白磁の人 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309405018

感想・レビュー・書評

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  • 薩摩焼の十五代沈壽官氏が心の拠り所としている本だと何かに書かれていたのを読んで気になっていた本。
    読み終えてしばらくした今 思い起こしても、心を濯がれるような心地がする。
    朝鮮白磁をゆっくりめでたいと思う。

  • 朝鮮の土になった日本人として知る人ぞ知る浅川兄弟の、弟のほうの巧さんの生涯を小説にまとめたもの。
    近年映画化されたらしいけど、それにしても日本で浅川巧の知名度はあまりに低い。日韓の溝が深まっている今こそ、国家単位のデカい話はとりあえず置いといて、人間同士として日本人と韓国人が互いの人格や文化を尊敬し合えた巧さんの実話をみんなが知ることができればいいのに。
    小説としては、短く平易で誰にでも読みやすいと思うけど、ちょっとたどたどしかったかな。若年層向けの伝記小説という感じ。浅川巧を知る入門書としては最適だと思うけど、彼の遺したものや当時の日韓関係や朝鮮文化をちゃんと知るためには小説以外の文献の参照が必要そうだと思った。(児島)

  • 浅川巧、浅川伯教兄弟の仕事と人となりへの入門書としては適当でしょうね。しかし、あくまでも小説であり、それを理解したうえで読むべきでしょう。

  • 日韓関係史上になお影をおとすあの時代に、朝鮮の人々に愛された日本人、浅川巧。第41回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。国の垣根を越え、愛を持って暮らしていた人の話し。韓国、ソウル在住の人間にとっては不に落ちないところもあったが、概ねソウルに住む人々を良くとらえてると。再読無し。

  •  小説としては残念な出来だ。少年少女向けの偉人伝のようなつくりになっている。手軽に浅川巧のことを知るには勝手のいい本だが、浅川伯教・巧兄弟の生涯にじっくりと触れたい向きには『朝鮮の土となった日本人——浅川巧の生涯』を薦めたい。
     兄の伯教と弟の巧を青磁と白磁とで形容する一文は気に入った。「青磁の気位の高い美しさと、白磁の飾り気のない温かさは対照的です。兄の伯教さんは、ちょうと青磁のように生き、弟の巧さんは、まるで白磁のように生きました」。そして、もう一文。「青磁にはね、気品があるでしょう。愛情を持って見る側に近付いてきます。まるで女性のように。気品があって美しいのでこちらも大切に扱おうとします。それに対して白磁は、静かでおおらかで自己主張をしない。見る側に決して負担を感じさせません。白磁を見ていると、まるで大切な友だちに会えたような気持ちになれます」

  • あの時代に朝鮮人からこんなに慕われた人がいたなんて知らなかった。

  • 小説ではなくノンフィクションで読みたかった。
    なんで小説という手法を選択したのだろう。あとがきを読む限り、最初から小説でとしか考えてなかったようにも取れるけれど。

    「差別の源流」のようなものへの関心もあるし、半島史ももっとと思う。
    でもこの本を読むと、まあいいじゃないか、という気にもなる。
    でも、ついこの間まで韓流だなんだと大騒ぎしていたのに、こんなに仲をこじらせてしまって…。なんだか舌打ちしたいような気分だ。

  • 山梨生まれで植民地化の朝鮮に渡り、朝鮮白磁に見入られ、その魅力の伝道に努めるとともに、仕事では林業試験場に勤め、露天埋蔵法を生み出すなど朝鮮を愛し、朝鮮に貢献した浅川巧の伝記。
    以前、同じ著者が書いた『朝鮮を愛し、朝鮮に愛された日本人』を読んだときにも思ったのだが、どうも「そのとき、巧は○○と思った」的な一挙手一投足にまで及ぶ書きぶりが、かえって創作っぽさを表しているようでいまいちなじめない。確かに浅川巧は市井に生きた立派な人だと思うけれど、あまりにも聖人然と書かれているために、ややシラけてしまう。
    とはいえ、その虚飾感はあっても、巧が分け隔てのないまっすぐにものを見る人だったことは確かなよう。書中でも触れているし、他書でも目にしたことがあるが、「民芸」の祖として朝鮮白磁の再評価にも貢献したとされる柳宗理が白磁を「悲哀の美」とし、朝鮮民族を「悲哀に満ちた民族である」としたのに対し、巧や兄はうなずけず、朝鮮の人々は根っから楽観的だと感じた。自分が立派だというわけじゃないけど、まったくの同感だ。
    「白磁の人」という書名だけど、読んでみると、巧は林業の発展や朝鮮の地の緑の保全にもけっこうな貢献をしている感じがしたのだが、その方面での評価はどうなんだろう。

  • 本書は,「外国から愛された人々」として,日本のシンドラーと呼ばれる杉原千畝と共に,中学校の教科書に取り上げられている浅川巧の短かった人生を,小説にまとめ上げたものです。浅川巧は,1914年朝鮮半島に渡って林業技師として山林の緑化運動を展開する傍ら,民衆の暮らしの中で使われている膳の収集や研究に打ち込むなど,近代化とともに忘れられていく民芸品の美しさを発見し,韓国の民芸運動に計り知れない影響を及ぼした人物です。

    *推薦者 (国教)K.C.
    *所蔵情報
    http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00360599&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • あの時代に韓国と日本を繋いだ浅川巧。その心がこれからも二つの国に生きていきますように。

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著者プロフィール

作家

「2014年 『明治維新を創った男 山縣大貮伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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