クラシックの核心: バッハからグールドまで

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  • 河出書房新社
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309274782

感想・レビュー・書評

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  • 片山杜秀が「クラシックの核心」をなす人物9人について語ったもの。取り上げられるのはバッハ、モーツァルト、ショパン、ワーグナー、マーラー、フルトヴェングラー、カラヤン、カルロス・クライバー、グールド。

    片山の本をよく読む人には自明なのだろうが(僕は初めて読んだ)、そのスタイルは「熱っぽく語る」という風ではなく、対象からやや距離をとったもので、しばしばシニカルとすら感じられるほどだ。その距離感は彼の音楽人生の原点、現代音楽からの距離感にほかならない。片山は各人物について個人的な馴れ初めを出発点として「核心」に迫っていく。もともとが語り下ろしなので、読むのに苦労することはない。

  • 聞き書きの体裁で、5人の作曲家、3人の指揮者、1人の演奏者が取り上げられている。
    聞き書きという語りやすさも手伝ってか、その作曲家なり指揮者なりの、ずばり「核心」に迫っていると思われる部分も多くあって、なかなか興味深い著作である。

  • 片山杜秀さんを読むようになったのは柄谷行人さんの書評で「未完のファシズム」を読んでからです。それで図書館にある本はすべて目を通してみました。なので片山さんのイメージは音楽とファシズムです。

    最近、柳田国男さんの全集を読もうと思い少しずつ読んでいる途中したが片山さんの新刊がでたということで早速手に入れて読んでみました。

    柳田さんを読んでいてファシズムについてよく考えるようになりました。そのきっかけの一つは片山さんのファシズム研究の影響です。ファシズムについてはカール・ポランニーさんの「経済の文明史」にあるファシズムが非常に的を射ていると感じて考えの僕のファシズム認識の中心に位置しています。それによるとファシズムは社会主義の否定としてあるということです。

    なのでファシズムを知るには社会主義を知らなければならないし社会主義を知るということはファシズムを知るということです。

    ファシズム研究は社会主義研究と同じであるということ、片山さんのファシズム研究は社会主義研究からきているに違いないと想像できます。

    ファシズムと社会主義が世界の関係性を示しているとしたら音楽もファシズムと社会主義によってあるのだろうと想像されます。そういった意味から音楽を見つめてみようという試みでなかなか僕の興味の中心であるファシズム(社会主義の否定)と社会主義に関連していて興味深いです。

    僕は片山さんのように少年時代や青年時代に何かを自分で研究したり誰かがいろんなことを教えてくれるような経験はほとんどありません。しかし20歳ぐらいの時に柄谷行人さんを読んで非常に影響をうけ、そこから世界を考えていこうという姿勢をかなり明確にもって生きてきました。

    そういった中で片山さんを知れてよかったです。

  • 許さんに比べて、マニアックでない点が良い

  • 浅田彰以降、俺的にはクラシックの批評はこの人になっています。

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著者プロフィール

音楽評論家、思想史研究者、慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。専攻は政治学。
著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』『クラシック迷宮図書館(正・続)』『線量計と機関銃』『現代政治と現代音楽』(以上アルテスパブリッシング)、『クラシックの核心:バッハからグールドまで』(河出書房新社)、『未完のファシズム』(新潮選書)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『ゴジラと日の丸』(文藝春秋)があるほか、共著書多数。朝日新聞、産経新聞、『レコード芸術』『CDジャーナル』等で音楽評を執筆。2006年、京都大学人文科学研究所から人文科学研究協会賞を、2008年、『音盤考現学』『音盤博物誌』が第18回吉田秀和賞、第30回サントリー学芸賞をそれぞれ受賞。

「2015年 『大東亜共栄圏とTPP』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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