スクリーンの夢魔 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.46
  • (5)
  • (8)
  • (20)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 94
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309402123

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 澁澤龍彦による偏愛的映画論。1978年の刊行なので、取り上げられている映画はいささか古いのだが、いずれも映画史に残る傑作揃い。特に偏愛の対象となっているのがルイス・ブニュエル。『アンダルシアの犬』、『昼顔』、『哀しみのトリスターナ』などがそうだ。つまり、デカダンスと陰影とエロティシズムを兼ね備えた作品ということに他ならない。ちなみに、女優ではカトリーヌ・ドヌーヴが澁澤氏のお眼鏡に叶うのだが、これもいかにもそうだろうな、と思わせる選択。なお、ベルイマンを「禁欲」という観点から捉えているのには深く納得した。
     武智鉄二の『は白日夢』、三島由紀夫の『憂国』をぜひ見てみたいものだ。

  • [ 内容 ]
    偏愛する映画作家、ブニュエル、ベルイマンなどの諸作品をめぐって印象批評をくりひろげ、女優カトリーヌ・ドヌーブの妖しい魅力を分析し、はたまたお得意のドラキュラ物をはじめとする怪奇・恐怖映画の数々をとりあげながら、そのおもしろさについて蘊蓄を傾ける、独特の批評眼が随所に光る映画エッセイ集。
    「書斎派ダンディ」として知られた著者がまとめた唯一の映画の本!

    [ 目次 ]
    『恐るべき子供たち』を見て
    『エクソシスト』あるいは映画憑きと映画祓い
    「マラー/サド」劇について
    現代の寓話―パゾリーニ『テオレマ』を見て
    ナチスをめぐる相反感情
    『バーバレラ』あるいは末来像の逆説
    『昼顔』あるいは黒眼鏡の効用について
    ルイス・ブニュエルの汎性欲主義
    非社会的映画のすすめ―W.ワイラー『コレクター』を見て
    ベルイマン、この禁欲的精神
    カリガリ博士あるいは精神分析のイロニー
    サド映画私見
    映画におけるエロティック・シンボリズムについて
    恐怖映画への誘い
    怪奇映画の季節 ドラキュラの夢よ、いまいずこ
    ショックについて
    ドラキュラはなぜこわい?恐怖についての試論
    カトリーヌ・ドヌーヴ―その不思議な魅力
    愛の形而上学と死刑―大島渚『絞死刑』について
    階段闘争か生物学主義か―大島渚『忍者武芸帳』を見て
    黒い血の衝撃―三島由紀夫『憂国』を見て
    デパートのなかの夢魔―『白日夢』のノスタルジアについて
    エロス的風俗に関する対話

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 大の澁澤ファン、そして映画好きの私が手に入れない訳にはいかなかった、書店お取り寄せの本。執筆されたのは私が生まれる7年前。故にこの本で取り扱っている映画はかなり古い。聞いたことのないものばかり。それでも素敵に楽しめたのは、言葉の魔術師、澁澤龍彦のテクニシャンっぷり。彼の紡ぎ出す言葉の美しいこと、この上なし。甘美な旋律、妖しい音階。私は陶酔する。

渋澤龍彦の作品

ツイートする