むしのほん

制作 : Edward Gorey  柴田 元幸 
  • 河出書房新社
3.35
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本棚登録 : 181
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309275475

作品紹介・あらすじ

カラフルなむしたちの せいかつを だいなしにした くろいむし…… 生きていく哀しさと美しさを描いた傑作。オールカラー。

感想・レビュー・書評

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  • 毎日楽しく暮らしていた
    7匹の虫達の元へ
    ある日
    <災い>が訪れて
    すったもんだがあった後の、さいごのページ。

    「だれもがそれはそれは
     たのしいときをすごしたのでした。」
        
          おわり。」

    なるほど。
    さすがだ、ゴーリー。

    >俺はここで話を終わらせるが、
     あとのことは知ったこっちゃないぜ。
     虫達の腹の中なんか、俺にわかるはずないからな。

    クリスマスのギフト本として描かれたらしい
    本作品は
    ゴーリーにしては珍しく綺麗なお話に仕上げられている。

    が、
    読み終えたページの隙間から出てきたもやもやが
    やがて
    子供達用の「にせものの終わり」をすっかり覆い隠してしまうと、別なお話が現れる
    これはある意味仕掛け本なのかも知れない。(笑

  • ゴーリーのえがくむしのせかい。不条理感はない。

  • 子供は喜び、大人は考え込んでしまうような絵本。

    むしろ物語後が気になる…。虫たちは一見、いままでと同じ穏やかで明るい日常生活に戻ったようだけど、心の底では自分も相手も殺人者だと知っている。

    残酷な殺人者同士とわかっていて、穏やかで明るい生活を取り繕い続けていけるのだろうか。どこか奥のほうから腐臭がしないものかしら…などと考えてしまった。疲れてるのかな自分。

  • ◆黒も白も青も、たいていのゴーリー本は好きなのだけれど、この本は嫌い。世界の小ささ・限界を突きつけられる。買えなかった。
    ✴︎✴︎✴︎
    極めて勧善懲悪しか描かれていない勧善懲悪な本なのに、勧善懲悪な読後感がない……。息苦しい。やはりゴーリーは天才。

  • 生き生きとした虫たちの描写に淡々と進んでいく物語。
    そしてオチはやっぱりゴーリー。と、思ったけど
    桃太郎だってこんな感じで悪者退治してるなぁと
    感じました。そして、これがクリスマスのギフト本
    だったということにビックリ。これはクリスマスに
    もらっても嬉しくないかも…( ̄▽ ̄;)

  • 勝ち残ったものたちの物語

    赤いむしと青いむし、黄色いむしたちのグループは皆、縁つづきの仲良しだった。そこに一匹の黒いむしがやってきた。3色のむしたちは黒いむしと仲良くしようとこころみるがうまくいかなかった。3色の虫たちは結束してある計画を行動に移す…

     アリを思わせるシンプルな身体を持ったむしたちの物語は、全てをそぎ落としてその身体以上にシンプル。結果的に黒いむしは3色のむしたちの起こした行動により排除される事になり3色のむしたちは平穏な生活を取り戻す。たったそれだけのはなし。だがそれは、はるか太古の昔から人の間で繰り返されてきた歴史をズバリと物語る。

     すなわち歴史とは自分と価値観の違うものを排除して勝ち残ったものたちの物語だということだ。「3色のむしたちからみれば」黒いむしは身体も大きく自分たちの生活をおびやかす「悪」に過ぎない。ゴーリーの描くその姿かたちも見るからに悪そうだ。だから彼らは黒いむしを排除し滅ぼした。しかし勝ち残ったものが常に正義であるとは限らない。にもかかわらず勝者からみれば敗者はつねに黒いむしなのである。

     著者・ゴーリーはこの一見勧善懲悪のシンプルなむしたちの物語について、それが良いとか悪いとかは一切意図していない。ここにはしかしあることがあるがままに書かれたことによって、おのずと立ち現れた真理のようなものがある。一見かわいいむしたちのこの物語、これ、絵がむしじゃなくて人間で描かれていたら…想像すれば背筋が寒くなる。

  • 私にとって初のゴーリーの作品。
    後書きで、ゴーリーの作品の内、初期の作品且つ、珍しい作品だとのこと。
    ポップなカラーと挿絵がゴーリーらしくない可愛らしさらしい。

    そうですか?!∑(OωO; )恐いよ

    最後の最後の展開が!悪者退治で大団円って気分じゃないモン!

  • あおいむし、あかいむし、きいろいむし。みんな、いとこどおしのなかよしです。パーティをしたり、おでかけしたりと、たのしくくらしていました。ところがあるひ、だれともしんせきでない、くろいむしがきんじょにやってきて──。
    序盤はとてもほのぼのしていることが、ある意味不安でした。だってエドワード・ゴーリーですよ?絶対何かあると思っていたら、くろいむしのやっつけ方に彼らしさがありホッとしました(笑)関係者各位って、いったい誰なのか……。このゾクっとする密かな怖さが好きで、新作と知るとついつい読んでしまう。

  • ゴーリーの初期の本。
    なんとストーリーがある!
    ゴーリーなんだから裏があるに違いない裏が裏が裏が…あれ?
    でもゴーリーなんだからこのまんま素直に受け取るような筋じゃないよなきっと。と、深読みしながら読むような本。
    ゴーリーだから怖い。

    普通に読んじゃったら安易な話に見えるから、そしたらその安易さが怖くなる。
    だからきっと、この本はすでにゴーリーのテイストを知っている人が読んだ方がいい。
    はじめて読むゴーリーとしてはおすすめしない。

    うんでもこの虫たち楽しそうで好きだ。
    これがメリーバッドエンドというやつか。



    『赤鬼』http://booklog.jp/item/1/B00EFTOT7Wをなんとなく連想した。

  • あら?ゴーリーにしては、虫が主人公にしては、まともに可愛らしくも話が進んでる^^と、油断して読み進めて行ったら…。あ。。。やっぱり。一瞬ハッピーエンドに思えるけれど、これ、ほんとにハッピーエンドで括ってイイのかな?違うよね?後からじわじわ不穏さが襲ってきます><

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著者プロフィール

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。邦訳書に『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』などがある。2000年没。

「2018年 『音叉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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