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- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309402123
感想・レビュー・書評
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1960~1970年代に書かれた映画批評エッセイを纏めた本の文庫版。
主に恐怖とエロティシズムについて。
好きなものを語っているときでも客観的で冷静なのが素晴らしい。
キーワードは(多分)「精神分析」。
ホラーでも、それ以外のジャンルでも、
神経症的な登場人物がスクリーンの中を闊歩していたためだろうか。
ちなみに、過日読了した
J.F.バーディン『悪魔に食われろ青尾蝿』解説によれば、
アメリカでは1940年代以降、戦争の傷跡と、
人口に膾炙したフロイトの精神分析(夢判断)などの影響で
「ニューロティック(神経症的)スリラー」と呼ばれる
文芸ジャンルが勃興したそうだが、
欧米の映画界も同じ波に乗っていたということか。
それにしても、フリードキン『エクソシスト』について、
恐怖映画の観客への効果は、
悪魔の超常能力によって生み出される幻影に似ている、として、
> 悪魔憑きと悪魔祓いのテーマは、
> 映画憑きと映画祓いのテーマの比喩だったのである。(p.21)
と皮肉な口調で喝破する辺りはさすが。
かと思えば、
> エロティシズムは人間を物に変えるが、
> 愛は人間を人間として再発見させる。(p.143)
――って、愛って(澁澤が! エェェェッ!!)ww
意外な言辞にのけぞってしまったが(笑)ごもっとも。詳細をみるコメント0件をすべて表示