- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309400143
感想・レビュー・書評
-
読了。貧しさと差別とコンプレックスが吹きだまる路地は都会にも地方にも、昔も今も、存在し続ける。それが見えるか見えないかは、何を見ようとするか、知ろうとするか、ただそれだけ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常に荒々しくて、熱い。
刺々しい熱量みたいなものに、ずっと晒されていた感じの読後感。
ちょっと疲れる感じはするけれど、何故か読み進めてしまう。
そんな不思議な魅力を持つ一冊です。
夏を振り返りたくなるような、今の季節に是非。 -
解説:松本健一
一番はじめの出来事◆十九歳の地図◆蝸牛◆補陀落 -
読み進むのが難しい。1970年前後に書かれた作品なのにさらに前のことのように感じる。しかし、描かれている人物たちの貧しさ、どうすることもできない憤りのようなものは、今また同じように人々の心のなかに存在しているような気がする。ただそれは、他者への直接的な暴力ではなく、自分自身に向けられた狂気かもしれない。
「十九歳の地図」よりも他の作品の方が印象に残った。 -
悲しみや憎悪や絶望でがんじがらめになってる感じ。十代ってそうだよね、と簡単に共感し合えるものとはちょっと違う。そういう境遇に生きた人特有のものかなと思う。憎しみでパンパンになるって、本人にとってはものすごく苦しいよね…。だんだん辛すぎて、早く読んでしまおうと一気に読みました…。よく目についたのが風が吹く描写。主人公の目線を通して表現されてて、その繊細さにすこぐ惹かれます。時々見え隠れするその繊細さがたまらなく好きだと思いました。
-
表題作「十九歳の地図」はうだつの上がらない若者の憤慨を描いていて、なかなか面白かった。
「一番はじめの出来事」は文章が稚拙で読みづらく、内容的にも別段面白く無かった。「蝸牛」「補陀落」もいまいち。 -
閉ざされた現代文学に巨大な可能性を切り拓いた、時代の旗手の第一創作集——故郷の森で生きる少年たち、都会に住む若者のよる辺ない真情などを捉え、新文学世代の誕生を告知した出発の書!
-
短編4つ全部重くて暗かった・・・。土着的な雰囲気は全体的にどうしても馴染めなくて、家族や世間への複雑な感情もなかなか掴めなかったんだけど、他人への距離感は「蝸牛」がぼくにはちょうど良く感じて面白く読めた。
-
表題作だけ読んだ。スコセッシの「タクシードライバー」を連想した。鬱屈した暴力衝動。
-
う〜ん。