- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309402420
感想・レビュー・書評
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2008年11月4日~5日。
この人のエッセイなのか小説なのか、虚実が混淆としている作品は、えも言われぬ面白さがある。
エッセイだけの作品には、今一つのものもあるが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
澁澤龍彦らしい、博学なエッセイ。他の本に比べると、固有名詞が非常に多くなっているため、いくつかの章は読みづらい。また、「綺譚集」というだけあって、簡単に説明の付かない不思議体験が織り込んであるのも特色。
澁澤龍彦のなめらかな筆致は非常に好みなのだが、今回は体調もいまいちだったのか、いくつか読み飛ばしてしまった。しかし、一つのテーマに対して「日本書紀では」「中国の故事で」「スペインでは」と色んな話が出てくるところが超然としたところである。それが飛頭蛮(首抜け族)だったり、連続殺人・食人鬼だったりするから、完全に掴まれるわけです。
そこに急に友達の話であり、自分の学生時分の話、正倉院展での話などが、自然に同列にはいってくるところがすごい。また体調が良い時に読み返すと思う。保留ということで星3。
「ドラコニア」はどこかの昔の国かと思っていたが、1本目でわかった。「龍彦」の国のことである。
「何はともあれ 頭は隠さずとも 尻は隠してもらいたい」
おもしろい。
(余談)
河出の著者名が「澁澤」ではなく「渋澤」になってんだけど、名前を勝手に帰るのは失礼ではないか? -
極楽鳥について/鏡と影について/飛ぶ頭について/かぼちゃについて/文字食う虫について/スペインの絵について/ラテン詩人と蜜蜂について/箱の中の虫について/桃鳩図について/仮面について/童子について/巨像について
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徽宗論「桃鳩図について」所収。「天竺までは何マイル?」つながり。
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自分の知識不足のためわからない箇所も多少あったが、作者が非常に楽しそうに書いているのがわかる良エッセイ。
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エッセイなのか御伽噺なのか分かりかねる小品集。
澁澤龍彦の王国『ドラコニア』を気ままに散策できる本でした。 -
美術史かぶれだった大学生のころの愛読書を、再び読み返しました。妖しくも魅力ある澁澤ワールド。大人になってからまた読むと、若い頃と異なった感覚を楽しめますね。
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最近、吸血鬼関連の本を読んでいて、
ドラキュラ……ドラクル……ドラコニアという具合に、
この本を思い出したのでレビュー。
ドラコニアとはドラゴンの国、
すなわち(ポオ風に言えば)「澁澤龍彦の地所」。
古今東西の不思議なオブジェ、アイコンについて、
自由気儘に連想の翼を広げて書かれた随筆集。 -
相変わらず自由気ままに歩いている。好きだ。
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他の渋澤作品と異なり、この著作には彼の体験や創作が多く含まれている。
これまでの作品は、引用やそれに対する考察、感想で構成されていた為に彼の人物像は読み取り辛かったのだが、この作品では大いに彼の人となりに触れる事ができた。
内容に関しては、あまり私の好みに合うものがなかったのが残念。 -
[ 内容 ]
「ドラコニア」とは龍の王国、すなわち「渋沢龍彦ランド」のことである。
この知の領土において、著者は極楽鳥や仮面、童子といった偏愛するテーマをとりあげながら、筆のおもむくまま、自在のスタイルで、興趣つきないエピソードをつむぎ出す。
一編ごとにエッセイ風、幻想譚風とおもむきを変え、きらびやかなペダントリーをふりまきながら、軽やかな精神の運動が展開する円熟のエッセイ集。
[ 目次 ]
極楽鳥について
鏡と影について
飛ぶ頭について
かぼちゃについて
文字食う虫について
スペインの絵について
ラテン詩人と蜜蜂について
箱の中の虫について
桃鳩図について
仮面について
童子について
巨像について
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
たとえば「ラテン詩人と蜜蜂について」。カヴァーには「きらびやかなペダントリー」とあるけれど、それでもこれは衒学ではない。せめて読んだ内容を憶えていられれば、私も少しは知的になれるのだろうけれど……嗚呼。
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580
「ドラコニア」とは龍の王国、すなわち「澁澤龍彦ランド」のことである。この知の領土において、著者は極楽鳥や仮面、童子といった偏愛するテーマをとりあげながら、筆のおもむくまま、自在のスタイルで、興趣つきないエピソードをつむぎ出す。一編ごとにエッセイ風、幻想譚風とおもむきを変え、きらびやかなペダントリーをふりまきながら、軽やかな精神の運動が展開する円熟のエッセイ集。 -
渋澤作品は学生の頃に何作か読みました。長髪にサングラス、書物ぎっちりの書斎といったビジュアル、それにサドetc.の翻訳で「キケンなモノカキ」のイメージがあるかたですが、私が読んだ限りでは、そんなイメージではなく、筆致もきわめて知的で博覧強記の作家さん(荒俣宏さんが近いと思いますが、荒俣さんよりビジュアルがセクシーな感じ:笑)という印象のまま終わっています。この本はご自分の周りの世界を「ドラコニア」としゃれて名づけ、ちょっとフシギな語り口の話をまとめたものです。「ファンタジー」じゃなくて、「幻想譚」と漢字でいきたい1冊です。ホラーでも何でもありませんが、夜読むのにいい空気感をたたえた筆運びです。
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エッセイなのか私小説なのか。8割空想世界。
でてくる本や文献を読みたくなるけど、原語ってだけで
無理だぁ。とりあえず、絵画や美術品に関して
書かれているのに写真がないなんて反則。
しっかし、読書量(偏ってるけど)半端ねぇ -
部屋にいながら小旅行。時空の壁もおかまいなし。「飛ぶ頭〜」の夜の珍客にかわいい!とはしゃいでみたり、「箱の中〜」にせつなくなったり・・・好きだ、ドラコニア。
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何一つ文句はない。軽快なエセー。
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お家芸の軽妙なエッセイと晩年の創作の過渡期とおぼしき一冊。スタイルはまさに中間的で、エッセイ風もあればお伽噺風もある。肩の力を抜いてふわふわしたいときに。
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