チョコレート革命 (河出文庫 た 1-6 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
3.65
  • (27)
  • (31)
  • (73)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 332
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309405926

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 背伸びして買ったのは中学生のとき。久しぶりにページをめくって「大人になったなぁ」と感じた。歳かしら

  • 愛読書。
    何度も何度も繰り返し読んでる歌集です。

  • 艶っぽくて色っぽくて、素敵。

  • 泣く。
    恋の詩もなんでもなぃような詩も。
    切ない。

  • 高校生の時に読んだので、25年ぶりくらい。 
    当時、「よくわからないけど大人になったらわかるだろう」と思った気がするが、自分が成長していないということか、今読んでもわかるようなわからないような。本作は俵万智が28歳から34歳までの短歌ということで、いつの間にか年齢だけは追い越していたのだが。
    表題歌「男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす」は初読時からとても印象的で、仕事のやりとりに際してもふと「大人の返事しやがって」とこの歌を思い出すことがある。全体的に、この歌集に登場する男というのはこの表題歌のように「大人の返事」をする人で、女性側は大いに悩んで一喜一憂、愛人VS妻の様相を呈したりしている雰囲気もあるのだが、一方で男性の影の薄さは、なんだかのれんに腕押しというか、まるで女性のひとりずもうのように思えてきてしまう。「一枚の膜(以下略)」の歌も印象的だが、やはり男性は、女性側に比べると、割り切った付き合いをしているようにも感じる。
    俵万智はあとがきで友人からの「会いたいときに会えないような恋はやめろ」という忠告に反論していたが、私もやはり「こんな男はやめろ」という気持ちになってしまった。

  • 音楽界のユーミン、短歌界の俵万智。新時代のパイオニア。

  • 第三歌集。前作よりも完成された印象。手探りな感じが抜け、自分の文体が確立された感じがする。
    特に山田かまちに捧げられた歌は彼女の見つめるまなざしに感じる心が響きあひ、彼女の目に映る山田かまちそのひとの姿がみえてくる。
    同じ旅行でも、今回の歌集で見つめられたものの衝撃は一入である。同じものをみつめてゐるといふのに、彼女にしか表現できない歌ばかりである。
    おそらく選択にあたつては、かなり明確な意図が見える。歌集の題にあわせた歌の構成になつてゐる。それが前作とは違つた確固たるものを感じさせるのか。
    それだけではなく、おそらく、彼女の生に対する実感もあるのだらう。嘘や方便にチョコレート。感じる心の存在だけは誰にも偽れない。その確かさ。
    事実(できごと)ではなく真実(こころ)。嘘ではない。感じた心が在るといふこと。それを確かなものとして彼女は感じたのだ。いや、感じてゐたことに気づいたのだ。
    ことばの後ろに拡がるたくさんの心の動き。それを呼び起こすチョコレート革命。

  •  わたし元プロの写真屋(家)の経歴がある。風景をカメラで切り取ることに慣れているが、旅が素直に楽しめない思いを何度もした。そこで一日一ページ手帳をつかい旅の思い出づくりをしてみたり(旅先で手にした箸袋などをノートに張り付けて悦にいっていた)・・・さて、ここでもう一段階上を目指すべく、旅の思い出を歌にして読んで見たいと思い立つ。その切っ掛けになったのが歌人、斎藤斉藤の2015年12月18日「NHK/課外授業ようこそ先輩」をなにげに見たことであった。まずは短歌という知らない世界をこの本で堪能してみよう。

  • 学生時代に読んで以来しばらく縁遠かったのだけど、
    ふとしたことから再びこの本を手に取った。
    ページを開いてみて、びっくり。
    かつての自分がぐっときた歌と、
    今の自分がぐっとくる歌とが、全然違っていたからだ。
    (もちろん短歌だけじゃないのだけれど、)
    短歌ってことさら、読む側のその時の心の状態というか、
    置かれた状況によって感じ方が思い切り変わってくるから面白い。

    タイトルのもとになった歌が、また、イイ!

    「男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす」

    挑戦的で、好戦的で、強くて、でもどこまでも女で。
    したたかさとピュアさ、艶っぽさと可愛らしさ、
    そういう相反する要素を両方とも詰め込んだ、
    生々しいけれどどこまでも美しい歌だと思う。

    日常のなかに潜む、孤独や哲学、人生や想いなど、
    言葉にしようとすると難しいものを的確に描写している印象。
    現代短歌の美味しいことろをぎゅっと凝縮したらこんな感じになるのだろうなぁ。

  • チョコレートって、ただ甘いだけじゃない。
    苦くて、時には毒にもなる。
    それは、恋も一緒。

    許されぬ恋の歌がまるでドラマのワンシーンのように描かれています。
    それだけではなく、普段通り過ぎてしまうような日常の何気ない一コマを切り取って表現した作品もたくさん収められています。

    一瞬の出来事や感情を、こうした言葉に出来る感性は、俵さん独特のものでとても素敵だと思いました。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

俵万智の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×