夢の宇宙誌: コスモグラフィア・ファンタスティカ (河出文庫 121I)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 204
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309400969

感想・レビュー・書評

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  • 中学のときに読んでワクワクしたもの。以後、その関係から広がり。
    澁澤さんに集成をいただいたのも思い出す。この辺のは、学生時代の楽しい読書の一部。自分の青い部分も見えたりでちょっと恥ずかしくもある。

  • 89年1月号のスタジオヴォイス(まだ中綴)には、「中高生カルトファンのアイドル」というアオリで、澁澤龍彦文庫総カタログ(全32冊。この段階で河出はQまで。角川とかロマン文庫とか抜けてるので総ではない)が載っている。まさにアイドル。コーヒー一杯とおなじ値段で買うことができるようになって、どっと中高生が澁澤龍彦を手にしたのである。めでたい時代だ。私鉄沿線駅前、十坪あるかなしかの本屋の狭い文庫棚に、新刊はかならず並んだ。なにも知らないアホな中学生にも、そこから、途方もなく広く、遠い、世界が拡がっていることだけはわかった。おぼろげにぶつかりだした有象無象の切れっ端を、世界に嵌めていきはじめたコドモは、夢中になりました。博物学は世界の再生、再構築だからなー。
    遊びようのない玩具、非生産的な機械、異形の天使、世界の終わりに用意された場所、小宇宙を宿した生活とは無縁の美しいラレツにもぶつかり、それらはあの素っ気ないほど晴朗な語り口とともに、地層の奥底にいまも埋まっているはずです。たぶん。

  • ホムンクルスについて、天使について、アンドロギュノスについて……、読み物として面白い。各々のトピックについてもっと詳しく知りたければここから勉強しなければならないけれど。いったいこの人は、どのようにしてこのような網羅的知識を自分のものにしたのだろうか。

  • ¥480
    「観念は、形象化する作用のなかに生まれる」(ホイジンガ)――多年、観念の可視化作用に関心を寄せてきた著者が、自動人形、遊戯機械、奇形、怪物、天使、アンドロギュヌスなどさまざまなテーマをとりあげ、多様なイメージに通底する人間の変身願望、全体性回復への意思、大宇宙と照応する小宇宙創造への情熱などを考察するエッセー集。著者六〇年代の代表作。

  • 未読

  • 夢の宇宙誌と書いて、「こすモグラフィア ファンタスティカ」…。タイトルだけで夢のような一冊なんですが、中身はそれにも増してぶっ飛んだ内容で、天使、アンドロギュヌス、玩具など、世紀末的な退廃に彩られたモノ達がたくさん紹介されてます。

  • 玩具について、天使について、アンドロギュヌスについて、世界の終わりについて――。ゴシックで退廃的なそれらのモチーフは、グロテスクな筈なのに何処か純粋に語られている所為か不快感がありません。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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