世界悪女物語 (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784309400402

みんなの感想まとめ

悪女たちの物語を軽妙な筆致で描くこの作品は、歴史上の著名な女性たちの魅力と悪行を巧みに紹介しています。各悪女の個性が色鮮やかに表現され、特に則天武后の強烈な存在感が印象に残ります。昭和の時代に書かれた...

感想・レビュー・書評

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  • 読んだのは昭和54年発行のニ刷の単行本
    装幀は金子國義
    黒の表紙に背表紙の文字は
    鮮やかな深いブルー
    いかにも悪女物語らしい姿にまず感動
    内容も読みやすく
    それぞれの悪女ぶりが
    たっぷり表現されている
    さすがです
    事実がどうかは多分賛否両論だと思うが
    なんだかこれが全てのような
    気がしてくる

    中でも東洋の悪女
    唐の高宗の妃 「則天武后」
    は強烈すぎた
    それまで読んできた誰よりも悪女だった
    これを後半に持ってくるあたりが
    なんともやられた感あり

    こんな物語を古書で読むと
    よりのめり込める気がする
    なんともいえない古書の香りとともに
    何度もくしゃみと鼻水が
    出てくるのは
    悪くない

  • 初版は昭和39年、桃源社という出版社かららしい。
    私が持っているのは河出文庫の1995年9月発行の48刷のもの。

    知ってる人物が半分くらい。エリザベート・バートリやマリー・アントワネットなどは知ってる範疇。ブランヴェリエ侯爵夫人やアグリッピナなどは知らない人物。

    昭和30年代に書かれたものが今何の違和感もなく読める(文体も内容も)ということにまず驚かされる。戦後の作品だから旧仮名遣いだったりはしないが、例えば先日読んだ80年代の橋本治のエッセイを古臭く感じるのに澁澤龍彦は古臭く感じないのはどういうことか…。

    とても楽しい読書だった。

  • 澁澤龍彦の軽妙な文章で短いページで世界の有名な悪女を説明してくれる。歯切れがよく悪女を断罪するでもなく、楽しいおもちゃのように語る文章は最高だ。
    一方、半世紀以上前の本だけあって価値観も古いし、短いページだから仕方ないとは言え一面的な見方しかしてない場合もある。というか半分以上の人物について別に悪女だと思わなかった。

  • 澁澤龍彦といえば、幻想フィクション史実入り混じったエッセイがあまりにも面白いことで著名ですが。
    こちらは実在した世界の悪女たちの生涯を物語る人物エッセイ。
    血祭り姫エルゼベエト・バートリはもちろん、マリー・アントワネットにアグリッピナ、クレオパトラに則天武后……。錚々たる悪女たちの、恐ろしくも煌びやかで、度を越したおぞましい歴史と人生の物語。
    フレデゴンとブリュヌオーとか絶対好きだよね、オタクは。
    澁澤龍彦がメアリ・スチュアート推しなの、意外だけどなんか分かるな……。空回る恋慕……失墜する女王の権威……。

    しかし稀代の毒姫ルクレチア・ボルジアに始まり、まさかのナチ党宣伝大臣の妻マグダ・ゲッベルスで終わるの…澁澤龍彦節だなあ……。
    やっぱりロマンティストだったんだな、澁澤龍彦……。

  • 私が高校生の時に、澁澤龍彦にハマるきっかけになった作品であり、この手のほの暗い作品を読むようになったきっかけの作品。
    淡々としていて、ユーモアのある書き方で面白かった。

  • 則天武后とエリザベス女王の話だけ読んだ。
    (どちらも古典ラジオで聞いてから読んでる)
    事実が書かれてると思うけど、なんでそうゆう人になったのかが知りたいよね〜 もう無理だけど。
    エリザベス女王は悪女って括りなのかな?女性的な恋愛的な話ばかりでちょっと拍子抜けした。

  • 歴史上の悪女について簡単に紹介している本。
    妖人奇人の類の本は多いが、悪女という切り口でまとめてある本は意外と少ない。もちろん、この本のあとに同様の切り口の本は出ているが、そうした本の元祖ともいえる。

  • バートリがいたので。

  • 澁澤さんの、人間を描く切り口がすき。
    とにかくおもしろくってすらすら読めます。内容は重いけれど。
    私としてはエルゼベエト・バートリがいちばん強烈でした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「エルゼベエト・バートリがいちばん強烈」
      血との相性が良かったのでしょうね、、、
      読みたいと思っているのですが、ずっと放ってあるのがアン...
      「エルゼベエト・バートリがいちばん強烈」
      血との相性が良かったのでしょうね、、、
      読みたいと思っているのですが、ずっと放ってあるのがアンドレイ・コドレスク「血の伯爵夫人」(国書刊行会)、、、
      2014/03/18
  • 380
    大悪女の生涯には、魔性にみいられ魔性の命ずるままに生きた人間のおそろしさ、女の本性の端的な表象が発見され、読むものを慄然とさせずにはおかない。ルクレチア・ボルジアからマグダ・ゲッペルスまで、情熱にかられ、愛欲に身をこがし、血にみせられ、権力につかれ、運命にもてあそばれながら、奔放に生き破滅へと落ちていった史上名高い十二人の大悪女たちの生涯を流麗自在に物語る。

  • 則天武后がとくにヤバくて好きだった。

  • 3.4

  • 初めて読んだ澁澤龍彦の著作がこれだったような気が……します。世界史の教科書でも登場するような女性たちの悪女たらんエピソードに舌を巻きつつ、エリザベート・バートリーやフレデゴンドの悪女極まる壮絶なエピソードに、戦慄しながら惹かれていったのを覚えています。
    陰惨さはともかく、ここで取り上げられる女性たちには、各々の思想があり、野心があり、強さがあるのです。臆病で、それこそ妻の言いなりになってしまう皇帝のように、阿諛迎合することしか出来ない自分を見た時に、これらの悪女たちは、燦然と私に一つの生き方を教えてくれたのかもしれないのです。

  • 家系図からイカレたエピソードまで、悪い美女の話はただ頭の抽斗から自在に取り出して書くだけでよい澁澤先生。全員愛しすぎてて憶えてる、忘れられない恋人たち。

  • 女のエピソードよりも詳しくなった悪女物語。当然のように血なまぐさい話が多い。マリーアントワネットに関しては「この時代はこういう見方が主流だったんだなぁ。時代は変わったなぁ」という感想。或る意味歴史のアップデートがわかって面白かった。

  • <時代を挑発した悪女たちの、悲哀>


     澁澤先生による世界史の授業。年表をどくどくしく彩った悪の華たちの生涯が、勝手に想像していたよりは毒のない、端正な文体でわかりやすく解説されています。歴史と人物の学習にもってこい。ただし、あまりに危険に満ちた事例が多発★

    ●ルクレチア・ボルジア―中世イタリアで最強の妹
     妹キャラって、人気あるらしいですよね……? ルクレチアこそは、悪名高いボルジア家に生まれ落ち、兄チェーザレの野心をかなえるために政略結婚を繰り返した、世界史上最強の「妹」。チェーザレはヨーロッパをチェスボードに見立てて壮大な戦いをくりひろげ、ルクレチアは常に彼の重要な駒として進められたのでした。

    ●マリー・アントワネット―無邪気すぎたフランス王妃
     遊び好きで政治的な知識に乏しく、一国の財政がかたむくまで贅沢の限りを尽くした彼女を、ギロチン台が待っていました。素は朗らかで育ちのいいお姫様だったのだろうなと思います。しかし、ときに、並み外れた無邪気さは罪に値するのです。

    ●クレオパトラ―英知で輝いたエジプトの星
     近隣諸国の言語に通じ、巧みな話術と美貌で権力者を次々に落とした才女。彼女の美とは、知性の刃で研がれたものだったのです。聡明ゆえに美しく、美しさを武器化できるほど賢かった。だからこそ、女の魅力で訴えかけることに失敗した時、即、破滅を悟ったのでしょう。

     他にも「美貌と権力によって悪虐のかぎりをつくした女性、あるいはまた、愛欲と罪悪によって身をほろぼした女性」続出★
     はっきり言いますが、私はしたたかで欲深い女たちに拍手します。悪女性こそ、女が道を切り拓くための最強手段だ!
     しかし、歴史を揺るがした悪女たちも、余裕で世界をもて遊んだわけではなさそう。おのれの命運をかけて大見得を切り、背水の陣で時代を挑発した誘惑者。成功すれば華やかに生きられるかわり、一歩間違えれば派手に転落……。そんな一抹の哀れさも感じられたのでした。

  • 文学
    歴史

  • 4-309-40040-x 251p ?・?・? ?


  • 嶽本野ばらさんの「鱗姫」を読んで
    エリザベート・バートリー を知りたくなって読んでみました。
    エリザベートに関しては他の本などで見たものと特に変わらないエピソードだったので(描写は一番過激で気持ち悪くなりました笑)いまひとつでしたが、他の悪女?たちのエピソードも強烈で楽しめました。
    悪女と言えども彼女たちも運命に時代に翻弄されながら、一生懸命生きていたのだろうと思いました。

  • フレデゴンドとブリュヌオーってこの本で初めて知った名前だけど、この二人が一番すさまじいと思った。
    いがみ合う女って怖い。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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