天体議会―プラネット・ブルー (河出文庫 な 7-9 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1693
感想 : 140
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309404240

感想・レビュー・書評

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  • やっっっっっと読み終わった。
    最初から最後まで掴めなかった。文章が読みにくく、なぜか情景が入ってこなかった。
    けど、夜寝る前になんとなくぼやっと星の世界?に入るような気分で読み終えた。

    すごい古い本みたいで図書館でも書庫に入っており、懐かしの貸し出しカードを入れるところがついていた。

    天体観測が好きな銅貨と水蓮の話。

    長いことかかりすぎて2023の読み納めになってしまったし、そのまま2024の読み始めになった。やっと次の本に進める!次何読もうわくわく。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      nさん、こんばんは♪
      長野まゆみさん、私も少しだけ読みましたが
      独特だと思いました。
      でも、コアなファンもいるそうで‥‥
      嗜好は人それぞれな...
      nさん、こんばんは♪
      長野まゆみさん、私も少しだけ読みましたが
      独特だと思いました。
      でも、コアなファンもいるそうで‥‥
      嗜好は人それぞれなんで、スルッと入ってこない
      本もありますよね。
      だから尚更読書は楽しいと思えます。
      読みたい本も日々更新され増えるし‥‥(笑)
      2024/01/27
    • nさん
      本とコさんこんばんは♪
      やはり長野さんは独特な感じなんですね!
      自分にとっての「読みやすい」がわかるようになったところで、「読みにくい」もわ...
      本とコさんこんばんは♪
      やはり長野さんは独特な感じなんですね!
      自分にとっての「読みやすい」がわかるようになったところで、「読みにくい」もわかるようになり、成長した気分です!!笑

      私のどストライク本達がみんなにハマるわけではないように、それぞれに好きがあるんだなと思うと堪らない世界ですね!

      読みたい本が溢れてきて、また読書の沼にハマってしまいそうで、、、とても幸せです。笑
      2024/01/27
  • 「なんで、みんな南へ行くんだろう。」

  • あまりにも少年たちの関係が危うげで、途中何度も頁をめくる手を止めてしまった。

    銅貨は気づいていないが、恐らく誰よりも愛されているのが銅貨本人である。
    水蓮と藍生の間に漂う親密さも、元はといえば銅貨という存在に根ざしているのではないか。

    銅貨と水蓮の仲直りのシーンは、長野作品の中でも指折りの名場面だ。
    この先きっと、これを超える『仲直り』と出逢うことはないだろう。
    続く少年たちの糖菓の交換は、思わず見ているこちらが照れてしまう。

    今回は再読で、初読は中学生の頃だった。
    あのときは終わり方に寂しさを感じたものだったが、今はそうは思わない。
    ……それにしても藍生さんの不器用さと捻くれ具合には苦笑いをしてしまう。
    藍生さんもまだまだ子供ということだろう。

    • megmilk999さん
      仲直りのシーン、読み返してみます。
      仲直りのシーン、読み返してみます。
      2020/10/10
  • 90年代を彷彿とさせるジュブナイル小説
    90年代の花とゆめのマンガに
    どハマりした世代にささりそうな内容。

    背表紙には
    長野まゆみの星の王子さま
    と紹介されていましたが
    どちらかといえば
    銀河鉄道の夜に近いような印象。
    鉱物や天体観測に興味がある人にも
    オススメかも。

  • 天体会議(プラネット・ブルー)(河出文庫)(BUNGEI Collection)
    著作者:長野まゆみ
    発行者:河出書房新社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    天体と鉱石、自動人形と少年たちが紡ぐ、世にも美しい物語。

  • 久しぶりに長野さんの本。
    発売間近だった次に読む本との間をもってもらおうと読み始めた。理由は暑くて、薄い本だったから。

    休暇終わりの地下鉄の駅での朝から物語は語られ始める。
    銅貨は友人の水連を待っていたが、なかなか彼は現れない。
    やっとやって来た彼の片目には眼帯が付けられていた。
    理由は分からないが、朝起きると腫れあがっていたという。
    端正な水連の顔が見られないことを残念がりつつ、二人は混みあう学生群をのせた地下鉄から撤退して、さぼることにする。二人が向かったのは鉱石倶楽部という石やそれを愛でる道具を扱いつつ軽い食事ができる喫茶がいっしょになったお店だ。天体と鉱石に強い興味を持っている二人はこのお店の常連だった。
    店で朝食を頂こうとした二人はいつもの店番の大学生ではない人影に訝しむ。店番をしていたのは二人と同じ制服を着た少年だったからだ。少年は水連の眼帯を見て
    「石が入っている」
    という。まさかそんなもの入っていたら大変じゃないか!と言う水連と、治せるという少年を面白がる銅貨。やらせてみればいいという銅貨の言葉に、しぶしぶ水連は頷く。少年は果たして、手のひらに美しい碧色の石を水連の瞼から取り去って見せた。
    いったい少年は何者なのか、問い詰めようとすると少年は風のように去っていってしまう。
    青いインクと製図ペンで書かれた天体観測の誘い状で行われる天体議会。海のそばの気象台での集まり。高速軌道(カプセル)の信号燈(シグナル)の青ばかりを壊される事件。銅貨の兄との距離、水連と兄との関係性への嫉妬。水連との関係性の濃淡に、自分の心持も揺れる。銅貨の兄藍生のなかの父への渇望と反抗心。そして弟への接し方をうまくできない苛立ち。少子化のために作られた家族の形が故に血の繋がりをもたない兄弟である銅貨と碧生のお互いを大切にしたいし、されたいという感情の幼さとやさしさ。水連の銅貨へのまるで憧れのような友情。銅貨のもつ劣等感さえ、水連は良しとしているように思う。銅貨というものがあるがまま好ましいような。二人の割れた花瓶を大切に繕い続ける関係。お祭りの夜の、変わり玉の交換。幾度も現れては消える少年。南にいる父と、その場所へ思いを馳せる。そして雪の早朝、兄との会話。万華鏡へこめた祈り。
    少年たちの不思議な邂逅と別れの物語。

    長野さんの描く少年しかいない世界は不思議とくっきりと存在する。そこに置かれている様々な印象的で美しいものたちに囲まれて、うつくしい少年たちは生きている。たくさんのルビをふられた文章なのにとても読みやすい。純文学にくくられるのか、幻想小説に分類されるのか、それなのに夢見心地ではないお話。起こる様々な行事たちは全く身近ではないのに、目にその光景は眩しく浮かび上がった。灯された灯りのやわらかなオレンジと、その奥の深い深い藍の空。飛び立つ衛星の放つ光。見上げる天体のはるか遠い光。それらが鮮烈に網膜に映った。ぐいぐい読ませるお話ではないのに、読んでいると心地よくてついつい読んでしまう、そういう本だった。
    長野さんの書く少年たちの名前は、どこのいつという設定から解き放ってくれるし、少年と言い切られているのにどこか性別を失わせてしまう効果があるように感じた。

  • 面白かったです。
    水蓮と銅貨の関係性が好き。お互いをかけがえのない存在だと思っているけれど、べたべたし過ぎない。程よい距離感です。
    おそらく、代理母なのであろうタミーやバービィが当たり前の世界はディストピア感があってよいです。そして男の子しかいない。。
    少年(名前は最後まで出てこない)は本当にオートマータだったのかな。
    鷹彦も良いです。歌声聴いてみたい。
    当て字がすごく使われているけど、近未来のような、でもノスタルジックな世界観と、繰り広げられる微かな切なさが素敵な作品でした。

  • 「白鳥が天河を翔ける九月の第1月曜日、うんざりするほど暑い地下鉄の大混雑で夏の休暇が明けた。」(本文より)銅貨と水蓮という2人の少年を中心とした物語。
    長野まゆみさんの作風は独特ですが、こちらの小説は比較的マイルドで、長野さんファンでない方にも是非読んでみてもらいたいなと思います。銅貨の父親がいる「南」の描写が好きで、夏になるとふと読みたくなります。

  • 再読。煌びやかで儚くノスタルジックな世界観は日常からの逃避行にうってつけ。水蓮と銅貨の住む街に一度は迷い込んでみたくなる。二人は永遠に少年で、時と場所と名前を変えて著者の様々な作品の主人公なのだろう。時々割れる花瓶の欠片を修復しながら友情は続く。

  • 言葉がきらきら輝きながら溢れでては、ぽろぽろこぼれ落ちる。
    ひと粒ひと粒の言葉の音色が、色彩を自由自在に変えながら流れていく。

    言葉をもつことを許されたわたしたち。
    綺麗な言葉に心が震える。
    その余韻がわたしを抱きしめて離さない。

    少年たちの友情と絡み合う想い。
    鉱石倶楽部のノスタルジックな空気感。
    ひみつを共有するかのような天体議会。。。

    少年たちの短く儚い時間に幻想的で魅惑的な彩りを添えているのは天体と鉱石。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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