少年たちの終わらない夜 (河出文庫―BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
3.16
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本棚登録 : 523
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403779

感想・レビュー・書評

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  • 急逝してしまった感性若い著者の、
    痛いほど鋭利で直球な10代ストーリー。

    「 」と「 」の関係で成り立つ
    物語の、すれ違いと同感が、言うならきらびやか。

    文体は、まるで日差しが鋭い分
    影もまたいっそう強い夏の日差しのよう。

  • カッコよかったよなー この本

  • こういうのへの憧れは今でもある。

  • 少年たちの、刃物のような鋭い感情、抗えない仲間という束縛感、未来が見えないのに過信する姿、、思春期の微妙な空気感を見事に表現されていて感動しました。読んでいると澄んだ灰色の空気を吸い込んでるような息苦しさを感じるほどでした。

  • うーん、こんなティーンズライフ想像つかない!
    小説としての完成度はさておき、好きではないです。

  • 一瞬だからこそ輝く時代。
    自分にもあったのか、幻想なのかわからないけど。

    瑞々しい青春の感覚を楽しめた。

  • どの短編も若く青く刹那的で力強くせつない。

    私にも確かに19の時があった、ということを思い出させてくれた。

  • 高校生だけど、イマイチ共感できない。時代が違うからなのか…。アウトサイダーな人達が燻っている話で、読んでいて痛い。

  • 東京の青少年って、こんな日々を送っているんだろうか…?
    街中で遭遇したらついつい目を伏せてしまいそうな登場人物たちに、戸惑いを隠せなかった。
    なんというか、特にコンビニの前とかで会いたくない人が多い。
    いや、こう、ねじがぶっ飛んだみたいな人ばかりでないのは知っているけれど。
    彼らには、彼女たちには、そういう環境の中にいるその人たちにしか経験することのできない「青春」があって、そこから得るものも学ぶものも、そして失うものも、私と違うものなんだろうか。
    でも、何となく、そうではない気もする。
    アプローチの仕方が違うだけで、重なるものはある気がする。
    そうじゃなかったら、読んでいて共感なんてできるはずないんだから。
    大体、多分、私だって、形と場所が違うだけで、彼らみたいに外れたねじがあるんだろうし。

  • 鷺沢萠さんがこの世を去つて早くも十年が経過しました。同世代の気鋭作家といふことで、その作品には注目してゐただけに、訃報には驚いた記憶があります。
    『少年たちの終わらない夜』は、鷺沢さん最初期の作品集。即ちまだ十代の頃です。
    改めて読むと、当時はこんな文章書いてたんだな、と後年の作品との相違に軽い驚きを禁じ得ないのであります。

    表題作ほか四篇が収録されてゐます。いづれの作品にも、二十歳を目前にしたハイティーンの不安や絶望、焦燥感といつたものが蔓延してゐるのです。

    「少年たちの終わらない夜」の川野真規くんは高校三年生。バスケの引退試合で、勝ちたいがあまりにレフェリーの目を盗んでインチキをしてしまふ。そのお陰で勝利しますが、のちに一人でゐるところを試合相手のメンバーに見つかり、報復でボコボコにされてしまふのです。彼の頭には、いかに仕返ししてやるかといふ考へしかなかつた...

    「誰かアイダを探して」の「僕」とアイダは十九歳。二人は偶然知り合ひ毎日逢ふやうになる。しかしアイダは「二十歳になったら...」と云ひかけたままどこかへ消えてしまふ。「そうだね、アイダ。二十歳になったら、何をやってもフツウのことになっちゃうよ」と「僕」はつぶやき、「でも怖がることはなかったんだよ。君は自分を気にしすぎたんだ」とアイダに伝へたい。アイダはどこにゐるのだ?

    「ユーロビートじゃ踊れない」は、タイトルがちよつと...といふ感じですね。ところでフーズボールなる遊戯の名を初めて目にしたのが本作であります。

    「ティーンエイジ・サマー」。「僕」・梶井・大野・良・浩次・そしてリンは小中高12年間、同じ学校で過ごした仲間であります。大学進学した者、海外留学した者、リンのやうになぜか進学せずアルバイトする者など、高校卒業後は各方面に散つたのです。そんな彼らが、十代最後の夏を過ごさうと集まつたが...

    とまあ、過剰なほど十代に拘泥した作品たちです。正直のところ、好みかと聞かれると返答に窮するのでありますが、恐らく登場人物たちも、「終わらない夜」は自分たちが作り出した幻想であることに気付いてゐるのでせう。もがき傷付いても正直に生きたい、作者自身の十代への決別とも云へるのかも知れませんね。

    それぢやあ、また。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-502.html

  • 読んでいて、清々しい一冊。


    今でいうリア充な彼ら。彼らと同世代のころ、わたしの目には、悩みもなく、刹那的に生きている彼らの姿しか映っていなかった。それが羨ましくもあり、無責任だとも勝手に思っていた様に思う。

    でもこの本に出会ってからは、それは間違いだったと思えるのだ。

    彼らとて日々に違和感を感じながら、でも毎日を悲観的に過ごさずに済むように、エネルギーを煌めかせる術を持っていたのだろう。

    この本には、惚れた腫れたの恋愛話もなければアツい友情話もない。あるのは、淡々と続く日常と、少しばかりの距離感だ。何が起こっても、深刻味のないまま、場面は進む。それを、くだらないと一蹴するのは勿体ない。

    ここにあるのは、違和感だらけの世の中で、どう自分自身を引き上げ、沈み込まないように生き続けるか、もがきながらも時の流れに押されてゆく若者たちの姿だ。その姿からは、世代や年齢は関係なく、心を顧みるきっかけを読み取れると思う。

  • 100311/速/完/現代文学
    十代のころに読みたかった。21で読むべき本を。

  • 帰省して読む本がないので、学生時代に読んだ本を読み返そうと思い手に取った一冊。

    バブルを感じさせる文体だなあとか(固有名詞の多様なんかは特に)思うところはいろいろあるんだけど、20になる前の少年たちのピュアさを、異性である著者がここまで純度が高い形で文章化したということに、やはり高い作家としての力量を僕は感じる。

    何故36歳という若さで自殺してしまったのか、原因はよくわからない。僕としては、彼女の作品が長く読まれ続けてほしいと願うばかりである。

  • 表紙裏
    終わりかけた僕らの十代最後の夏。愛すべき季節に別れの挨拶をつげ、駆けぬけてゆく少年たちの、愛のきらめき。透明なかげり。ピュアでせつない青春の断片をリリカルに描き、圧倒的な支持をうけた永遠のベストセラー。待望の文庫化。

    目次
    少年たちの終わらない夜
    誰かアイダを探して
    ユーロビートじゃ踊れない
    ティーンエイジ・サマー

  • ハタチを迎える直前の少年たち。大人から見たら不良に見える彼らが、その刹那的な時間に気付いた戸惑いや苛立ちを描く短篇集。
    分かるような分からないような彼らの道理。大人である(一応)私が反発を覚えるそれこそが、青春の証しなのかもしれない。文章の運びがちょっとぎこちないというか拙いのが気になった。これって題材ゆえにこうなのかしらん。

  • 高校生の時に出会った鷺沢 萠さんの作品の中でも一番大切な本。当時都内の私立高に通っていた私が憧れた「クールでカッコいい他校の子たちの」世界がここにありました。

  • 高校生の頃読んだ。
    田舎のおとなしい子供だったわたしには、
    よく分からないけど、こういう世界もあるのかと、
    心に砂漠を感じた作品。

    読むなら十代。
    二十歳を超えたら読まなくてもいい。

  • 青春時代を謳歌する人に気付いてほしい話なのに、
    10代の人が読んでも、
    多分、内容の時代錯誤と文章の受け入れの難しさで、
    素通りされちゃうんだろうなぁ。
    もったいない。
    戻れる事なら、戻りたいよね。

  • わたしにはよくわからない世界。
    文章はとても美しいです。

  • あの頃キラキラして見えた景色は今はもう霞んでいる、そしてあの頃見えなかった危うさだけが残った。何回読んでも考え込むことになる本。

  • これまた切ない。
    あの時代。
    バブルだったとかの一言では片付けてほしくないけど・・・。

    鷺沢さんは当時、高校生で文学界の新人賞を受賞したり、私の中ではひそかにあこがれの人だった。同じ大学に行ったのも、多少影響がある。
    今だったら、彼女の出自とかもっと普通に語ることができたんだろうけど、時代がやっぱり違ったんだなと思う。
    彼女の本の話は就職活動でも、面接官としたこともある。
    自分の思い出の中では大切な本のひとつ。

    あの頃があって、今がある。世の中も自分も。

  • この頃の鷺沢さん作品は好きなものが多いのですが……ううん、なんとなくいつもと違い、主人公が好きになれなくて、読みかけのまま放置しています……その内また挑戦したい。
    (追記)
    挑戦しました。いや、面白かった。冒頭で止めちゃってたのですが、読み始めるといつもの鷺沢ワールドですね。文章上手いなあ〜。

  • あの時代を生きる男女

  • 2010年5月16日購入。

  • 若い頃に読んだ。懐かしい本

  • ―今度はさ。
    ―なに?
    ―今度は、アイダが僕の言うこときかなくちゃいけないんだぜ。
    ―トンボ返りは無理だわ。
    ―そうじゃないよ。
    ―じゃあ何?
    ―道路の真ん中で、キスしよう。


    「ふりじゃなく、楽しかった?」

    (誰かアイダを探して/ユーロビートじゃ踊れない/ティーンエイジ・サマー併録)

  • なつかしい。。。
    エッセイやTVからは、非常に繊細で不安定な印象を受けていたので、亡くなってしまったときは驚きとやっぱりという気持ちが交錯した。
    小説に良くある若い人の会話は、無理やり乱雑さや幼さを目立たせてあったり、若い人はこうしゃべるんだろうという感じで用いられている言葉遣いが既に終わっているものだったり、いかにも作ってます感があったのに比べると、この人の高校生や大学生の会話はそのまま普段自分が話したり聞いたりするのと全く同じだった。どの話のどのシーンもきらきらしていて、当時ものすごく好きだった。

  • アイダが好きでした。

  • このあおくさーい感じは嫌いじゃないな

  • -そうだね、アイダ。二十歳になったら、何をやってもフツウのことになっちゃうよ-

    鷺沢萌の小説は「リリカル」で美しい詩を詠んでいるような気分になる。ハタチ前の甘美な不安と焦燥。心のざわめきを鎮めたくて、都心から離れて、誰もいない、夜中の駒沢公園の階段に腰掛けていた。バブル世代、地上から5センチ浮いたところを"泳いで"いる「スタイリッシュ・キッズ」=60年代後半の東京生まれ(育ち)のキブンそのもの。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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