セミ

制作 : 岸本佐知子 
  • 河出書房新社
4.32
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本棚登録 : 210
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309290195

作品紹介・あらすじ

糸井重里さんが「ほぼ日刊イトイ新聞」「今日のダーリン」で激賞!
「暗くて堂々巡りで救いがないかのような展開なのだが、読み進めたくてたまらない味わいがある。そして、やがて「うっ」となって、「わぁ」となって、「あああああ」となってしまう。こんなすごいものだと思わなかった」

***

セミが人間と一緒に会社で働いている。誰からも認めらず昇進もせず、それでも17年間コツコツと……。 静かで過激な問題作。

人間なんて大したことない。
誰もがたぶん気づいているこの事実を、物語で描くのは、本当に大変なことです。
それをこれだけの枚数でやってのけるとは、いつもながら恐れ入ります。

感想・レビュー・書評

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  • おおおおおおおおお…!
    つらい。つらい。めちゃくちゃつらい。
    短い絵本なのだけど、感情かき乱される。
    でもつらいばかりではなく、とても美しい本でもある。
    ああ…読み終えてから、胸の中をずっとセミが飛び回っている。

  • 読んでて辛い。
    セミのつぶらな瞳の可愛さにより一層胸を締め付けられる。

  • 大人向けの絵本
    ぞっとした。鳥肌たった。怖い。
    怖い、なにが?
    セミが? 人間が? 会社が? 社会が???

  • 絵本と言ってもまったく子ども向けではないけれど…大人が読めば思うこと感じることがいっぱいある作品。黙々と働き詰めで人並みにも扱われない17年間からの森への飛翔…それでセミは報われたのだろうか。何年にも渡る幼虫時代に比べると成虫になってからの命は短いといわれているけれど…
    種が違えば、なにが苦でなにが喜びになるかの感覚も別なのかもしれないしと思いつつ、現実には同じ人間なのにセミと同じような扱いを受けつつ世の中を支えている無名の人がこの世界には大勢いるのだということを考えずにはいられない。

    オーストラリアの絵本作家なのに、まるで日本のサラリーマンやブラック企業の実態を言い当てるような作品であることにあらためておどろく。山村浩二のショートアニメ『頭山』を通じて「サラリーマン」という言葉は知っていて、構想を練るときのヒントにもなったという話だが…

  • 立ち読み。
    ほんの数ページで、感情揺さぶられる。ぐいっと。
    ラストの綺麗さに少し救われる。

  • セミって何よ。理不尽で暗い気持ちになるし、何が救いなのか分からないし、自分は頭が悪いのかと思うけれど、妙に気になるお話だ。解釈がたくさん浮かんでは消え、分からないことが心地よかった。

  • シュール。
    人間社会で働くセミ。17年経っても評価されず肩を叩かれはいおしまい。その足で階段をトボトボ上って行く先は...。
    岸本佐和子氏訳の「ほとんど記憶のない女」を昔読みましたが、それに通ずるシュール具合。
    セミと人間のいちばんの違いが、ただ事実として表現されているだけなのに...。
    読者の想像をかきたてられる、それでいて各々の解釈は異なりそうな、味わい深い絵本です。

  • 6/5に紹介!
    ほぼ日刊イトイ新聞
    糸井さん激賞!
    「暗くて堂々巡りで救いがないかのような展開なのだが、読み進めたくてたまらない味わいがある」!

  • 淡々と、ただ単に、セミがセミとして、会社のどこぞで、ホモサピエンスの皆さんと、仕事をしてゐるうえに、勤め上げてなんとかなると言ふ話。
     なんか理不尽なんだけど、見る。
     最後の芭蕉の句もなんか、うん。

  • 17年間、こつこつ働くセミ。
    自分自身も既に20年以上が経過した。
    セミとして生まれ人間のように生きること。
    人間として生まれ人間のように生きること。
    限界を超える前、自ら変化する。
    変わらなくちゃならない。呪文。

  • 読むたびに、違う視点、感情がわいてくる絵本。
    セミを取り巻く社会環境が、現実の社会の様々な場面に見え虚しさを感じた。たえしのんだだけ、それ以上に幸せになってほしい。

  • 20190530 子供たちがこの本を読んだ感想が聞きたい。多分、質問が一杯なのではないか?大人の感性だからそう感じるのか年代で感想は違うと思う。定年近くの社会人としての感想は飛んで森に帰られるならそのための日々は何とでもなるのだろうな。飛べる事が分かっているからできる事もある。飛ぶための努力ではなく生きるための努力。

  • 不条理に不当な目に合いながらも真面目に働くセミの哀愁漂う姿よ。ただ、それだけではないので、ぜひ最後まで読んでみてほしいなと思います。

    どうやったってこの世には外れるものはいて、恩恵を受けるものの裏には虐げられるものがいる。それをどうするか考えることができるのが本来人間のはずなんだけれども…そんな「かんたんなおはなし」をセミは自ら語ってくれます。

    僅かなページで、絵とささやかな文章でもって示してくれています。物語と色調の一致が本当にすばらしい。ちょっと毒っ気よりのショーン・タン。最高です。

  • 読んでて、あまりにセミが可哀想でわんわん泣いた。
    セミは真面目にきちんと仕事しても、ニンゲン社員の仲間になるどころか、いじめられ、会社のトイレを使うことすら許されない。しかも町のトイレに行くと外出と見なされ給料が減らされる。住む所は会社の壁の隙間。ひどい。酷すぎる。
    もちろんこれは寓話で、セミは非正規労働者かもしれないし、危険と隣合わせで原材料を生産しながら、生活はちっとも豊かにならない発展途上国の庶民かもしれないし、劣悪な労働条件で働かされている外国人労働者かもしれない。学校でいじめられている子どもかもしれない。
    17年というのは、北米にいる17年蝉で、これは幼虫なのだ。だから17年たったら成虫になって飛んでいく。
    17年蝉が成虫になったときの夥しい数を考えれば、このセミのような人々も、実は世界ではかなりの多数派であり、この人々が集結すれば凄まじい力を持つことを忘れてはいけない。

    「セミ おはなし する。
    よい おはなし。かんたんな おはなし。
    ニンゲンにも わかる おはなし。
    トゥク トゥク トゥク!」(裏表紙)

    これはニンゲンに対する警告。よーく覚えておかないと大変なことになるよ。

    私はもちろんセミ。だからセミの味方だよ。

  • 大人のための絵本。都会のオフィスで働くセミ,同僚から疎まれ苛められ黙々と。無欠勤無ミスなのにヒラのまま17年間働き続け,定年の日がやって来た。読後感は秘密。

  • 17年周期、13年周期で大発生!! 「素数ゼミ」の謎を日本の研究者が解明した!!(tenki.jpサプリ 2016年08月18日) - 日本気象協会 tenki.jp
    https://tenki.jp/suppl/romisan/2016/08/18/14811.html

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    セミが人間と一緒に会社で働いている。誰からも認めらず昇進もせず、それでも17年間コツコツと……。 誰の心にも残る、印象的な、静かで過激な問題作。
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309290195/

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著者プロフィール

ショーン・タン(Shaun Tan)
1974年オーストラリア生まれ。幼い頃から絵を描くことが得意で、学生時代にはSF雑誌で活躍。西オーストラリア大学(University of Western Australia)では美術と英文学を修める。これまでに発表したいずれの作品も卓越した内容と表現で評価が高く、オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。作品は世界中で翻訳出版されている。現代を代表する新進気鋭のイラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとして活動の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2011年にアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。同年、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞も受賞。現在、メルボルン在住

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