自動巻時計の一日 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.04
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本棚登録 : 70
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407180

作品紹介・あらすじ

「どんなに、おれのまわりを見まわしても、見なれたものばかりだ」。米軍基地の化学研究所に勤める男が、朝起きてから夜寝るまでのことを書き出してみようと思い立つ。家での朝食、通勤風景、米兵たちとのやりとり、時間を盗んで翻訳している小説…何のへんてつもない日常の出来事が一体となって、類例のない小説が誕生した。

感想・レビュー・書評

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  • 本日読了。
    米軍基地の研究所に勤める、
    さえない中年男性(当然作者自身と思われる)の、
    何も起こらない一日を、
    飾らない文体で淡々と描いた、
    日記のような随筆のような不思議な小説。
    小実昌さんはこの本を出版する際
    出版社にタイトルは付けないよう、
    しつこく頼みこんでいたそうだ。
    出版社がこのタイトルを付けた意図はよく分かるが、
    いかにも意味ありげな題名を人目に晒すことを
    小実昌さんがどうしても避けたかったことは
    想像に難くない。
    小説的な嘘や飾りを廃し、
    物語であることをかたくなに拒絶する作風は
    小実昌さんの全作品に通底するもの。
    ところで、主人公が作中で翻訳しているアメリカの小説は
    本当に存在しているのだろうか。
    架空の海外小説の主人公に
    小実昌さん自身の出征体験を、
    改めて語らせている、
    そんな印象を受けるのだが・・。
    どなたかご存知ではないですか?

  • 私小説。生活日記?
     だらだらした感じ。面白くは……ないです。よくわからん。
     表紙を見て、中身を読んでのギャップ。
     表紙で見た主人公はご老人みたいなのに、中身は三十代半ば。表紙で思い込んできただけに、えって感じ。だまされた、と。
     あまり気持ちのいいだまされ方ではなかったな。

     この話は日本の米軍の研究所に勤めている日本人が平日の一日をつづっただけのもの。
     布団から起きることから始まって、寝入るまで。彼は仕事の合間に翻訳をしてせっせと小遣いを稼いでいる。
     作者はこの本にタイトルをつけたくなかったそうな。でもそんなことは許されるわけもなく。こんな名前になりました。
     あちらこちらに出てくる、皮肉な言い回し。主人公は無夜に近いかも。
     ちょっと環境はかわっているけれど、まごうことなく日常風景の物語。朝、カカア(奥さん)より早く起きてしまって損した気分になったりする。昼休みがもったいないからと早弁をする。なんだか学生のよう。

  • 力の抜けた何でもない話だけど、小実昌さん以外には書けない。最も好きな作品です。

  • いいなあコミさん。野放図で法螺吹きでのん兵衛で助平でさあ。この作品は肩の力を抜いて、速読ならぬ遅読することをすすめます。

  • 後半斜め読み。田中コミマサというおっさんがいて、彼は米軍の基地で薬いじったりする仕事をしつつ、通勤の間に翻訳の仕事をするおっさんなんだけど、彼が日常をつづった本。たぶん、小説だけど、日記と小説の間くらい。マジ読みづれえ。漢字少なすぎ。それから語り方が(世間で共有されていると思うけど)女の人っぽい。整理や脈絡がなさすぎる。文体実験としては面白いし、語り口自体は嫌いじゃないけど、これでは流れが頭に入っていかない。全然エピソードが記憶に無い。もう3週間くらいかけて読んでるからってのもあるけど。

  • 表紙以外は最高です。コミさんの奥さんもツワモノだ...

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著者プロフィール

田中小実昌

一九二五年、東京生まれ。小説家・翻訳家。東京大学文学部哲学科中退。七九年、『香具師の旅』で直木賞を、『ポロポロ』で谷崎潤一郎賞を受賞。二〇〇〇年没。主な著書に『アメン父』『上陸』『自動巻時計の一日』『くりかえすけど』、訳書に『湖中の女』(レイモンド・チャンドラー)、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(ジェームズ・M・ケイン)などがある。

「2020年 『ほのぼの路線バスの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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