東京スタジアムがあった: 永田雅一、オリオンズの夢

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  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309275802

感想・レビュー・書評

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  • ほとんどマンガの世界のような実話である。

    ある成り上がりの金満家(永田雅一)が、米国では野球チームのオーナーは社会から尊敬されているという話を耳にはさんでプロ野球チーム(大毎オリオンズ)のオーナーになる。

    そしてこともあろうに東京の下町(南千住)に米国式の豪華なスタジアムまでつくってしまう。その球場は「光の球場」と言われるほど立派なものだったらしい。にもかかわらず、下駄ばきで球場にくるわ、風呂上がりに寄るわ、いかにも下町の風情である。

    そんなオーナーの永田が心血そそいだチームが昭和45年に優勝して、ファンに胴上げされる永田と選手たちの観劇の場面がクライマックス。その直後、オーナーの永田の経営する大映が経営不振に陥ったため永田は球団経営から撤退。愛するオリオンズを去る永田の姿に涙。

  • 榎本喜八選手が野球殿堂入り。良いタイミングで読むことができた。

  • かつて東京の南千住にあった東京スタジアムと大毎オリオンズオーナーの永田雅一を描いたノンフィクション。大映の社長で名物オーナーだった永田雅一は、自身の夢であるスタジアム建設に乗り出す。突貫工事で完成させてスタジアムは、大リーグの球場を手本とした日本では異色の野球場だった。開設当初は多くの観客を集めたが、チーム成績の低迷と共に徐々に閑散とした球場に変わる。そんな中でも永田オーナーはチームへの情熱を失わず、10年後にリーグ優勝を果たすが、映画産業の没落と共に負債が嵩み、スタジアムの解体に追い込まれてしまう。東京スタジアムの建設から解体までの期間における大毎オリオンズの選手達の動向、永田オーナーの人物像を丹念に追っていて大変面白く読めた。
    子供の頃の東京スタジアムの記憶と言えば、「巨人の星」のアニメにこのスタジアムが登場していたこと、この球場が解体されたというニュースを聞いて、プロ野球の球場が無くなることがあるのかと驚いたことだ。今で言えば、東京ドームに客が来ないから更地にするというようなものだろう。それほどショッキングだったのを覚えている。現代の日本において、個人で球場を作ってしまったり、自分のチームの選手を息子のように可愛がるオーナーがいるとは思えないけれど、この永田オーナーは自分のチームに対する愛情と家族意識が人一倍強かったのだろう。大毎オリオンズはその後、ロッテに買収され、千葉ロッテマリーンズになっている。マリーンズファンは、この本を一読すると、よりチームへの愛着が湧くと思う。
    ちなみに自分は、太平洋クラブライオンズのファンだった。初めて見たプロ野球の試合が「太平洋対日拓ホーム」(若い人は知らないと思うが)。太平洋もユニークで面白いチームだった。誰か本を書いてくれないかな。

  • 高度成長のさなか、下町・南千住に、東京オリオンズ(現千葉ロッテ)の自前の球場「東京スタジアム」ができた。「光の球場」とチームをめぐる、感動の物語。

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著者プロフィール

1964年熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業後、大学に勤務しながら執筆活動に入る。2008年より専業作家に。『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他に『この腕が尽きるまで』(角川文庫)、『人を見抜く、人を口説く、人を活かす』(角川新書)、『「あぶさん」になった男』(KADOKAWA)など。

「2018年 『イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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