな篠原投手のことが載っているということで買いました。とりあえず篠原投手と吉田修司投手の章を読み終わりました。読むごとにうんうんと頷いて涙ぐんじゃって、私が追いかけてる篠原投手の思い出とも重なって読むのに時間がかかりました。修司さんの章もいいです。修司さんの「中継ぎ投手」としての誇りやかっこよさが描かれてて、中継ぎ投手がお好きな方は買う価値ありです。

  • 9人の中継ぎ投手についてのルポルタージュ。もう少しボリュームがほしかった。

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著者プロフィール

1964年熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業後、大学に勤務しながら執筆活動に入る。2008年より専業作家に。『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他に『この腕が尽きるまで』(角川文庫)、『人を見抜く、人を口説く、人を活かす』(角川新書)、『「あぶさん」になった男』(KADOKAWA)など。

「2018年 『イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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