少年たちの終わらない夜 (河出文庫―BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
3.17
  • (21)
  • (35)
  • (150)
  • (23)
  • (7)
本棚登録 : 520
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403779

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 急逝してしまった感性若い著者の、
    痛いほど鋭利で直球な10代ストーリー。

    「 」と「 」の関係で成り立つ
    物語の、すれ違いと同感が、言うならきらびやか。

    文体は、まるで日差しが鋭い分
    影もまたいっそう強い夏の日差しのよう。

  • こういうのへの憧れは今でもある。

  • どの短編も若く青く刹那的で力強くせつない。

    私にも確かに19の時があった、ということを思い出させてくれた。

  • 鷺沢萠さんがこの世を去つて早くも十年が経過しました。同世代の気鋭作家といふことで、その作品には注目してゐただけに、訃報には驚いた記憶があります。
    『少年たちの終わらない夜』は、鷺沢さん最初期の作品集。即ちまだ十代の頃です。
    改めて読むと、当時はこんな文章書いてたんだな、と後年の作品との相違に軽い驚きを禁じ得ないのであります。

    表題作ほか四篇が収録されてゐます。いづれの作品にも、二十歳を目前にしたハイティーンの不安や絶望、焦燥感といつたものが蔓延してゐるのです。

    「少年たちの終わらない夜」の川野真規くんは高校三年生。バスケの引退試合で、勝ちたいがあまりにレフェリーの目を盗んでインチキをしてしまふ。そのお陰で勝利しますが、のちに一人でゐるところを試合相手のメンバーに見つかり、報復でボコボコにされてしまふのです。彼の頭には、いかに仕返ししてやるかといふ考へしかなかつた...

    「誰かアイダを探して」の「僕」とアイダは十九歳。二人は偶然知り合ひ毎日逢ふやうになる。しかしアイダは「二十歳になったら...」と云ひかけたままどこかへ消えてしまふ。「そうだね、アイダ。二十歳になったら、何をやってもフツウのことになっちゃうよ」と「僕」はつぶやき、「でも怖がることはなかったんだよ。君は自分を気にしすぎたんだ」とアイダに伝へたい。アイダはどこにゐるのだ?

    「ユーロビートじゃ踊れない」は、タイトルがちよつと...といふ感じですね。ところでフーズボールなる遊戯の名を初めて目にしたのが本作であります。

    「ティーンエイジ・サマー」。「僕」・梶井・大野・良・浩次・そしてリンは小中高12年間、同じ学校で過ごした仲間であります。大学進学した者、海外留学した者、リンのやうになぜか進学せずアルバイトする者など、高校卒業後は各方面に散つたのです。そんな彼らが、十代最後の夏を過ごさうと集まつたが...

    とまあ、過剰なほど十代に拘泥した作品たちです。正直のところ、好みかと聞かれると返答に窮するのでありますが、恐らく登場人物たちも、「終わらない夜」は自分たちが作り出した幻想であることに気付いてゐるのでせう。もがき傷付いても正直に生きたい、作者自身の十代への決別とも云へるのかも知れませんね。

    それぢやあ、また。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-502.html

  • 100311/速/完/現代文学
    十代のころに読みたかった。21で読むべき本を。

  • 帰省して読む本がないので、学生時代に読んだ本を読み返そうと思い手に取った一冊。

    バブルを感じさせる文体だなあとか(固有名詞の多様なんかは特に)思うところはいろいろあるんだけど、20になる前の少年たちのピュアさを、異性である著者がここまで純度が高い形で文章化したということに、やはり高い作家としての力量を僕は感じる。

    何故36歳という若さで自殺してしまったのか、原因はよくわからない。僕としては、彼女の作品が長く読まれ続けてほしいと願うばかりである。

  • 高校生の頃読んだ。
    田舎のおとなしい子供だったわたしには、
    よく分からないけど、こういう世界もあるのかと、
    心に砂漠を感じた作品。

    読むなら十代。
    二十歳を超えたら読まなくてもいい。

  • 青春時代を謳歌する人に気付いてほしい話なのに、
    10代の人が読んでも、
    多分、内容の時代錯誤と文章の受け入れの難しさで、
    素通りされちゃうんだろうなぁ。
    もったいない。
    戻れる事なら、戻りたいよね。

  • このあおくさーい感じは嫌いじゃないな

著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

少年たちの終わらない夜 (河出文庫―BUNGEI Collection)のその他の作品

鷺沢萠の作品

ツイートする