ボディ・レンタル (河出文庫 文藝コレクション)

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  • 河出書房新社 (1999年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784309405766

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

身体をテーマにした物語が描かれており、主人公は自らの身体を商品として扱う女性です。彼女は大学生活を送りながら、周囲の人々との関係や自らの存在を模索し、夜の東京での非現実的な経験を通じて成長していきます...

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は、二十歳の東大生マヤ。副業は銀座のホステス。
    ボディ・レンタルと書いた名刺を渡し、男性に身体を貸し出す。
    デリヘルというか、イメクラというか。


    マヤは心と身体を引き離そうとして、ボディ・レンタルを始める。
    同じ大学で印度哲学を専攻してる、「野獣くん」という青年と出会う。

    方法は違っても、執着という呪縛から逃れようとする2人。
    マヤは、愛や性という幻想を壊すことで。
    野獣くんは、頑丈な身体を生死の際に追いやることで。
    そして、2人とも他人を愛さないことで。

    …………

    マヤはボディ・レンタルで幻想を壊し続ける。
    しかし、何らかへの執着を捨てきれない。
    結局、愛に頼らずには生きられない。
    それが、単なる妄想の押し付けに過ぎないと解っていても。

    そして、野獣くんにライバル心を募らせる。
    (彼は、すでに呪縛から脱がれることが出来たのかもしれない)
    夢の中で、彼を罵倒しつつ、その答えが聞けるかもと期待する。

    …………

    ある日、雪降る山中にマヤと野獣くんは旅行することに。
    マヤは旅行中、ついに野獣くんを責め始め、口論になる。
    そこで、野獣くんはマヤの本心を言い当てる。

    マヤは、なぜ幻想を否定するのか。
    それは、自分を愛し、他人を愛せないことを恥じているから。
    だからこそ、愛という幻想を否定し、純粋さも否定したい。
    その純粋さにしがみつく自分の幻想を、ボディ・レンタルで壊したい。
    幻想にしがみつき、押し付てくる人々を横で見ながら……。

    誰だって、愛にしがみつく。
    相手に愛されていない可能性を知りながら。
    行為が成立しても、愛の確認にはならない。
    それでも、愛情の証であると信じる。
    自分の執着が妄執に見えてくると、情けなく思えてくる。
    その愛が終われば、自分がなくなってしまう不安すら感じる。
    しかし、愛を全て否定しまうのは、より辛いことなのだ。

    マヤは、彼の優しさを壊すために服を脱いで挑発する。
    試された野獣くんは、明かりを消して、マヤを強く抱きすくめる。
    その後、何もせず雪山へと消えてゆく。

    たとえ、野獣くんがマヤを愛したとしても、表面的には自然なことだった。
    しかし、マヤに自分の幻想を押し付けることは出来なかった。
    世間の人々が救われる方法では、2人とも救われないと解っていたから。

    という話だったはずです(汗

  • ボディスーツとか乱交パーティーとか、まともな大学生活を送っている人間には御伽噺も同然の世界を平然と生きる主人公、しかも私小説的な文学の執筆作業を媒体に周囲に意見を募る強かさ?に、最後まで非現実感が否めず。
    言葉の端々に漂う西欧や印度哲学の思想といい肉体と痛みの実在がどうのという議論といい、果たして夜な夜な特殊な持論にしがみついて身を切り売りする「大学生」がこのような話をするだろうか?そう考えると、最後の夢想はそれまでの彼女にしては幼稚とさえ思ってしまった。読み物としては面白かったけど、主人公の感覚がやや道理に外れており一貫しないため特に深く考えようとは思わない。その幼稚さが「人間らしい」といえばそうなのだけど…。

  • 解説:陣野俊史、文藝賞優秀作

  • 東大の女学生が美人の医学生や純朴な野人風男子学生と学校生活送りつつ自分の体を好きにさせる商売(要するに高級売春)を行う。夜の東京や金持ちの奇妙な趣味に付き合い友人を失い娼婦としての自分に目覚めながら東京の空虚さに出会う物語。クールな文体がカッコいいが筋はあまりない。

  • 生々しく迫ってくるような小説だった。
    自分自身の幻想から逃れるために、心と体を切り離す実践をするけれど救われない、著者の体験が滲み出ていてつらかった。著者は大学で本の中のような友人に出会えたのだろうか。出会えていたら救いになったと思う。

  • 20歳の藤野は、自分の体を高額で金持ちにレンタルする普通の女子大生。
    物語は、本人と周りの友達との関係、レンタルした変態などの金持ちとのセックスを通して徐々に自分が砂漠のように枯れていく姿を描く。
    レンタル中は、本人の人間性は無くなり単なる空の容器と化す。レンタルした人がそれに満足するかどうかは別だけど。

    セックス描写は軽く藤野の精神状態もなんとなく流されていく感じで、友人たちとのエピソードなども興味深く読み進めた。

    作家の感性をそのまま描写したような一冊だった。

  • (2001.08.26読了)(1999.10.16購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    女子大生マヤは、リクエストに応じて身体をレンタルし、契約を結べば顧客まかせのモノになりきる。あらゆる妄想を呑み込む空っぽの容器になることを夢見る、彼女の禁断のファイルとは?…文芸賞優秀作となった話題作。

  • 謹んでご冥福をお祈りします。

    河出書房新社のPR
    「女子大生マヤは、リクエストに応じて身体をレンタルし、契約を結べば顧客まかせのモノになりきる。あらゆる妄想を呑み込む空っぽの容器になることを夢見る、彼女の禁断のファイルとは?…文芸賞優秀作となった話題作。 」

  • 予感はあったけど、それを狙って借りた訳じゃないけど・・・。
    売春婦の話だった。

    自分とは関係のない関わりのない話だから、興味本位で読み切った。

    人に薦める程の本では無かった。


    読む前に著者の写真を見てしまったから、余計に気持ち悪かった。

  • 何度読んでも飽きない。ペダンティックなところが好きです。
    淡々と性描写…と言えるのだろうか?と疑問に思ってしまうほど淡々と書かれています。それが逆に恐いわけで。
    作者が、ただ書きたかったから書いた、という感じがします。メッセージ性皆無と私は感じましたが、他の人はどうでしょうか。たぶん意見が割れると思います。
    私はこの方の出版された作品を全て読んでいます。
    この作品だけ、浮いていると感じていました。
    理由は、「花々の墓標」に載っています。

  • 08052

    04/10

    第33回文藝賞の作品賞に入った作品。

    当時流行っていた、いわゆる「J文学」のひとつでしょうか。

    心と体を切り離し、肉体はあくまでも男性へのレンタル商品と割りきって

    援交を繰り返す女子大生(ちなみに東大)の話。

    最近ありがちな解離性障害とも近いテーマだが、それほど深い掘り下げはなく

    オヤジ相手のヘンタイ性欲プレイの世界と

    帝国大学のご学友たちと過ごす優雅な日常を交互に配置、

    あくまで表面的な関わりあいに終始する。

    ま、ひたすら感情を薄くし、自分というものをなくしていこうというのが

    主人公のポリシーらしいので、これはこれでいいんだけど

    なぜにそんなに心と身体を切り離したいのか、

    納得いく説明があるとよかったかなー。いちいち説明するのもダサいか。

    ジメジメした日本人的な心情を嫌い「ドライな感性」ってやつに憧れるのは、

    逆にその人が十分ウェットであることを証明しちゃってるんじゃないかな?

  •  ボディ・レンタルと称して売春をする東大生の話。文芸賞を取ったってことらしいけど、なんだかなぁ。結構、Hそうだけどそうじゃない。多分、そういう部分を「知的」だと思わせたいんだろうけど、覚悟がないねってしか思えない。で、間にはさまれる観念的なことが、何青クサイこと言ってるんだ、ってしか思えない。まぁ、いわゆる「J文学」ってやつなんだろうけど、やっぱりこのジャンルって嫌い。

  • 「女子大生マヤは、リクエストに応じて身体をレンタルし、契約を結べば顧客まかせのモノになりきる。あらゆる妄想を呑み込む空っぽの容器になることを夢見る、彼女の禁断のファイルとは? 文芸賞優秀作となった話題作。」
    …という裏表紙の文句はまぁ大抵のレビューに引用されてるけど、確かにこの作品のうまい説明文なんだよね。

    私がひどくシンパシーを感じた本2冊のうちのひとつ。
    ちなみにもうひとつは島本理生の「シルエット」。
    (ぜんぜんベクトルが違うようだけど)

    要は厭世的な女子大生の売春の話。
    (金取ってんだから売春でしょう? 援交とのイメージの違いといえば彼女が、まぁ最高学府に通ってらっしゃることかしら)

    この作品の魅力といえばウィットに富んだテンポのよい文体。
    これが、ボディレンタル中では空虚さにさらに軽さをプラスし、友人達との日常生活には佐藤作品にしては意外なほどの明るさを感じさせる。

    この友人達というのがこれまたおもしろい。
    まるで漫画かなにかのキャラクターみたい。
    マヤの顧客も、全てあだ名で描写されるせいかどこかユーモラス。

    終わり方は少し救われない感じだけど、深さがある。
    タイトルや冒頭で引いてしまわないで、一度最後まで読んでみてもらいたい。

  • 筆者は大層学識のある方なのでしょう。
    残念ながら私には縁のない言葉も多く、知識不足が嘆かれます。
    同レベルの人が読めば、作中人物の会話は、ウィットに富んだ刺激の有るものと捉えられるのかもしれません。

    しかしながら、文学作品としては価値が見出せません。
    「自分も本というものを書いてみたく・・」程度の動機で書いてみたのでは??
    ひとつの小説としては、他人にお薦めできる作品ではありませんでした。

  • 未読

  • 衝撃的だった

  • 何度も何度も読んだ。繰り返し。

  • 文藝賞優秀作とかだっけ。いかにも「現代の病理」的で、話題になるのはなんとなくわかるけど・・なぜ?という答えがよくわからない。「それは読者に任せます」ということ?・・作者の考える「答え」はなんだったのか。消化不良ぎみです。

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