橘小夢画集: 日本の妖美

著者 :
制作 : 加藤 千鶴  中村 圭子 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 33
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309275772

感想・レビュー・書評

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  •  大正から昭和前期にかけて活躍した画家、橘小夢。発禁や火災等でこれまで日の目を見ることが殆どなかった、不遇だった彼の主な作品を集めた画集がついに初出版!
     頭光を描いて「その美しさは菩薩のよう」と示しつつ、一方で蛇を添えて「その美しさは邪を帯びる」と、聖俗の双方を併せ持った女形であることを暗示した『澤村田之助』や、蛇に巻きつかれて苦悶とも恍惚ともとれる表情を浮かべる人魚を描いた『水妖』、見方によっては恍惚とも受け取れるような表情を浮かべながら水妖に水底に引きずり込まれる裸女を描いた『水魔』など、日本神話や文学、江戸怪談などをネタに描かれた作品は、いずれも妖しく美しい。
     きわめて耽美なこの作風は現代でこそ通じるかもしれない。ぜひご一覧を。

  • 図書館より。

    美術展に行きたい!けど、行けそうにないので、とりあえずこちらの本で。

    秋田県出身の幻の画家。
    初めて観たけど、白黒画は確かにビアズリーっぽいかも。
    幽玄的、妖艶。美人画だけど、なんだか怖い。でも、見ちゃう(笑)

    実物はさぞかし美しいんだろうな~、と思ってしまうような画集だった。

  • まぼろしの幻想画家・橘小夢(さゆめ)。伝承文学から着想を得た悪魔的な画風で画壇でも孤高の存在となり長らく人々の記憶から忘れられていたが、近年の弥生美術館の展示などで再評価が高まっている。「地獄太夫」の絵はやっぱり怖い。怖いけれど美しく、目を背けることができない。女性と河童が水に沈む絵は発表当初発禁扱いを受けたそうだが、逆に発禁にしたお役人さん想像力豊かすぎるよ!と思った。それだけ小夢の絵からただならなさが漂っていたということであろう。

  • 美しいのだが危うい様な、でもてもとに置いておきたいが大事にしまっておきたい様な…どう表現したら良いのか(+_+)

  • 初めて知ったのが、皆川博子の中公文庫『花闇』の表紙画。田之助の妖しい立ち姿に取り憑かれて早幾年。
    「ビアズレーのモダンさと絵草紙の残虐美、大正期のいささか感傷的、浪漫的な甘美さがまじりあった魅力」と皆川氏は語っている。先週展覧会にも足を運んだ。もっとたくさんの作品を観てみたいという願いが、やっと叶えられ本当に嬉しい。
    妖艶な女性の画はもちろんだが、今回は芝居関連の作品、鬢のほつれた色悪の凄絶な色気にシビれた。

  • 本邦初の画集刊行!!「幻の画家」「発禁の画家」といわれた橘小夢。時間を越えて蘇る「妖美」の世界。暗くて複雑で、そして毒をもつ、怪しい美の世界。怖くて、美しい!江戸川乱歩絶賛!

  • 大正から昭和期にかけて活躍した耽美絵画家の橘小夢の画集。決してうまいという作風じゃないんだけど、妖しさと美しさの雰囲気づくりがうまいですね。水妖とか地獄太夫とかかなり印象に刻まれる絵です。乱歩や皆川博子がとりあげるのも納得。編集をしているお孫さんの加藤宏明さんはプロフィールをみたら橘明名義で人形造形師としても活躍中とあるので、ぐぐってみたら天野可淡のドールに出会って人形を作り始めたとあり、やはり血筋っていうものを感じました。

  • 大判で鮮明な画集です。橘小夢の絵は、美しい、清らかというのではなく、凄艶であったり、蠱惑的な美しさです。この時代は、猟奇趣味の小説が流行しますが、挿絵画家としてコラボ的に活躍したのではないでしょうか。印象に残る作品が多くあります。「静御前」は文楽「義経千本桜」の参考にして欲しい作品です。表現の解釈がより深まると思いました。

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著者プロフィール

橘小夢の孫。会社勤務のかたわら、小夢の絵の研究、発掘、紹介につとめている。橘明(たちばな・ あきら)の名前で人形造形師としても活動中。

「2015年 『橘小夢 幻の画家 謎の生涯を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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