あゝ、荒野 (河出文庫―寺山修司コレクション)

著者 :
  • 河出書房新社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403663

感想・レビュー・書評

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  • 「手垢にまみれた言葉を用いて、形而上的世界を作る」事を目的に書かれた、寺山修司の唯一の長編小説。
    「手垢にまみれた言葉」が日常に満ち満ちていた時代、スポーツ選手や映画俳優は、老若男女皆顔も名前も知っていたし、流行歌のフレーズやCMのキャッチコピーは、誰でも、ごく当たり前に口ずさむ事ができたんだろうなぁ。
    そんな無邪気な時代、日本全体が、共通の価値観を持ち得た時代は、現代からしみじみ遠くなったと思う。
    それでも、作中のそこここに散りばめられた言葉は、現代にも通用する普遍的な力を持つ。
    ストーリーの大筋を決めておいて、後は登場人物達を即興で動かしていくという手法も、実験的で面白い。

  • 新宿やリングという「荒野」を舞台にした寺山修司唯一の長編小説。吃りで赤面対人恐怖症の「バリカン」は、吃りを治す為にジムの門を叩く。人を憎む事の出来ない、小説を読みの「バリカン」と、少年感化院を脱走したヘラクレスの様な肉体を持ち、未だ挫折した事のない「新宿新次」もまたスカウトされ同じジムでボクサーになる。この2人を主人公に、寺山らしい一癖ある脇役達。兄貴分の新宿新次を慕うバリカンだが、新次に勝ちたい、「愛するために愛されたい」バリカンは新次と対戦する。小説のラストが死亡診断書という映画的手法に衝撃を受けた。

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著者プロフィール

1936年青森生まれ。早稲田大学教育学部中退。歌人、詩人、小説家、劇作家、劇団「天井桟敷」主宰など、マルチな才能を発揮し、60年代のオピニオンリーダーとして活躍。83年没。

「2018年 『栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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