- 本 ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309405940
感想・レビュー・書評
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大昔、知り合いに借りて読んでおもしろかった記憶はあった。だからこそ始祖鳥記とかも読んだ。古本で見かけて買って再読。いや、やっぱりオモロい。飯嶋和一の最高傑作はこれやと思う。もちろん異論は認めるけど。
そっちには進んでほしくない方に話が進むのはわかってるんやけど読むのを止められへんジレンマ。誰も望まない結末に向けて一直線に進むストーリー。いやはや、このどうしようもない昏さがたまらんのよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
17世紀初頭、北関東地方の一つの村が消えた。「サンリン」と呼ばれる聖なる場所で発見されたのは老人から赤子までの300余りの虐殺死体だった。誇り高き村民達の蜂起とそれにともなう一村皆伐。歴史の闇に葬られた忌まわしい大事件の記録。
なぜ彼らは蜂起し、そして惨たらしく殺されたのか、そこに至る過程が丹念に描かれている。新たに統治する側の論理に対して、苦しくとも適応しようとする者、従来までの論理に固執し誇りを保とうとする者…。その齟齬は疑心暗鬼を産み、悲劇の結末へと向かうことになる。
豊臣秀吉の天下統一と、その後の徳川家康による時代は概ね平和な時代(その後数十年は戦もあるのだが)というイメージがあったが、その陰には農民たちの苦難があったという事実を改めて突きつけられる。
重苦しく、やりきれない読後感の残る一冊。 -
バレンタインに、仕事でお世話になった人にチョコを贈ったら、「この本が良いのでぜひ!」とお返しに貰いました。
読み終えた後、「この本を薦める対象にしてもらえたのは光栄だ」と思うの半分、「これがホワイトデーのお返しってすごくないか!?」半分(笑)。
独自の体制で農民でありながら武士、という自治体制を保っていた集落が、封建制に呑み込まれる話…でいいのかな。
歴史モノではありますが、名の知れた武将とかは全然出てきません。だから、読み始めた時点でどういう展開になるのか予測ができない(結末はわかるんだけど)。登場人物たちが、全員必死で動き回っているのに、全部が裏目裏目の結果をもたらしていくのを、その先の予測や結末への覚悟もできないまま読み続けるしかない。その意味ですごく「怖い」作品です。 -
それなりに面白かったけど、ここで終るんかい!ってかんじ。
著者プロフィール
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