- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309293738
感想・レビュー・書評
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話は少し前に文字のみで読んだ桃太郎でしたが、絵がつくことで一気に違う世界に連れ込まれます。
まず桃太郎の姿がイメージと違った。
これは手にとって読まないとわからない世界です。
ページが折りたたまれて開くと飛び込む異様な世界は紙の本ならではの世界です。
今年のおすすめの一冊になりそう。 -
桃太郎がクズという世界線のifストーリー。
個人的にはこっちのほうが好みです。
無益な殺生が復讐を生む、どっちが悪なのかは見方によって変わる、などの真面目なメッセージも含まれている気がしますが、桃太郎がクズすぎてちょっと笑いました。 -
「お爺さんやお婆さんのように、山だの川だの畑だのへ仕事に出るのがいやだった」ので鬼が島へ征伐に向かった桃太郎の話。
桃太郎が侵略者、鬼が被侵略者として描かれている。
なんとも芥川龍之介らしい風刺が散りばめられていて面白かった。
発表されたのは大正13年ということから、前年の1923年に起こった関東大震災での出来事、資本主義、日清日露戦争や第一次世界大戦後の軍国主義を批判して書かれたのだろう。
桃太郎を「天才」と皮肉り、物語は「ああ、未来の天才はまだそれらの実の中に何人とも知らず眠っている」と締め括られる。
この最後の一文から、この時代の空気感が漂ってくるようだ。 -
そこまで読み応え感じず。
想像の範疇 -
芥川龍之介の桃太郎、子どもの教育にいいと中身を読まずに年端もいかない子どもにも与えることのないように。これは映画でいえば、PG12だろうね。中学生くらいなら、この作品のもつ不穏さが何らかの爪痕を残してくれるのでは。
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おとぎ話とは全く異なる、稀代のワルの桃太郎。平和で牧歌的な鬼が島にお供を連れて征伐に向かうが…。現代の世の中を暗示するような物語と見応えのある挿絵で何度も読み返したくなる絵本。
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芥川龍之介、ここにあり!!!、という強烈なインパクトを「桃太郎」から浴びさせられた!
今の世相をつらつら思うに、人間に潜んでいるあるおぞましさを、コロナや、それに伴うワクチン接種への働きかけなどを通して、オカネ至上主義の、人間の善悪の悪の部分を徹頭徹尾実感させられた。。
芥川はそんな人間の闇を知ってしまった故に、この「桃太郎」を著したのだろう・・・。