- 河出書房新社 (1999年5月1日発売)
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感想 : 43件
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784309405773
みんなの感想まとめ
母と娘の複雑な関係を描いたこの作品は、母の影響からの解放と再構築をテーマにしています。物語は「母の縮小」から始まり、主人公ヤツノが母の支配から逃れ、逆転を果たす過程を描いています。作者の独特な言葉選び...
感想・レビュー・書評
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笙野頼子の存在を知ったのは佐藤亜紀のHPからでした。
その直後に本屋で見かけた『金毘羅』>『水晶内制度』>『絶叫師タコグルメと百人の「普通」の男』と読み進めて、その流れで『説教師カニバットと百人の危ない美女』と『だいにっほん、おんたこめいわく史』を読むつもりだったんだけど、ついつい、ふらりと手に取ってしまったこの本。
「文庫で薄く」て「読み始めたらすいすい」読めてしまったからなんだけど、いやーまー…やっぱりすごいっ!笙野頼子!!文章は「すいすい」だけど書いてる内容はすさまじく深いっ!!なのに、この枚数で治まるなんてっ!ぎゃーはっはっはっはっ。
感想はもちろん◎!花丸つけちゃうぞ。
いやはや、笙野頼子の作品を読んでてつくづく思うのは、「大学のゼミでだったら、どう読んだだろう??」って事。なんでゼミで誰も取り上げなかったんだろ!?と思いつつ笙野頼子の経歴を見たら…ああああ、自分が学生の頃ってまだ笙野頼子はデビューはしていたけど、知られてはいなかったのね…。
特にこの『母の発達』は、ものすごくエキサイティングに読めちゃうような気がするなぁ。
おおいなる呪縛と化していた「母」を「縮小」し、解体再構成することによって「発達」させ「大回転音頭」する事で昇華してしまう…。
うー鮮やかだっ! -
母の縮小と大回転音頭の結末のところを読みあとは、はしょりました。こういう関係の母娘は世の中に実はよくいる。こういう妄想でもしないと生きていけなかったんだろうな。妄想の世界感の広げ方は作者のワールドで評価されているところなんだろうな。作者を画像で拝見すると想像どうりの方でした。世の中で虐げられたり抑圧されたりしながらも体裁を整えながら生きている人達の感じ方が少し理解できました。
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母親から医者になるよう半ば強制的に勉強を強いられていたヤツノは、受験を控えた頃から軽い鬱状態に陥り、登校拒否をし出す。そして強烈な頭痛を境に、母が縮んで見えるようになる。この作品は、その発端となる”母の縮小”、続編となる”母の発達”、”母の大回転音頭”の三編から構成されている。
物語らしい物語ではない。だが難解ではなく、読み進めていくと不気味な笑いがこみ上げてくる。その理由は関西弁のテンポや音の良さももちろんだが、言葉の選び方、造語の面白さがあると思う。作品の柱の一つとなる”お母さんの名前”がとても面白い。”母の大回転音頭”では「地獄のお母さん」、「ウニのお母さん」、「戦後派のお母さん」など様々なお母さんの名前を挙げていく。その名前や、名前から派生していくちょっとした物語も面白い。そういった言葉の面白さに加えて興味を引かれるのが、母と娘の関係である。母の支配下にあったヤツノが、”母の縮小”をきっかけに支配から逃れ、”母の発達”において逆転してしまうのである。逆転からさらに関係を修復していき、母への崇拝にまでいたってしまう”母の大回転音頭”。豪快でありながら暴走していくこと無く、見事にまとめ上げる手腕と世界観に驚く。 -
こんなにメチャクチャで最高な本はひさしぶりに読んだ。小説というのは元来ことばが物語を生むもので、書かれたことがそのまま虚構内の現実になるような、そういうものだけれども、それをあえてメタ的に示したようでとにかくたのしかった。
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連載途中のなにかを数度読んだ以来の笙野頼子、
世界観がくっきりで、
多少その世界に中って気持ち悪くなりながらも読みきりました。
愛憎を笑えるようになろう。 -
再読。「母の縮小」「母の発達」「母の大回転音頭」の母もの三本立て。「母」という素材ひとつでここまで遊べる(?)ものかと驚愕。縮小され、解体され、分裂し、増殖し、旅立ち、再構築される母。ここまでしないと「母」なるものと和解できなかった母娘の関係性のいびつさが前提にあるにせよ、このころの笙野頼子は、もっとも笑える笙野頼子で好きだなあ。
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現代文学の守護神。
作者の脳内が映像のように流れ込んできて気持ちが晴れ晴れとする。
最初は戸惑いを隠せずページが進まないが、すぐに癖になる。
もうこれは意味がわからない。それだのに読んでしまう。
三重LOVE! -
解説にあった通り凄い言葉の力でした、痛快!おもしろい!
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1999年出版。ほんのまくらフェアで購入。
解説を斎藤氏が書いていて、少なからずの女性たちにとって快感の伴う読書体験になったそうで、そうだろうなと素直に思える。好い本である。
<母の縮小>だけ読了した。ラストが感動的だときいたが、そこまでつきあってはいられない。
女のための本である。これを手にとるか検討している女性には、女性のレビューの方が参考になるだろう。以下はわたしの個人的な感想である。
「女」のための本である。母が娘を医者にしたくて、そうならない娘を認めず支配するという最初の設定からして、わたしにはとても付き合いきれない。出て行くだけだ。信田さよ子の本や文章を先に読んでいるので、なおのことである。学生時代に、母なるものについて学び、格闘し、一定の実際的な解決を得た今となっては他人事に過ぎない。他人に勧めるつもりもわかない。 -
殺しても母は死ななかった。「あ」のお母さんから「ん」のお母さんまで、分裂しながら増殖したーー空前絶後の言語的実験を駆使して母性の呪縛を、世界を解体する、史上無敵の爆笑お母さんホラー。純文学に未踏の領野を拓いた傑作。
紀伊国屋のほんのまくらフェアで冒頭だけ読んで購入。
「お母さん」の概念を根底からひっくり返すような。訳のわからない言葉遊びの羅列のような。ぶっ飛んでました。 -
あらすじのぶっ飛び方に惹かれて読み始めたが、一篇目の「母の縮小」は意外と普通だなぁ、なんて思いながら読み進めていたら、その後の怒涛の展開。なんだこれは…。徹底的な「お母さん」という語への執着を、これでもかというほど、暴力的に書きなぐる。途中でわけがわからなくなってきても、読む手を止めさせてくれない。結局読み終わってみてこれが何の小説だったかと言われると、私小説であり、言葉遊びでもあり、ただの落書きでもあり…。上手く結論をまとめてレビューしようとすると勢いが伝わらないので、読まないと分からない小説だ。
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想像してみてほしい。どんなに最愛の人、生涯の伴侶、来世も予約済み、であっても、ある日突然彼ないし彼女が小指の爪ほどの大きさになった挙句3万匹ほどに増殖したらどうだろうか。あるいは、一周約10メートルの顔面だけの存在となって、落語の小咄ばかりしゃべるようになったら。一瞬、かもしれないけれど、「きもちわるい」が過りはしなかっただろうか。
きっと、どこからどこまでを自分が彼ないし彼女と見なしていたのかという枠が徐々に浮き彫りになり、すなわち崩壊して、目の前の「物体」が一人歩きをはじめ、まったく別の感情が産まれるに違いない。こよなく愛する人でそうなのだ。では憎くて仕方ない人だったらどうなるか。逆に愛や法悦を感じるようになるのだろうか。
これはだいたいそんな小説だ。おそらく十年に一度の…というか十年に一度くらいしか出てほしくない。すさまじいスピードで繰り出される、マシンガン妄想。幻覚の64連射。そして、ジャンルはたぶんギャグだ。 -
感覚が狂う。怖い。
著者プロフィール
笙野頼子の作品
