妻と私と三匹の犬たち (河出文庫 え 3-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309405988

感想・レビュー・書評

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  • 江藤淳氏の著書は読んだことなくて、きっと難しい本を書かれていた方だと思うのですが、この本を読んで、とっても身近に著者を感じることができました。
    著者のダーキィをはじめとする犬たちに対する態度や気持ち、犬とともに暮らした人生が、あたたかく微笑ましく、また哀しくもあり、私の心にじんわりと沁み入りました。
    犬たちが豊かにしてくれる生活、愛情あふれる楽しいくらし、でもそれだけじゃなくて、人よりもずっと早くに一生を終えてしまう犬とのくらしは、心を通い合わせてるからこそ余計に哀しくつらいものでしょう。
    著者はまた、奥様も亡くされます。その後、自身も命を断たれました。そういうことを含めてなのか、本全体に哀しみの気配というかそういうものがあふれているようです。でもそれは、ただ不幸な悲しみではなくて、むしろ人生を豊かにもする哀しみでもあるような気がします。大きな愛があるからこその哀しみ、のような。

    次また、この著者の奥様とのことを書かれた本を読んでみます。

  •  本書では江藤淳氏の愛犬家の一面が垣間見えとても親近感が湧きます。江藤家で飼われていた犬はどれもメスのコッカー・スパニエルです。奥様の描かれた愛犬の挿し絵、そして江藤さんが書く愛犬との生活、犬への想いで、御夫婦がワンコを溺愛していた様子が伺えます。巻末の姪の方のエッセイで奥様に先立たれた江藤さんが、愛するコッカー・スパニエルさえも手放すほどに徐々に気弱になっていく様子がせつなかったです。

著者プロフィール

江藤 淳(えとう・じゅん):文芸評論家。昭和7年12月‐平成11年7月。昭和31年、「夏目漱石」で評論家デビュー。32年、慶應大学文学部卒。37年、ロックフェラー財団研究員と してプリンストン大学留学。東工大教授、慶大教授などを歴任した。新潮社文学賞、菊池寛賞、日本芸術院賞、野間文芸賞など受賞多数。

「2024年 『なつかしい本の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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