天下大乱を生きる (河出文庫 し 9-1)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407418

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  • 司馬遼太郎 小田実 
    国家、天皇制、日本人をテーマとした対談。2人は とにかく関西弁で喋り倒す。


    国家と個人は無関係という点において 両者は一致している〜戦争体験や多くの死を見てきた人にとって 国家概念は無意味になるのか?

    天皇制について、批判的すぎる小田実と鈍感すぎる司馬遼太郎という感じ。司馬遼太郎「日本の歴史は 天皇問題を外す方がよく見える」には 驚いた。


    日本人論は 面白いが、2人のアプローチが違い過ぎるので 対談としては まとまりがない。小田実は 法人資本主義や韓国人との違いから論じ、司馬遼太郎は 個を薄くして機能を重視した集団という概念を用いた

    小田実の「日本人は 平時の感覚で生き、韓国人は 緊急時の感覚で生きている」というのは 興味深かった。


    2人の国家論
    *小田実「国家はなくなっていい 人間は生きるべき」
    *司馬遼太郎「終戦〜国家はこれでいいんだ。もう国民であることをやめよう〜国のためとか〜もういいんだ」

    小田実の国家の成立プロセス=強制力(警察力、軍事力、法律)により国家を主張し、国家を承認させる


    天皇制についての2人の意見
    *小田実「明治以来の日本産業は国策であり、企業ぐるみの体制国家の上に天皇制が成り立っていた」
    *小田実「終戦における天皇の人間宣言は 天皇の戦争責任を曖昧にし、天皇制を存続させるものであり、ファシズムの意識とつながる懸念がある」
    *司馬遼太郎「日本の歴史は 天皇を外すとよく見える」
    *司馬遼太郎「日本人は主人より従者になりたがる〜天皇制は 従者の美意識に入り込んだもの」


    小田実「法人資本主義」
    *日本の資本主義の特色は 法人資本主義と企業集団
    *西欧の資本主義は個人資本主義→金持ちがお金を出し合って会社を作り会社から利益の還元を受ける
    *法人資本主義は配当しないから法人は大きくなる


    司馬遼太郎 「日本人の機能としての個」
    *西洋の個人は個人、集団は集団という考えとは異なる
    *他の強い勢力がきたら その系列に入るだけ〜裏切りによる調整
    *個を薄くすることで生活集団の一単位が成立している


  • ・12/31 読了.ついうっかり読み始めてしまう.それにしても、今回の本たちは対談集が多い.この本は難しい.いまいち言いたいことが理解できない.

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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