スクリーンの夢魔 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 94
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309402123

感想・レビュー・書評

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  • 1960~1970年代に書かれた映画批評エッセイを纏めた本の文庫版。
    主に恐怖とエロティシズムについて。
    好きなものを語っているときでも客観的で冷静なのが素晴らしい。
    キーワードは(多分)「精神分析」。
    ホラーでも、それ以外のジャンルでも、
    神経症的な登場人物がスクリーンの中を闊歩していたためだろうか。

    ちなみに、過日読了した
    J.F.バーディン『悪魔に食われろ青尾蝿』解説によれば、
    アメリカでは1940年代以降、戦争の傷跡と、
    人口に膾炙したフロイトの精神分析(夢判断)などの影響で
    「ニューロティック(神経症的)スリラー」と呼ばれる
    文芸ジャンルが勃興したそうだが、
    欧米の映画界も同じ波に乗っていたということか。

    それにしても、フリードキン『エクソシスト』について、
    恐怖映画の観客への効果は、
    悪魔の超常能力によって生み出される幻影に似ている、として、

    > 悪魔憑きと悪魔祓いのテーマは、
    > 映画憑きと映画祓いのテーマの比喩だったのである。(p.21)

    と皮肉な口調で喝破する辺りはさすが。
    かと思えば、

    > エロティシズムは人間を物に変えるが、
    > 愛は人間を人間として再発見させる。(p.143)

    ――って、愛って(澁澤が! エェェェッ!!)ww
    意外な言辞にのけぞってしまったが(笑)ごもっとも。

  • 「恐るべき子供たち」が映画化されていたことを本書で知った。
    表紙は「アンダルシアの犬」の女の眼を切り裂くシーン。

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