蟲の神

  • 河出書房新社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309275031

感想・レビュー・書評

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  • 銅版画のように見えるモノクロの線描、非常に味わい深い。小さい子が馬車で誘拐されてつれていかれたところ、蟲の王たちがいてべとべとにされる。うーん、気持ち悪いというか怖いよ。

  • 行方不明になったミリセントというまだ5歳にも満たない少女。
    彼女はどうも、日暮れ頃、黒い車に乗った怪しい者に攫われたらしいとわかる。
    その後の顛末にはまったく希望がない。

    これが噂の。エドワード・ゴーリーの絵本は子どもに優しくないとのこと。
    ミリセントはきっと助からないだろうと思いつつ読み進めたものの、予想を上回ってひどかった。
    唯一の希望といえば、読者に一抹の期待も抱かせず、ことが淡々と進むことくらいだろう。

    そんな酷な物語を語るために、挿絵に注がれているこの熱量(なんという完成度!)というのは、いったいどこから湧いてくるのだろう。

  • 消えた子供を憂いて
    嘆き悲しむ家族の目線には重ならず…

    まるで<夜のふくらみ>の様ごとき不穏な世界に攫われ、
    どうにかなってしまうのは読む者の方。
    あぁ、
    この世と決別の時、
    ようやく神はその姿を現す、と聞いていたのに。

    現れたのがこんな神じゃ
    哀れ5歳のミリセント。
    おそらく
    死んでも
    死にきれず。

  • 私もゴーリーに魅了された人間の一人。
    絵本は様々な見方ができると思う。
    それは人によって違う。
    絵本はもちろん素晴らしいと思うが、何より訳者のあとがきも楽しみの一つである

  • 作中で数多の子供たちを殺してきたゴーリーですが、なぜか彼の作品からは子供嫌いの雰囲気が全くない不思議。むしろ、ピーターラビットで名作児童絵本作家的な位置付けのビアトリクス・ポターは子供嫌いのオーラが行間から立ち上ってる気がしてならないんですが。

  • 例によって例のごとく、子供が悲惨な目に。表紙にもなってる「蟲」は本来昆虫であるなら6本足なのに4本。まあ、架空の蟲なのでしょうが、もしかしたらゴーリーの世界の蟲って人間(手足4本)の事なのでしょうか?と、勘ぐってみたり。

  • 初エドワードゴーリー。
    子供がひどい目にあうのがゴーリーワールドなのか。
    分からないなりに原文読んで、訳読むのが楽しい。
    新しい世界を覗いた気分。
    原文も普通に読めるようになりたいな。
    他作も気になる。

  • ゴーリー的世界では犠牲になるのはいつだって子ども。
    反対に決して犠牲にならないのは猫である。

    巨大ガガンボ(しかし足はなぜか4本)にさらわれたミリセント。子守からちょっと離れただけなのにこの仕打ち。

    今回も韻を踏んだ五七五の柴田元幸さんの訳の勝ち。

  • ●秦さんのおすすめコメント●
    ''行方知れずのミリセント 生きているならいまいずこ なんとか無事で見つけんと
    まだ五つにも至らぬ子"・・・・・
    七五調の洒落た翻訳でおくる。
    ”冗談のきつい”ゴーリー風教訓本。

    武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124962

  • むしのほん、とは不気味さが違う。
    こちらは、救いようがない。残酷だと感じた。
    誘拐犯を虫で表していると感じた。

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著者プロフィール

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。おもな邦訳に『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち』など。2000年没。

「2023年 『どんどん変に…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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