テレヴィジョン・シティ〈上〉 (河出文庫文芸コレクション)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1179
レビュー : 140
  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309404790

感想・レビュー・書評

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  • 2012.5.20.sun

    【経路】
    本会でNさんに借りて。

    【感想】
    「少年アリス」以来の長野まゆみさん。異空間との交響を描く作品世界は心地良い。そして、狭い世界での少年期の感性ー自意識、純朴、気高さ、独占欲、憧憬が「〈クロス〉しよう」に繋がるのが素敵。

    【冒頭】
    ぼくは、テレヴィジョンを見ている。

    【内容メモ】
    ●人物
    ・アナナス、カナリア
    ・イーイー、ヴィオラ、ロビン
    ・ヘルパー、ルゥシーおばさん、ピパ
    ・ママ・ダリア、パパ・ノエル
    ・シルル、ジャスミン
    ・ジロ
    ●世界観
    ・血縁のない〈家族〉の絆の刷り込み
    ・暗号
    ・映像、音声、文字の独立
    ・サービス=体に送り込まれる映像
    ・クロス=思いの交錯。かたちでないからこそ残る。
    ・ビル自体が身体?ドームは臓器でダクトは血管?
    ・脱出の概念。垂直移動、ロケット
    ・水平移動、サーキュレ

    ■テレヴィジョン・シティ
    ■夏休み〈家族〉旅行
    ■ママとパパとぼくたち
    ■五日間の憂鬱

  • 理由とかどうしてかとか喩える言葉がないくらい純粋に好き。切ない読後感を味わいたい為に読み返したくなる一冊。

  • 再………読。何度読んでも面白いです。相変わらず謎は解けないままですが。
    緩やかに日常が崩壊していく不安感がまた。いつもどうにかハッピーエンドになりますようにと、ありえないコトを願わずにはいられない。……本当に、ありえないのだけれど。 久々にじっくりあとがきを読んで、上巻にこれはネタバレばっかじゃん……って、いいのと今更。下巻で読みたい内容ではありました。

  • 10年くらい前にすっごく好きで、突然思い出したので久しぶりに読んでみたら、相変わらずすっごく良かった。
    何かしらこの作品の幻想性。どこまでもただ無機質なまでの、楽園。
    その中で暮らす、心を持った少年たち。
    彼等の関係や葛藤や感情や。
    何もかもが素晴らしい。
    長野まゆみの描写ってどこまでも独特で美しくて、この作品にも彼女だけの文章がふんだんに詰め込まれている。
    初期のころ大好きだったんだけど、どんどん男の子同士の恋愛の話みたいになって、読まなくなってしまった。
    でもでも、このテレヴィジョンシティだけはやっぱり何度読んでも面白い。夢中になって、読み切ってしまう。
    特に夏の日差しにじりじりやられながら、青い楽園を思って読むと更に素敵。
    どの子にも、幸せになって欲しいんだ。

  • 独特の世界にぐいぐい惹き込まれます。
    長野さんにしか生み出せないであろう登場人物たち、舞台装置や小道具の数々がたまらなく魅力的!
    内容は…難解というか、謎が謎を呼ぶ雰囲気。遠いような近いような、やさしいようなかなしいような、イーイーとアナナスの関係がなんだか切ないです。

  • 目を閉じた瞬間、なくなってしまいそうなほど不安定なんだけれど、もう二度と、お互いの手を離せなくなるほどかけがえのない。そんな二人に切なくなります…!

  • 面白いです。長野まゆみさんの作品で上下巻とは…読みごたえがあります。
    〈環の星〉にあるビルディング、窓はテレヴィジョンを映し、A号区からP号区まで1000階以上あるビルディングを〈生徒〉たちはサーキュレで走る。。好きな世界です。
    主人公のアナナスが、同室のイーイーや、友人?のシルルから「覚えていないんだね」とよく言われるので、何も分からない彼と一緒で、掴めそうで掴めないお話です。少年たちも、たくさん居るようで、でもこの3人とジロしか出てこない。
    生きている感じが稀薄な少年たちと、硬質なビルディング…少年たちに認識番号が付いているのも何かぞわぞわしたものを感じます。
    そして仄かな諦念と、終わりの予感。
    先が読めないです。続きも読みます。

  • *再読*

    私が長野まゆみ作品にハマるきっかけになったのが、この『テレヴィジョン・シティ』でした。読んでいた当時、美しく繊細な海の描写と、それを眺める少年たち。全貌が掴めないビルディングの内部。数字と記号の入り混じった暗号。それらのすべてが私には新鮮で、魅力的でした。

    『テレヴィジョン・シティ』を読んでから、私の物に対する考え方や趣味嗜好が一変したと言っても過言ではありません…。なので、『テレヴィジョン・シティ』は、私が今まで読んできた本のなかでも特別な作品です。

    改めて読み、初めて読んだ時とはまた違った印象を受けました。
    それでも、イーイーは本当に魅力的な少年だなぁ…。以前読んだ時にも彼の言動や動作、美しい菫色の睛、細長くて白い手脚には、とても惹かれていたことを思い出しました。

    文庫版にしか収録されていない長野まゆみ先生のあとがき(インタビュー)を読みたくて、今回は文庫版で読みましたが、……これは、下巻を読んでいない人に対したらネタバレを大いに含むし、何のことを話しているのかもわからないだろうしで…下巻も読み終わってから、読むべきですね……。

    本編の感想は下巻の方に書きます。

  • こんなのを嬉々と読む人の顔を見てみたいと思いながら、時々読み返す一冊。

  • 10数年前から何度もチャレンジしつつもどうも数ページも読めずにいた作品。

    長野まゆみ作品の中でも合う合わないは当然あるが、その中でも読みづらい部類だった。

    ここは我慢して読むべきだろう、と読み始めたら面白かったんだなこれが。

    こういう作品は他にもいくつかあり、
    忍耐で読みやっぱりしょうもなかったとか、合わなかったというものの方が多いが、その分途端面白くなるものには傑作が多い。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)
東京都生まれ。一九八八年『少年アリス』で文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞。

「2019年 『掌篇歳時記 秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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