岡上淑子全作品

著者 : 岡上淑子

• 河出書房新社 (2018年1月18日発売)

感想・レビュー・書評

[you9999さんの感想 · 2019年7月21日]

幻のコラージュ作家の現存する全作品を収める。童話「ねこ童子」、ヒグチユウコさん作画で誰か出版企画して。

[亞綺羅さんの感想 · 2019年7月13日]

借りたもの。
岡上淑子女史の作品集。
7年間の活動期間で作成された作品たちは、40年以上の時を経ても遜色ない。
ヴォーグなどのファッション誌から、質の高い写真を元に作られたコラージュは神話的であり“永遠に女性的なるもの”に昇華されている。

コラージュ特有の、日常にありふれたものが非日常になる瞬間。
元になった写真は現実(日常)ではるものの、戦後復興期の日本にとっては華やかな世界――別世界、ファンタジー――でもあるが、ただ浮世離れな世界を描いたわけではない。そこに女性性の未来への希望、展望、情景を見いだす。

結婚を期に作品制作を止めてしまったというのが、残念なことなのか、必然なのかは何とも言えないが……

池上裕子『自由と解放のヴィジョン――岡上淑子のフォトコラージュ』は、マックス・エルンストなど先人のシュルレアリストらのコラージュと比較して、その独自性を指摘する。

『芸術新潮』などで掲載されたインタビュー、所在不明作品の一覧もあり。
カタログ・レゾネとしても重要な一冊と認識。

[猫丸(nyancomaru)さんの感想 · 2017年12月11日]

岡上淑子コラージュ展―はるかな旅｜イベント｜高知県立美術館
Okanoue Toshiko Retrospective Exhibition
A Long Journey
2018年01月20日[土] - 2018年03月25日[日]
http://moak.jp/event/exhibitions/post.html

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優雅で不穏、繊細で大胆――幻のコラージュ作家・岡上淑子の現存150作品を収めた完全版作品集。文献、所在不明作品一覧など充実の資料と共に作家の全貌に迫る。高知県立美術館公式図録。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309279114/

著者プロフィール

1928年高知県生まれ。文化学院デザイン科卒業。22歳から約7年間独自にコラージュを制作。瀧口修造に見出され、タケミヤ画廊で個展。2000年、44年ぶりの個展「夢のしずく」開催後、国内外で作品を展覧。

「2022年 『岡上淑子・藤野一友の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」