盤上の海、詩の宇宙

  • 河出書房新社
3.88
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本棚登録 : 49
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309279268

感想・レビュー・書評

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  • ゆっくりとした静かな
    トーン
    リズム

    いつかは会得したいと思うものの一つ将棋
    母が羽生さんのことを好きなので手に取った一冊だったけれど、最近藤井風さんと出会って思ったことでもあるけれど、何かを突き詰めるプロな方は本当に素敵でとてもカッコいい。わたしも自分にとってそんなものを見つけたいな。

    難しいけれど面白い
    ただやっぱりそう言う時間をどこかで求めてるからやれる
    考え続けることができる

  • 羽生名人はとても分かりやすく対局中の思考の流れを言語化しているのに、対談相手の吉増剛造氏はそのせっかく分かりやすかった言葉を「翻訳しますね」と言いながら見当はずれな俗物的なものに置き換えていく。一冊通して感じたのは羽生さんの言葉の本質に迫る鋭さと、雑音のような吉増さんの…なんて言うんだろう。自分語り? 自分を語っているわけじゃ無いんだけど…美しいものを自分の縮尺で置き換えて納得しているんだけどその縮尺がすごくペラペラしたものに見える。詩人だというのに言葉の選択に鋭さがないし、とにかく羽生さんのセリフを読んでへぇーと思い、次の吉増さんのセリフを読んではあ?と思う、の繰り返しでした。
    途中でこの人は一体どんな詩を書くの?と気になって検索しましたが…私にはあれは詩じゃないかな。一篇の中に綺麗な一説があって、その周りを適当なもので飾り立てているような感じ。

    羽生名人の思考の流れにはますます興味が湧いたので、他の対談かエッセイを探します。

  • 狂気の可能性を逃げつつ受け入れる。

    全部の駒がきれいに働くと、駒がにっこり笑ってくれるような感じ。

    考えた指し手に愛着があるが、それをやっぱり考えていく中でその愛着を捨てていかなくてはいけないことがある。
    それだけ愛着がある分、未練もあることもある。せっかくこれだけ考えたんだから、やっぱり盤上に表さないとかわいそうだしもったいないという気持ちもある。

  • 2018/06/13 11:56:56

  • 吉増57歳、羽生26歳の対談。
    羽生の言語化能力の高さに驚く。
    playing時のことを言語化することの難しさは、大友良英『MUSICS』でも証明済みである。
    ●吉増〔後記-とても遠い声が聞こえてくる気がして、対談が終わってから、不図、羽生さんにたずねていた。羽生さん、いい名前ですね。"先祖は種子島に多い姓らしいです、・・・・・"羽生さんがこう口にされたときのめまいに似た感覚が忘れられない。小さな波頭が見え、汐の匂いがしたといえばあたるのでしょうか〕

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著者プロフィール

1970年9月27日、埼玉県所沢市生まれ。1982年、関東奨励会に6級で入会。1985年12月、プロ四段に。1989年、19歳で竜王獲得。これが初タイトルとなる。以降、数々のタイトルを獲得。1996年には、当時の七大タイトル(竜王・名人・棋聖・王位・王座・棋王・王将)全冠独占の快挙を成し遂げる。2017年に、八大タイトル戦のうち永世称号の制度を設けている7タイトル戦すべてで資格を得る、史上初の「永世七冠」を達成した。タイトル獲得は通算99期、棋戦優勝45 回(ともに2022 年6月時点)。主な表彰として、2007 年特別将棋栄誉賞(通算1000 勝達成)、2018 年国民栄誉賞、同年紫綬褒章。さらに2022年、史上初の通算1500勝を達成し、特別将棋栄誉敢闘賞を受賞。将棋大賞は最優秀棋士賞など多数受賞。

「2022年 『改訂版 羽生善治のこども将棋入門 中盤の戦い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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