マスードの戦い (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 80
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309406473

感想・レビュー・書評

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  •  昨年の後半に読んだ本の中では、この『マスードの戦い』と檀一雄の『檀流クッキング』がベスト2で面白かったです。
     これまた20代の後輩に、「モスクワオリンピックの時に西側諸国がボイコットして、柔道の山下泰裕が泣いてたの観たことあるでしょ?」と言ったら「山下って誰ですか?」などと・・・。いや俺もはっきりと記憶があるのはロス~ソウルぐらいからだけどさあ・・・山下すら知らんとは・・・モスコウ!モスコウ!真田一球!魔女っ子チックル!ガイキング!!

     というわけで『マスードの戦い』、もっともっと読まれて然るべき本だと思うんですが、ブクログで登録されてる方が意外と少ないのでお薦めしときます。
     もしかしたら2001~2年頃、同時多発テロ直後にけっこう読まれてたから最近は読む人が少ない、ってことなのかもしれません。ですが、最近よく報道されてるイスラム国のことや、先月オバマがアフガンでの戦闘任務終了宣言をしたことなど、今に至るまでずっとつながっていることですし、この本を読むとアフガン情勢については8割ぐらいわかるんじゃないのかな、という気がしています。のこりの2割、調べて補完してほしいのはサイクス・ピコ協定(三枚舌外交)まで遡ることと、あとイラン革命についてかなと。
     
     かくいう僕も、北部同盟についてはよく耳にしてたけどアフマド・シャー・マスードについては数年前まで知りませんでした。マスードについての映画が作られて欲しいんだけど、それは叶わないんでしょうね。『アルゴ』とかはアメリカだと評価されやすいけど。マスードのことを知ってから中東史がめちゃくちゃ面白くなりました。
     この長倉さんの『マスードの戦い』は、オーウェルの『カタロニア讃歌』、キャパの『ちょっとピンボケ』、開高健の『ベトナム戦記』などと並んで、もっと評価されて良いんじゃないかと思います。というのは、マスードに密着取材した本というのは殆どないんじゃないか、そしてその一次資料が日本人によって書かれているという点で非常に貴重だからです。
     マスードが生きていたら、現在のアフガンや中東情勢ももっと違ったものになっていたんじゃないかと思うと残念でなりません。

  • 这是写真集。「獅子よ眠れ」パンシールのライオン、当時のソ連、タリバ-ンに抵抗したアハマッド・シャー・スマードとその環境。78の写真が同じ地球で起きたほんの隣の日常の風景と思うと悲しくて恐ろしいです。at Kabul in Afghanistan.

  • 信念を貫いた人。
    人生の大半を闘いの中で過ごした彼が、どういう人であったのかが書かれている。
    私がこの本を手にとったのは、新聞で一枚の写真を見たからだった。
    長くアフガニスタンでマスードや戦士たちを撮った写真家長倉さんが、「どれか1枚と言われたら」と選んだ写真で、妙に印象に残って。
    本書203ページにも掲載されている。
    アフガニスタンが、彼が切望した自由で平和な国になることを祈りたい。

  • 若き獅子マスード。
    アフガニスタン統一を心から渇望し、その運動の指導者として全人生をかけて闘ったマスード将軍。
    厳しさの中に見せる優しさ、優しさの中に見せる厳しさ。
    その人間味を垣間見たが、それらを私たちに伝えてくれた長倉さんに感謝です。

  • アフガニスタンについて、いつか誰かに説明できるくらいになりたいなぁと思います。

  •  この男の風貌は強い何かを私に訴えかけてくる。どうしようもなく惹きつけられる風情がある。憂愁と知性とが均衡した表情でありながらもエレガントだ。旧ソ連軍が侵攻してきた時、この男は徹底抗戦し幾度となくソ連軍を退けてきた。「パンジシールの獅子」と呼ばれたこの男が、アフマド・シャー・マスードだ。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090913/p1" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090913/p1</a>

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著者プロフィール

1952年北海道釧路生まれ。写真家。同志社大学法学部卒、通信社勤務を経て1980年以降、フリーランス・フォトジャーナリストとして世界の紛争地を精力的に取材した。今日まで南洋から東南アジア、中東、シルクロードを踏破し、直近ではシベリアの少数民族ネネツなど極寒地の人々と暮らしを撮った。代表作にアフガニスタン抵抗運動の指導者マスードに密着取材した「マスード 愛しの大地アフガン」により国際的に高い評価を受け国内では第12回土門拳賞を受賞した。他に「エルサルバドル 救世主の国」(講談社出版文化賞)など著書、写真集多数。

「2020年 『女、美しく わが旅の途上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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