魚のように (河出文庫 な 18-1 BUNGEI Collection)
- 河出書房新社 (1997年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309405131
感想・レビュー・書評
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夜明けに、川沿いの道で、ビニール袋に入った梅の木を、おじいちゃんに売りつけるところは最高です。
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先日、『こんこんさま』(旧題『稲荷の家』)を読んでもう一冊読みたくなり、購入。
現在、中古品しか出てない模様。
初期の作品、という感じがすごくした。
「魚のように」では、美しく残酷な姉を見つめる弟の視点が。
「花盗人」では、鬱病で家族の注目を集める姉を見つめる妹の視点が。上手い。
私は長女なので、父母以外に自分より上の者をどう見るかという感覚には疎い。
ある時は敬うべき先駆者として、ある時は駄目出しをしてしまえるような気安さを持って接することの出来る姉という存在は、不思議だ。
「魚のように」で描かれる、鏡としての弟の存在は面白い。
姉が出奔し行方不明となって、家族が家族というカタチを保てなくなる所から話は始まる。
そんなカタチから逃避を試みる弟は、薄暗い道を姉との記憶を伴って辿り出す。
映すもののいなくなった鏡が行き着く先は一体どこにあるのか、考えさせられるラストシーンであった。 -
繊細な表現が際立つ。
メレンゲの「水槽」という曲の世界観。 -
あとがきがすごく印象に残っている作品。
作者とは少ししか年が違わなくて、
その時の自分にはなんだか
同じ思いを持っているような気がしたから。 -
高校の頃、「お姉ちゃん」のようになりたかった。
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高校の頃、「お姉ちゃん」のようになりたかった。