きょうのできごと (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1362
感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407111

作品紹介・あらすじ

ある晩、友人の引っ越し祝いに集まった数人の男女。彼らがその日経験した小さな出会い、せつない思い。5つの視点で描かれた小さな惑星の小さな物語。書下ろし「きょうのできごとの、つづきのできごと」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 関西弁のやりとりが好きです。
    「上手く言われへんけど」とか日常で使ってみたいですね。
    全然関西出身じゃないんですけど。

  • 柴崎友香さんの本を初めて読みました。
    若者の日常の一コマを描いている作品。数人の登場人物の視点で書かれた短篇は、それ自体で完結しているのだけど、それらが一つの物語をも形成している点が面白いと感じました。

    大学時代の彼氏、彼女、友人らの何気ない会話が、ノスタルジックで、懐かしく、そして羨ましく感じました。

    一番印象的だったのが、けいとが安藤くんのことについて、真紀と話している場面。
    けいとの
    「いっしょにおって好きになるかもしれへんのって、なんか怖い」
    という一言は、奥が深く、気の強そうなけいとという人物の中にある”やわらかい面”に触れた感じになりました。

  • 作者を最初に有名にした作品。
    映画化されたのでそちらで知っている人も多いはず。
    いくつか柴崎作品を読んでいるのに、これ読みそびれていたので今更ながら。

    「飲み会に集まった大学生の、何でもない1日の話」
    と本人が書いているが、
    いつものようにそんな日常の一コマでの会話の中に
    時々、そうかもなぁって思う話やフレーズがあったりするのがやっぱり好き。

  • このあいだ『ビリジアン』を読んでこの作家に完全にはまりました。著者の作品を読むのは本作で4本目です。
    この作家が描くことは本当に一貫していて、人との関わりや過去や場所やといった物事との繋がりの中に「今の自分」を執拗に描き出そうとしているように思う。解説にあるように、常に動いているものとして「今」を捉えるのが異常に上手い。自分が日常の中で普段無意識に捨て去ってしまっている視覚情報や気持ちを的確に拾い上げてくれる。その丁寧な描写に「今」に対する誠実な肯定のエネルギーを確かに感じる。だから私はこの人の作品が好きなのだと思う。

  • 小説の前に、映画を観ました。
    それで、その空気感が気になって。なんちゅーか、気になってしょーがない!やもたてもたまらず!というのではなく。

    じんわり、いつか読んだろ。よむやろなぁと。

    で、読んで。凄いなぁと思ったのは、なんか登場人物の二十歳前後のふんわり浮き足だった可愛らしく、でもどうしょーもない女の子が友人たちと家飲みしてる時にいう言葉。やたらふわふわしながら、酔っ払ってる時の感覚が玉子の殻とどーのこーのっていうセンテンスです。なんか、ほんとどーでもいいシーンなんだけど、やたらありありと自分にもなんかこういうどーしょーもないけど幸せだぜっていう雰囲気全開の時期があったし、多分それは一生消えないな。だって二十歳だったんだもん。という空気感が小説でも、映像でみるのと同じ位強くあったのでした。

  • 大学生活、終わっちゃった…

  • 京都の大学院に入学した正道くんの家で、引っ越し祝いの飲み会。コンビニに買い出ししたり、酔っ払いながら髪を切ったり、夜中に昔通ってた高校に行ったりで、自分が大学生だったときの雰囲気や気持ちを思い出さしてくれる。
    時系列がいい感じに遡ったり戻ったり。真紀ちゃん、けいと、かわちくん登場人物の性格や話も心地よくて、「きょうのできごと」ってタイトルもぴったり。


    「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー:三月二十五日 午前三時」
    「ハニー・フラッシュ:三月二十四日 午後六時」
    「オオワニカワアカガメ:三月二十五日 午前四時」
    「十年後の動物園:三月二十四日 午後一時」
    「途中で:三月二十五日 午前三時」

  • ある夜の引っ越し祝いの飲み会に集まった大学生の男女の物語。何気ない日常が描かれている。
    そして、巻末にあるきょうのできごとのつづきのできごと。現実と小説がリンクしていて不思議な感じだった。

  • 今度お話を聞きに行く機会があるので、一冊くらいは予習に…と思って手に取った。
    5人の大学生~社会人のゆるいある一日の出来事を淡々と。深夜から朝にかけての空気感の描き方が好き。あと、大阪在住ゆえに登場人物たちの話す関西弁にストレスを感じさせないのが良い。
    それにしたって西山君の絡み酒は面倒くさい。それ以上にかわちくんの彼女がハイパーめんどくさい女すぎてイライラした(笑)

  • 昔映画を見たので。柴崎友香は結構好きだし相当数読んでいるのだけれど、代表作と呼ばれるこちらはまだ未読であったので。大学生たちのゆるーいしょーもなーい毎日。作者の通っていた高校の最寄り駅と思しき描写が楽しい。大阪市民には面白いよね。原作では天王寺動物園だけど映画は王子動物園なんだよねー。2013/295

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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