- 本 ・マンガ (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309275093
感想・レビュー・書評
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フルカラーのイラスト集。
Cocoonと同様、フィクショナルな少女たちの戦場。
Cocoonはひめゆり部隊のような、史実と関連するような戦場と少女のリアリティーがあったが、こちらはもう少しメルヘン(?)な戦場。
少女達が学校に集うように平然と戦場にいる。戦場はお菓子や果物の兵器などに置き換えられている。
少女たちは淡々と無表情に、ただそこにいる。
戦争という異常な非日常が、日常=かわいい状況を暗黙に強いられる少女達にとっての違和感、コーティングされた甘い世界とその奥にある、人間としての闇、青春独特の自分への穢れの思い。
そんなものが含まれている気がする。
現代アートの小沢剛の「ベジタブル・ウェポン」を少し思い出した。様々な国の現地の野菜を組み合わせて機関銃などに見立てた兵器を作る。まるで、アルチンボルドの絵のように。
その銃を現地の女性に持たせた写真。その後その野菜をほどいて、武装解除するという、すこしユーモアのこもったアート。
この作品は、どちらかというと戦争に対するメッセージというより、少女達、女性たちの日常の生きづらさにたいする違和感のようなもののひりひりさが強く感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“今週の新刊”で登場。
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/51.html
「この本がなかったら、戦争とお菓子を紐付けることもなかっただろうし、ひとにとって戦争に近しいものであるということにも気付けなかったんじゃないかなと思いました。今日さんの描く、「いちご戦争」これを通して、どう思うか。皆さんがどう感じるかということをちょっと話してみたいなという気持ちになった本でした」(下北沢B&B 木村綾子さん)
原宿ブックカフェ公式サイト
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/ -
たとえば、拡張現実というものについて
ふたつの解釈があげられるだろう
ひとつは、「見たくない現実を見ないために描かれる夢」
もうひとつは「見たくない現実を見るために描かれる夢」だ
この本は戦争をテーマにしたイラストレーション集なんだけど
そこで表現されるネガティブな現実には
すべてお砂糖がまぶされている
それは、若者を戦地に送るためのプロパガンダのようであり
同時に、悲惨な現実をごまかすための大本営発表のようでもある
しかしまた別の角度から
「生きることは戦うこと」という使い古されたレトリックを
そこに重ねることも可能だ
すべての子供たちが抱える、大人になることの不安を
そういう勇ましい言葉でかき消してきた歴史というのは
平和を追及してきたはずの戦後日本でも、確かに存在したのだ
見るにせよ、見ないにせよ
とにかく「見たくない現実」と向き合っていかねばならない
それが生きるということなんだから
しかしそのために、現実がお砂糖で埋め尽くされるものとすれば
大人になるっていったいどういうことなんだろう -
ヴィレッジヴァンガードといえば、今日マチ子作品が置いてあった時代があった、
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残酷な内容を爽やかに可愛らしく狂気をもって描いている。
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消えそうな文字と角が丸まった紙
女の子たちの夢の中の戦争は甘くて悲しい -
レビュー見てると賛否両論?
私にはものすごく刺さった。
「かわいいーおいしーうれしー」と同じ世界にある、残酷な現実への風刺。
著者プロフィール
今日マチ子の作品





