スタイリッシュ・キッズ (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 254
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403922

感想・レビュー・書評

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  • 理恵の考えが,凡人な私にはわかりませんでした。
    大人には大人なりの,子供にはできない楽しみ方もあるのでは?と思うけど、頑固なのかな。
    見据えて見据えて見据えてのことなのか。
    見据えることができても、やりまくってしまうのか。
    つまらん~
    カッコ良くない。
    久志はかっこいい気がするよ。
    スタイリッシュなのは君らの親だと思う。

  • 何度めかのスタイリッシュ・キッズ。しかも久しぶり。10年ぶりくらいかも。30代後半になっても鷺沢萠の世界はいい。読み返すたびに違う気持ちで読める。この頃のカッコいい作品を書いていた頃(「在日」を題材にする前)から、鷺沢萠はそのときの自分と向き合っててらいなく書いていたんだなあ、とこれは今回初めて感じたこと。
    「何をチャラチャラした薄っぺらいすねかじりの子どもたちの話をたいそうなことのように書いてるんだ」と思う大人はいただろうな。でも、そう思われることを恐れていない。当時の彼女の年齢に相応の閉塞感や将来への不安を嘘つかず、カッコつけず作品のなかに投影しているような気がするんだよね。
    1980年代後半の東京、城南地区の恵まれた子どもたち。カフェバーに出入りし、親から与えられた車を乗り回しているような。でも、彼氏・彼女の連絡は家の電話という時代の話。主人公の久志(チャコ)と理恵カップルはスタイリッシュを自認しながら20歳前後の日々を過ごしている。でも、やがて気楽な大学生活の終わりが迫ってきている。二人はともにスタイリッシュであろうとしながらも、理恵はこのままでいようとしてこれ以上大人になることを避けようとしている。久志は(はっきりとは書かれていないけれど)先へ進むことを当然のことと許容している。
    うがった見方かもしれないけど、これって男女の違いかなと思った。男である久志は、持ち前の器用さを活かし、バブル前後あるいはまっただ中の空気にうまく乗って、楽々と社会人になるだろう。商事会社か広告代理店にでも入るんじゃないかな。つまり、この先も、自分のほぼ思うままに世のなかを渡っていける見通しがある。それに対して、男女雇用機会均等法が施行されているとはいえ、当時の女子たちにとって、社会人になるってことは、希望のない世界へ行くようなものでは。キャリア志向ならまだしも、理恵のような、バリキャリ志向でもなくお立ち台で踊るタイプでもない人にとっては、生きにくくなることが目に見えていたのではないだろうか。見えていなくても、十分恐れるに足るものだったのでは。
    でも、彼らがスタイリッシュなのは、彼らが思っていた、埠頭に車を止めてシャンパンとケーキでクリスマスを祝うようなことじゃない。限りのある時間のなかにいたことだと思う。だから、スタイリッシュであることを自認しているのは、本当はカッコいいことじゃないんだ。広い海に出て思い通りにいかずカッコ悪い自分を自覚したとき、周りの人がスタイリッシュだと見てくれることがスタイリッシュなんじゃないの。
    ただ、それでも二人は、こういう気楽な学生時代が終わる、その流れに逆らえないことを知っている。それもまた時代の空気かなという気がする。当時の空気というよりは、高度成長期からずっと続いてきたもの。仕事をすればつらいことも理不尽なこともあるけど、だんだん年収は上がり、車を持ち、家を買い……というのが一般的だった時代の話。いまは、社会がそんなこと約束できない。だから、大人になろうとしない人を許容してしまい、子どものような成人がはびこる時代になってるわけだ。リア充の彼らがスタイリッシュでないのは、満足しているからであり、終わりのない世界にいるからだ

  • 前半より後半の方がずっと短い。

    まさに、そう思う。

  • 紡たくの漫画を彷彿とさせる雰囲気。
    子どもで、かっこよくて、
    そんな毎日が好きなのに、大人になることを強いられる大学生の不安、葛藤。若いなーーー!
    最初の成長は女の子の方が早いのに、
    女子でいたいと願うのは今の時代でもそう。チクチクする。

  • 2012年8月7日購入。

  • こんな青春、あるんだー!と ただただ、驚き。

    都心の富裕層の若者たちの姿がまぶしい。ドラマでも出てこないくらい。バブルの頃なんだね。時代に守られて、不安という天井はない感じ。中からエネルギーが湧き出てくる感じ。

    私なんかはバブルを享受していない世代だけど、その時代を経験した人たちにとっては今なんてやるせなく感じてしまうのかな。

    今読んでもこんなに新鮮なんだから、あと50年後に読まれていたら、ほんとに貴重な資料みたくなっちゃいそう。

    大人になるってどういうことなんだろう。守られている中で無茶出来る19、20、21歳のチャコと理恵。それを過ぎれば、今度は守る立場になる。自分もそうなることへの抵抗感。

    私もちょっと共感できる。考えるだけで憂うつだったのは、仕事をすることの「大変さ」みたいなものが、世間でネタになって消費されていくみたいな雰囲気。働くということが、その「大変さ」のマーケットに足を踏み入れることのような気がしていた。そんな世界が嫌だなというか、面倒くさいなと思ってたのかもしれないなぁ。

  • わたしが今の時期に読んで丁度良かったなあ……と思った本。高校生が読むにはつまらなすぎて、大人が読むには下らなすぎる。ダラダラしてる大学生に勧めたい本。でもあと五年も経ったら世界観が古すぎて、わたしぐらいの年代の人が読むのがギリギリなんじゃないだろうか……とも思う。

  • あのころはよかったよねえ。

  • バブルな時代ですね。ちょっと時代を感じますが、十分面白い。そもそも、高校生からケータイを持っている世代の子たちはこの感じを分かるのかな。って、バブル時代にまだ小学生?中学生くらいか、だった私も微妙なところではありますが。あの当時って、こういう感じだったのかな、というのはなんだかすごく、分かる。ここに出てくる彼らみたいな青春を私は送ってこなかったのだけれど、カッコいい、が一番、というのはいい。

  • なんか違和感がと思ったら、時代が違うんだよ。
    これを受け入れたら、私の昔を否定するんことになるんじゃないか。

    一番初めにこの本読んだら、鷺沢さんを嫌いになってたかも。
    いやぁな気分にしてくれるのは何故だ。

  • 2004.9.17〜9.21

  • タイトル通り、スタイリッシュな久志と理恵の物語。<BR>
    似合わないの分かってるけど、高校のとき、<BR>私も遊んでおけばよかったって思った(笑)<BR><BR>

    「何も忘れたくないの、あたし。全部ぜーんぶ、憶えてないの」<BR>
    「……」<BR>
    「憶えてたいの、チャコに言えば何でも叶うって思ってたこと」<BR>
    最後の理恵のセリフが、キラキラしてて、哀しい。

  • ちょっと理解不能でした。内容も忘れてました。年ですか?(汗)

  • 久志と理恵。若いカップルの出会いから別れまで。いつかは失わなければならないということに気づいてしまう。若さというせつなさ。

  • 爽やかな青春恋愛、しかし同時に切なさも漂っている。理恵は久志と付き合いながら、常に恋の終わりを意識している。若者の恋愛では、どんなに好きでも恋が終わることは宿命なのかもしれない。最終章、切ない気持ちでいっぱいになる。

  • 時代は違っていても、変わらないものはあると思いました。
    ちょうど私は今久志たちと同じくらいの年。
    バブルとかの問題はあまりないけれど、
    感じているものにあまり大差ないように思いました。
    それぞれの時代にそれぞれの悩みを抱えて、
    色々とちがう部分がおおいんだけれども、
    それでも基本的にはかわらないんだなぁ。
    どんな風にも、一生懸命若いなりに生きてて、
    そんなピュアできらきらとしたものは、
    どの時代にでもきっと誰もがが経験するものですね。
    微妙な少年の心とかちゃんと鷺沢さんは捕らえてるから、
    この本を読めばいつでもこの時代のことを
    思い出せるんだなぁと思います。
    だからこんなにも根強い人気を保ち続けてるのでしょうね。

  • 鷺沢さんの作品のなかでいちばん最初に読んだ本。 昔、鷺沢さんにお会いしたとき、作品読ませていただいてます、って言ったら、にっこり笑って「ありがとう。」って言ってくれて♪ 悲しいニュースを聞いたときショックでした。

  • 初、鷺沢作品。ラストの「あ〜、あの頃は良かったねってチャコと話したいよ」という台詞が切なくて好き

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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