野ばら (河出文庫―BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1135
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403465

感想・レビュー・書評

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  • 再読でも面白かったです。
    月彦はいつから夢の中にいて、どこからどこまでが夢の中なのか…なにもかもが夢の中です。
    銀色と黒蜜糖が猫なら、他の少年たちも猫なのかな。性格がちょっとキツイところも猫っぽいです。
    そして今回も植物の美しさにうっとりしました。
    バラ科の鉄や、回転式螺子の昼顔。紅玉石の柘榴も綺麗です。
    硬質な世界。堪能しました。

    持ってる本の装丁はこちらではありません。
    白と明るい緑の格子模様に、白い花の植物が描かれているのですが何の花だろう。

  • 何度読んでも、夢と現実の境を見失ってしまう。
    捕まらない現実と重なり続ける夢の重さに、うっすら恐怖感すら覚えるような感覚。
    甘く幻惑的な薫りが満ちた世界の危うい美しさの精度が凄まじかった。
    月彦、銀色、黒蜜糖、なんて名前を違和感なく登場人物に付けることのできる世界観を持った小説は、そうそう無い。

  • 覚めることのない夢の世界に囚われている少年月彦。
    それはただ偶然見ているのではなく、意図的に見させられている。
    銀色と黒蜜糖も夢によって囚われ、夢を使って脱出しようとしている。

    彼らの正体がわかるにつれ、夢の舞台はどこなのか、夢を操っているのは誰なのかがわかっていく。
    不思議な、不思議な世界観で、読んでいる方も夢か現実かわからなくなってくる。
    それでも読んでいくとだんだん謎が解けていき、スッキリしていくのだが、「影をなくす」という意味だけはわからなかった。

  • 主人公、月彦と一緒に微睡みながらゆらりゆらりとお話を追った。これを読みながら何時の間にか眠ってしまったときは、とても良い夢が見れた…。
    また、眠れない夜がきたらこの本を開こう・・・

  • 長野まゆみの初期作品、ということで読んでみた。世界観は耽美でほんのひと匙背中が冷やっとするような怖さがエッセンスとして滴らせられているといった感じだ。夢の中を巡りながら自ら(?)それに溺れる少年の世界が現と交互にループする構成になっていて、真夜中に読むのにうってつけな作品だ。夢の内容が、主人公月彦の精神世界と何か繋がりがあるのなら、そこまで書いて欲しかったような気がするが、そこは想像で愉しむべきなのかもしれない。解説も非常に面白かったので是非読んでほしい。
    長野まゆみは児童文学っぽさを持った作家だと感じているが、これは大人でも楽しめる。玻璃のように繊細で儚げな少年少女の不安定な時期の心を懐かしむことが出来た。それと同時に幻想的な冷たい夢の世界も味わえた。

  • 文学的というよりは美術的な作品かもしれない。脆弱な美しさ。儚い幻想。綺麗だな……☆
    今は、この物語に溺れていられるほど悠長ではいられなくなってしまったのけれど、この何の役に立つこともない閉ざされた世界観を、切実に読書に求めていた10代後半を思い出す。“卒業”してしまうことがいいのかどうか、分からない。このまぼろしに耽溺していられる時間をとれる人は幸せだと思う。

  • 2015年8月14日読了。
    黒蜜糖の可愛さよ……!
    夢と現実の境を追うのは早々に諦めました。

  • 資料番号:011246865
    請求記号:F/ナガノ

  • 名前フェチみたいになるが、銀色という名を見たときには衝撃だった。
    景色や時間が重なる演出は面白い。が全体的な印象としてはやや茫洋として帰着点がない。

  •  時おり無性に長野まゆみさんの作品が読みたくなる。この作家のことば遣いには中毒性があるかもしれない。
     月彦、黒蜜糖、銀色なんていう名前の少年たちが出てくるのですが、毎度ネーミングセンスが良すぎて。少年たちが不思議な体験をする幻想風の作品ですが、この辺りはまさに長野の真骨頂という感じ。例によって、美しいイメージとことばの響きを楽しむだけで、プロットはあるのだかないのだか。現実と夢とが渾然一体となったような、この曖昧さも魅力の一つなのかもと思う。夢のなかの夢。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)
東京都生まれ。一九八八年『少年アリス』で文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞。

「2019年 『掌篇歳時記 秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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